2012年12月19日水曜日

スーパーあぶない刑事25話

                        『明暗』
「明るいことと暗いこと立体をはっきりさせめこと。」





村木拓「もう朝ですよ本城さん」
本城慎太郎「あぁ、タ〜ク帰るよ」





前の日の深夜二時にタレ込み電話が入り確かめるため現場へ向かった本城と村木だった。
しかし数時間経っても何も起こらなかったのでガセだということで帰って来たのだ。
署に戻ると大下夫妻と鷹山が眠気覚ましにコーヒーを淹れたところだった。





大下薫「あら、お疲れさま、どうでした?」
村木拓「ガセでした」
大下勇次「そっかコーヒーいります?」
本城慎太郎「サンキュー、ところで署長は?」
大下勇次「仮眠室で寝てますよ」






ソファーに座りながら大下は答えた。






本城慎太郎「そう、俺たちも今のうちに寝ておこうか」
村木拓「そうですね」
鷹山敏樹「行ってらっしゃい、俺たちはさっき戻ったとこなんで」







鷹山の言葉にうなずきながら本城と村木も仮眠室へ行きました。
そして朝の九時になると真琴が起きて来た。
捜査課にはすでにみんな出勤していた。






松村優子「あっ署長、おはようございます」
大下真琴「おはようございまぁ~す」
みんな『おはようございます』






みんなにあいさつをすると顔を洗いにトイレに行きました。
そこでさっぱりさせて戻って来た。







大下薫「はい着替え下着もちゃんと入っているから着替えておいで」
大下真琴「は~い行って来ます」






真琴は取調室で着替えた。
大下勇次は真琴の朝ごはんを買いに出て行きました。
着替えを終えて出て来るともう署長の顔になっていた。








大下真琴「よし、あれ父さんは?」
大下薫「あんたの朝ご飯買いに行ったよ」
大下真琴「そう、楽しみ♪」






大下はスーパーの袋を下げてスキップしながら戻って来た。






大下勇次「お~待たせ!ホレおにぎりとからあげ」
大下真琴「わぁ~うれしい、ありがとう」






さすが父親、息子の好物をよく分かっています。
鮭のおにぎり・しらすわかめおにぎり・鮭わかめおにぎりにから揚げ五個入りを買って来た。







大下勇次「それと玄米茶」
大下真琴「よく分かったね、俺の好きな物」
大下勇次「だってお前のパパだもん」






と得意気に答える勇次。






鷹山敏樹「食べてなさい」
大下真琴「はい!いただきます」






おにぎり三つにからあげに玄米茶、どれも真琴の好物ばかりです。
そこへ徳川たちが出勤して来ました。
宮本課長・武田そして近藤副署長も一緒に出勤して来ました。






近藤卓造「おはよう、丁度いい時間だな」
宮本謙「あ、署長ま~たお泊りしたんですか?」
大下真琴「いやぁ整理する物があって・・・」
宮本謙「もう何日帰っていないんです?」
大下真琴「ふぃっか」





おにぎりをほおばりながら答える真琴に呆れ顔の課長たち





村木拓「三日⁈」
徳川吉之「署長は日本で一番忙しい10歳児だな」
大月半蔵「ハハハ!そうですなぁ」





大下は苦笑いしています。





大岡忠利「署長、それで全部終わったんですか?」
大下真琴「はいチェックして下さい」
大岡忠利「分かりました」
遠山金之助「大岡さん手伝います」







遠山も一緒にチェックしてくれました。







原田実「でも正直助かってます、俺たちも捜査資料に眼を通すから、すごく読みやすいし分かりやすい」






大岡と遠山は仰天した。






遠山金之助「こいつは驚いた!見事なもんですよ」
大岡忠利「ちゃんとポイントをついてまとめてある」
遠山金之助「字も奇麗だし本当に小学生ですか?」
大下真琴「そうですよ、10ちゃいの小学生でちゅ」






両手を頬に当て目をぱちぱちさせて見せる真琴に一同に笑いが出る。






本城慎太郎「こりゃいい!ハハハ!」
田中文男「でも、これで三日目でしょ?」
大下薫「そうよ育ち盛りなんだから、あんまり無理してほしくないのよね」





薫の言葉に大下もうなずく。






大下勇次「でも言っても聞かないし」
大下真琴「フッ」





と、鼻で笑う真琴だった
そこへ徳川の妻・菜美が女性と一緒に駆け込んで来ました。





菜美「助けて下さい!子供たちが」
徳川宗明「菜美ちゃんどうしたの? 詳しく話してごらん」
由貴「遠山の妻、由貴(ゆき)と申します、彼女の双子のお子さんが覆面を被った男たちにいきなり連れて行かれてしまったんです」






それを聞いて真琴の顔色が変わった。






徳川吉之「ヤレヤレ・・・しかし相手が悪かったな」
徳川治樹「あの二人が大人しくしているとは思えないが」
菜美「真琴さん、二人を助けて下さい」





菜美は頭を下げた。
真琴は菜美に近づき菜美の肩に手を乗せて・・・






大下真琴「任せて、菜美ママ」






と、言いました。
その時、署の電話が鳴り武田が出た。







武田英彦「はい、港署捜査課・・・ちょっと待て」






スピーカーをONにしてみんなにも聴かせた。






犯人(声)『双子を預かった、助けたければ五千万用意しろ、金は大下真琴と相棒に持って来させろ』
武田英彦「場所と時間は?」
犯人(声)『13時に本牧基地跡に持って来い、おかしなマネしたら双子の命はない』






電話が切れた。
逆探知には成功したが公衆電話からとしか分からなかった。






谷村進「一体どこの公衆電話からなんだ?」
海堂進二「お嬢さん、坊ちゃん・・・」






みんな黙り込んでしまった。
しかし真琴があることを思い出した。







大下真琴「武さん、金の用意をお願いします」
武田英彦「分かりました」
大下真琴「南さんは武さんの手伝いを」
南旬一「了解」






それだけ言うとショルダーバックを背負って出て行きました。







宮本謙「行ってくれ」
みんな『はい』






大下たちは真琴の後を追いかけた。






鷹山敏樹「真琴、どうやって里菜ちゃんたちを探すんだ?」
大下真琴「発信機、里菜と家吉の服に縫い付けてあるのを思い出したの」
徳川宗明「本当か!?でかした」
大下真琴「受信機を使って案内する、着いといで」
本城慎太郎「あ、よしよしよし」







真琴は受信機のメモリと地図を辿って誘導した。
行き着いた所はコンチネンタルホテル横浜だった。





高野小次郎「ホテル?こんなとこに・・・」
谷村進「灯台下暗し、有り得ないことはないですよ」
大下勇次「裏へ回わる、署長たちは表から行って下さい」
大下真琴「待て、武さんと南さんが来てからだ」
原田実「しかし、お二人が殺されでもしたら・・・」
本城慎太郎「いや、奴らは金を手に入れるまでは里菜ちゃんたちに危害を加えることはないだろう」
鷹山敏樹「同感だ、待機しよう」





父・大下・鷹山・谷村・吉田・風間・芝の六人は裏口へ回った。
後の者は真琴と共に待機した。






倉田園子「警察です、ここに子供連れで泊まっている客はいますか?」







園子がフロントの従業員に双子の写真と警察手帳を見せて聞きました。






従業員「はい、五名さまでお部屋を取られております」
倉田園子「部屋の番号は?」
従業員「2階の206号室です」
大月半蔵「スペアキーを貸して下さい」
従業員「どうぞ」
倉田園子「どうもありがとう」






倉田の報告を聞いて一同は二階へ上がりました。





町田透「206ここです」
木葉聡「あっ武田さん南くん」
武田英彦「署長、お金持って来ました」





真琴がうなずくと木葉に合図した。
木葉が呼び鈴を鳴らした。
中から男が一人顔を出したので素早く捕まえた。






大下真琴「金を持って来た」






真琴の言葉に男は鍵を開けた。







海堂進二「中には何人いる?」







海堂の質問に男は手を挙げて五人と答えた。
木葉が鍵を開けた男を押さえつけた。
真琴たちは拳銃を手をして中へ進入した。
すると部屋の奥から里菜の声がした。






里菜「ここよ、助けて!」






それを合図に聡と進二と真琴が突入した。
銃声が鳴り響く。






大下真琴「二人を解放してもらおうか」
犯人リーダー「金が先だ」
大下真琴「いいだろう、受け取れ」





ボストンバックを放り投げた。
男は中の金を確認すると・・・





リーダー「取り返してみな」
大下真琴「あっそう、二人とも伏せてな」







里菜と家吉は床に伏せた。




すると入口で隠れていた本城たちが犯人たちの目の前に現れて発砲した。
大下たちは逃げ道を塞ぐように廊下で待ち構えている。





松田香苗「お嬢様、坊ちゃま立てますか?」
里菜「うん」
家吉「大丈夫」





 香苗と園子が里菜と家吉を抱えて部屋から連れ出した。





海堂進二「お二人とも怪我はありませんか?」
家吉「平気、それよりあいつら駐車場に時限爆弾を仕掛けたんだ急がないとホテルごと吹っ飛んじまう!」
大下真琴「任せろ、勇次・慎太郎行くよ」
大下勇次「オーライ、ここは任せる」
青木順子「はい」





大下親子と本城はエレベーターで地下の駐車場へ急ぎました。
しかし犯人の仲間に発砲され足止めを喰らってしまいます。






本城慎太郎「まだ仲間がいたのかよ?!」
大下真琴「階段で降りよう」
本城慎太郎「OK、Igetit」





階段で駐車場へ降りて行った。
すぐに鷹山たちも応援に駆けつけて来ました。







鷹山敏樹「爆弾は?」
大下真琴「分からん、奴らの仲間が駐車場にいるんだよ」
青木順子「里菜さんと家吉くんは徳川さんたちが保護しました」
大下勇次「よかった、後は残りの仲間を捕まえるだけだな」
藤村亮「爆弾も止めなきゃ!」
大下勇次「そうだった、爆弾もあったんだった」







藤村たちも拳銃を手にして敵の位置を確認した。





鷹山敏樹「本城さんは爆弾を探して下さい」
本城慎太郎「分かった、か~ず爆弾探すよ」
吉本和彦「はい」
大下真琴「俺と勇次でかき回すから仕留めてくれ」
原田実「了解、気をつけて下さいね」
大下勇次「そっちも頼む」
大下親子『セーノ!』






2人は同時に出て行って犯人たちを引きつけた。





“バン💥バン💥”






大下真琴「ケケケ♪当たらねぇよ~だ」
田中文男「さすが親子避け方まで同じだ」
遠山金之助「このチャンス何としても生かすぞ」





一方本城は時限爆弾を見つけていた。






本城慎太郎『あったぞぉ~!』
町田透「あったって、何を見つけたんだ?」






透と吉井は駆けつけたばかりで今知った。






町田透「え゙!爆弾?!マジ?」





吉之たちの援護で何とか本城のいるところまで辿り着いた。






大下真琴「下に置いて」






本城はソッと地面に置いた。
真琴はショルダーバックから道具を取り出した。
ドライバーにペンチ・ニッパーなども入っていた。






村木拓「あ゙~クソ、ヤバイっすよここ」
吉本和彦「ここでやるのは危険です、場所を変えましょう」
徳川宗明「ダメだ時間がない五分しかないんだぞ」
大下真琴「いや、カズの言う通り移動しよう」
徳川治樹「しかし場所を探している間にドカンと行ったら・・・五分しかないんだぞ」
大下真琴「フッこんなの一分で止めてやるよ、行くぞ」






真琴はチラッと見ただけで解除する方法が分かったらしい。
安全な場所へ来ると真琴は爆弾の解除に取り掛かった。






青木順子「犯人を追い詰めたわ、来て」
大下真琴「ここは任せて、行って下さい」






治樹と宗明は残って吉之たちが応援に向かいました。
そこへ里菜と家吉が来ました。






徳川治樹「お前たちはパトカーの中にいろ、ここは危ない」
里菜「でも、真琴が心配で行けないよ」
家吉「俺も」
大下真琴「心配するな、早くパトカーに乗れ」
家吉「嫌だ!ここにいる」
大下真琴「バカ💢一般人を巻き込むわけにはいかねぇ、行け!」





真琴に怒鳴られ二人はその場を離れた。
その間も真琴の手は動いている。
爆弾は四分を切っていた。






徳川宗明「この瞬間が一番恐いんだよな」
大下真琴「俺だって恐いわよ」







恐いと言いながら冷静さを保っている真琴に感心する治樹と宗明。
そしてアッサリと解除してしまう姿に2人は更に驚いた。






大下真琴「はい止まったよ」
徳川宗明「えっもう?」






あとのことは鑑識の安田たちに任せて引き上げました。






大岡忠利「お疲れ様です、時限爆弾をアッサリ止めたそうですね」
大下真琴「なんだかねぇ、自分でもビックリです」
徳川宗明「驚いたのはこっちの方だ、四分切っていたから心配していたのに10秒も経たないうちに『はい止まったよ』って」
徳川治樹「本当、里菜たちを先に行かせたあの緊迫感がウソのようだったよ」







治樹と宗明の話を聞いた遠山は真琴を見て口を開いた。






遠山金之助「やはり只者ではないですね、デカIQで250採るくらいだ」
大下真琴「買い被り過ぎですよ、金さん」
遠山金之助「またそぉやってごまかして・・・」
大岡忠利「まぁ署長のことはこれからつき合って行けば分かりますよ」
徳川吉之「ふむ、慌てることはないよ」





吉之に肩を叩かれ遠山は真琴をジィ~と見つめている。





大下薫「また理解者が増えそうね、ウフ♡」




つづく。

































































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