2012年12月18日火曜日

ごちゃ混ぜアニメ17話


      『少女マンガにハマッタ妖怪』



マヤです。
最近、飛影の生活が少し変わったんです。
どう変わったかというと・・・





幽助「サンキュー蔵馬、助かったぜ」
蔵馬「いや俺でよければいつでも相談に乗るよ」
幽助「あれ?」






ふと前を見るとBOOKONから飛影が出て来ました。
幽助と蔵馬は顔を見合わせて・・・





幽助「今の・・・飛影だったよな?」
蔵馬「ああ、何を買ったんだろう?」






二人は飛影に見つからないよう後をつけた。






幽助「ヤベ!・・・あれ?」






飛影は家に入って行きました。






マヤ「お帰り、またマンガ買って来たの?」
飛影「いけないか?」
マヤ「別にいけなくはないけど、コエンマ様の指令がないからって毎日古本屋行って・・・」






マヤさんが怒っても飛影はマンガに集中していてマヤさんの話なんて聞いちゃいない





マヤ「ねぇ!パトロールは?無視ですか•••もう知らない💢」





マヤさんは買い物に出かけました。





マヤ「まったく霊界探偵クビになっても知らないから」






などとブツブツ言いながら歩いていると後ろから声をかけられました。






ヒュンケル『マヤさん』





振り返ると






マヤ「ヒュンケルさん、マァムさんも二人でデート?」
マァム「そんなんじゃ、今日はコエンマ様から指令がないのでヒュンケルと出かけてるだけです」
マヤ「それをデートって言うのよ、うちのろくでなしとは大違いだわ」
ヒュンケル「飛影とケンカでもしたのか?」
マヤ「そうじゃないけど、最近ちょっと様子が変なんです」
マァム「どんな風に?」






と、マァムが聞くとマヤさんが二人に迫って来て・・・





マヤ「今日も古本屋へ行って、マンガ本をどっさり買って来て家で、ずぅ~と読んでるのよ」
ヒュンケル「マンガ本?意外だな、あの男には似合わんような気がするが・・・」
マヤ「でしょ!ご飯とお風呂の時以外はずっと読んでるんです」
マァム「へぇ~、でもいいんじゃないですか?」
マヤ「よくないわよ💢私が何を聞いても答えてくれないし、マンガに集中しちゃって・・・一発ぶん殴ってやろうかと思ったくらいですよ」






マヤさんの言葉に半分引き気味のヒュンケルとマァムでしたが・・・
理解はできました。






マァム「どんな様子か見てみたいわね」
マヤ「じゃ来てみます?」






という訳で一端家に荷物を置いてから観に行くことにした。
マヤさんが玄関を開けて待っていました。
すると偶然幽助たちが通りかかって、なりゆきで幽助たちも観に来ることになりました。






マヤ「ほら、あれよ」
桑原「確かに信じられねぇな」
幽助「しかもテーブルに山積みになってるし」
ヒュンケル「ずっとあそこで読んでいるのか?」
マヤ「そうよ、ずっと・・・ときどきブツブツ何か呟いてるけど」
蔵馬「この距離で俺たちにまったく気づいていない!」
マァム「ヒュンケルはどう思う?」
ヒュンケル「ずっとあの状態なんですよね?」
マヤ「そうです」
ヒュンケル「ふ~む」







ヒュンケルが考え込んでいると・・・






マヤ「ヒュンケルさん、ちょっと試してみてくれますか?」
ヒュンケル「それは構わんが、何をすれば・・・?」
マヤ「ケンカを売るとか」
ヒュンケル「あの様子ではケンカを売っても乗らないと思うが・・・」
マヤ「なんでもいいです、話しかけてみて下さい」
ヒュンケル「分かった」






ヒュンケルは飛影に近づき声をかけました。






ヒュンケル「飛影」






呼んではみたが返事がない。
ヒュンケルは更に近づくが・・・






ヒュンケル『ここまで近づいても気づきもせんとは!』






仕方なくとなりに座って声をかけた。





ヒュンケル「そのマンガ、面白いか?」
飛影「ヒュンケル来ていたのか」
ヒュンケル「ああ」
飛影「お前も読むか?」
ヒュンケル「いや、それ今日買ったのか?」
飛影「フフン♫古本屋でまとめ買いしたのさ」
ヒュンケル「少女マンガのようだが、他には興味ないのか?」
飛影「テレビの再放送を見て買ってみようと思ったんだ」
ヒュンケル「マ○レー○ボー○、全巻あるな」
飛影「ああ揃った」
ヒュンケル「そ、そうか」






嬉しそうに飛影は答えた。
その表情を見てヒュンケルはそれ以上何も言えなくなり戻って来ました。






ヒュンケル「すまん、しかし調子狂うよな」
マァム「そうね」






飛影ただ今少女マンガにハマっています。

日にちが替わって・・・
今日は霊界へ行く日です。
ヒュンケルと鬼宿は家の前で飛影待っていた。







飛影「待たせたな」
鬼宿「コエンマが待ってる、行くぜ」






三人はコエンマの待つ霊界へ向かいました。





コエンマ「よぉ、来たな、今日も大した指令はないんだ、十番商店街も平和みたいだしな」
ヒュンケル「パトロールはしなくてもいいのか?」
コエンマ「いいだろう、何かあったらこっちから連絡する」
飛影「そうか」






そう答えると飛影はさっさと帰って行きました。
ヒュンケルと鬼宿も飛影に続いて出て行きました。







鬼宿「まぁ平和が一番だよな」
ヒュンケル「そうだな」






鬼宿に相槌を打ちながらヒュンケルは飛影の方を見つめていた。
人間界に戻ると、マヤさんも買い物から帰って来たところでした。





マヤ「あれ?指令はなかったの?」
鬼宿「ああ、平和が一番ですよ」
マヤ「そうですね、でも今はある意味困るわ」
ヒュンケル「むっ、飛影どこへ行くんだ?」
飛影「散歩だ」







そう言ってスタスタと去って行きました。
マヤさんはため息をついて家に入って行った。
ヒュンケル達もそれぞれ家に戻りました。
飛影は町の本屋に入りました。
そこで何気なく料理の本を手に取った。






飛影「魚の捌き方か、ふむ」







ぺージをめくって見ていると・・・





士郎「そんな本じゃ参考にはならないぜ」






声の主は・・・





飛影「貴様・・・何者だ?」






飛影は自分の間合いに入り込む男に警戒するように男を睨みつけた。
しかし男は頭をかきながら飛影に近づいて来た。






士郎「いや~悪い悪い・・・俺の名前は山岡士郎、あのビルで働いてるんだ」
飛影「トウザイシンブン?ほぅ、お前は?」
ゆう子「栗田ゆう子です。よろしく、よかったら、あなたの名前も教えて下さい」
飛影「飛影だ」







この出会いが飛影をまた変えることになる。






飛影「山岡とか言ったな、この本が参考にならんとはどういう意味だ?」
士郎「飛影は魚を捌けないのか?」
飛影「料理は一応ひと通り作れるが、魚を捌いたことがないんでな」
士郎「だったら、今時間あるか?」
飛影「ないことはない」
士郎「よし、じゃ教えてやるよ、ついて来い」
ゆう子「えっちょ、山岡さん?」






飛影は今出会ったばかりの男について行きました。
山岡は魚市場で魚を買い飛影を岡星へ連れて行きました。







飛影「ここは?」
士郎「俺の行き付けの店だ、まぁ入れよ」
岡星「いらっしゃい、あれそちらは?」
士郎「本屋で出会ったんだ、飛影っていうんだ」
岡星「どうぞ山岡さんのお知り合いの方なら大歓迎です、私はここの主人で岡星と申します」
飛影「ほぅ」





飛影はぶっきらぼうに返事した。






士郎「岡星さん、ちょっと台所使っていいかな?」
岡星「ええ勿論、どうぞ」





ゆう子はカウンター席に座った。






士郎「飛影も入って来いよ」






飛影は台所に入った。
山岡は来る途中で買ったアジをまな板においた。






士郎「いいか、よく見ていろ」
飛影「何をするんだ?」
士郎「三枚下ろしだ」





山岡は上着を脱ぎ腕を捲ると包丁を手にした。







士郎「まずは下処理からだ、①出刃包丁で、ウロコを取る。②ゼイゴを取り除く、ゼイゴとはウロコの変形した硬い部分のことだ、尾の一番先から刃を入れ頭の方へと刃を進める。ゼイゴは頭の先まで取らないこと③裏側も同じだ」






飛影は真剣に山岡の手つきを見ている
岡星と栗田も『さすが山岡さん』と言うかのようにうなずいている
作業は続きます。






士郎「④頭を右に置き、胸ビレの下から包丁を入れる。⑤裏返したら同様には頭を切り離す」






山岡の説明は更に続く。





士郎「⑥腹を排泄口まで切り開き内臓を取り出す⑦そしたら流水で洗い、指で腹の中に残った血合いと黒い膜を取り除く⑧最後に水気を拭き取る、ここまでだ」





飛影はうなずくと包丁を手にした。
そしてもう一匹の魚をまな板の上に置いた。






ゆう子「えっ?できるの?」
飛影「もう覚えた」
士郎「じゃ、やってみな」







と言うと山岡は少し離れて見てることに・・・.
飛影は見様見真似で包丁を動かした。
さすがは剣士・・・
いつも剣を使っているせいか?
包丁捌きもお手の物だ
これには山岡たちも驚きを隠せない。






士郎「へぇ~慣れているじゃないか」
飛影「ふだんは剣で戦っているからな」
ゆう子「そう言えば、まだあなたがどんな人か聞いてなかったわね」







栗田が言うと飛影はチラッと栗田の方を見てから答えました。






飛影「俺は魔界から来た妖怪だ、最初は人間界を脅かしていたが、一人の男と出会い、戦って負けてからは俺も事あるごとにそいつに関わるようになったんだ」
ゆうこ「あなた妖怪だったの!?」
飛影「そいつは元ライバルで今は友だが、よく会って一緒に敵と戦っている」
士郎「へぇ~興味あるなぁ」
飛影「お前たちは普段は何をしているんだ?」






今度は飛影が質問をした。







ゆうこ「私と山岡さんは東西新聞で究極のメニューを担当してるの」
飛影「キュウキョクノメニュー?何だ?それは」
士郎「あらゆる食文化を取材して時には学んでそれを記事にしてるんだ」
飛影「なるほど、だから魚を捌くのも簡単にできたのだな」
士郎「フッまぁね」






すると岡星が困った顔をしていた。






岡星「参ったな、お客さんがキャンプに持って行く薪を用意するのを忘れていた」
飛影「薪はあるのか?」
岡星「えぇ、裏に沢山今からじゃ時間かかるし」
飛影「俺がやってやる」
岡星「えっ!いいんですか?かなり量がありますけど」
飛影「構わん」
岡星「助かります、勝手口に置いてありますので」





飛影は勝手口に出て木を運んで来ました。






ゆうこ「こんなに?!」
飛影「あぶないから下がっていろ」






山岡たちは少し離れた所で見物することにしました。
飛影は木の束を投げると素早く剣を抜いて斬って見せた。





“シャシャ⚡️カシャン⚡️バラバラバラ❗️”






飛影は剣を収めた。





士郎「いつの間に•••?」
岡星「すごい!助かりました」
ゆうこ「すごい!」
飛影「さっきの礼だ」





と言った。






士郎「今度、うちの会社に来ないか?」
飛影「ヒマがあったらな」
士郎「これ俺の連絡先、一応渡しとくよ、まぁ直接会社に来てくれても構わないけど」
ゆう子「いつでも訪ねて来てね、歓迎するわ」
飛影「フン、じゃあな」






飛影は飛び去って行きました。
帰りに『君○かい○ない』という少女マンガを二冊買って帰りました。






マヤ「お帰り遅かったじゃない」
飛影「ちょっといろいろあってな、また友ができた」
マヤ「へぇ~それって人間?それとも妖怪?」








慣れてるなぁ、よく分かってると言うべきか・・・







飛影「人間だ。山岡士郎という男と栗田ゆう子という女だ」
マヤ「山岡?栗田?どっかで聞いた名前ね」
飛影「東西新聞で究極のメニューを担当しているそうだ」
マヤ「やっぱり!それってあの美味しんぼの主人公でしょ」
飛影「おいしんぼ・・・?」






飛影は分かっていない。






マヤ「へぇ~すごい人と知り合ったものね」
飛影「あいつらそんなにすごいのか?」
マヤ「つき合って行けば分かるわよ」






と言ってマヤさんは台所へ入って行きました。
夕飯の支度をするのです。






飛影「今日はなんだ?」
マヤ「これをどうしようかと思って」





マヤさんは鰹をどう料理するか悩んでいた。
鰹は丸々一匹だったので・・・






飛影「よし、俺が捌いて刺身にしてやろう」
マヤ「大丈夫?」
飛影「今日、山岡に習ったから心配するな」
マヤ「ふ~ん、ではお手並み拝見といきますか」






飛影は包丁を手にすると鰹を丁寧に下していきました。






マヤ「すごいじゃん!」
飛影「フフン♫」






マヤさんは感激のあまりはしゃいでいた。
飛影は捌いた鰹を皿に盛り、冷蔵庫からポン酢を取って来て刺身にかけました。






飛影「こんなもんだろ」
マヤ「うわぁ!プロが作ったみたい、早く食べよう、ご飯盛るね」






マヤさんはご飯を盛りつけました。






マヤ「じゃいただきます」
飛影「マヤ」
マヤ「なに?」
飛影「ア~ンしろ」
マヤ「子供じゃないのよ」
飛影「いいから、ア~ンしろ」
マヤ「ハイハイ、ア~ン」






と言ってマヤさんが口を開けると飛影は鰹をマヤさんに食べさせた。





マヤ「美味ひい!」
飛影「そうか」






飛影は得意気に言うと自分も食べた。





飛影「ふむ、こんなもんだろう」
マヤ「本当に美味しい」




この日は会話も弾み楽しい食事になりました。







飛影「フッ・・・山岡に感謝だな」
マヤ「何か言った?」
飛影「いいや」






マヤさんの幸せそうな笑顔を飛影は穏やかな表情で見つめていました。


つづく。



0 件のコメント:

コメントを投稿