2012年12月16日日曜日

スーパーあぶない刑事6話


 『旅立ち』




広域捜査隊に警視庁から移動の通達が来ました。




根岸玲子「明日付で警視庁に移動することになりました」
大下真琴「聞きました。俺のやり方を把握するために来たんですよね」
町田透「この間来たばかりじゃないですか」
近藤卓造「約束だから仕方ないんだ」
高見兵吾「少しの間だったけど、みんなに 会えて本当によかった」





西崎たちも立ち上がりました。





西崎駿一「もっとあなたの下で一緒に捜査したかったです」
大下真琴「ありがとう」
鷹山敏樹「でもまたどこかで会えますよ」
杉浦克也「そうだな、合同捜査とかで会えるかもしれんな」
戸倉梢「みんなのことは決して忘れません」





ところが旅立ちの前に事件が発生しました。
工事現場近くで男性が拳銃で撃たれたのです。
現場に急行すると男性はビニールシートに寝かされていました。





安田一郎「心臓を一発だ」
田中文男「身元は?」
安田一郎「内ポケットに手帳が入っていた」





高見が手帳を開いて身元を確認しました。




高見兵吾「倉本公三さん無職のようだな」
工藤丈彦「何でそんな人が撃たれるのでしょう?」
青木順子「恨みを買っているとは思えないわね」
藤村亮「じゃ怨恨の線はないか」





藤村が言うと杉浦警部が指示を出しました。
  



杉浦克也「とりあえず倉本さんの交友関係を洗ってみよう」
村木拓「どこでどんな恨みを買っているか分からないですもんね」
大下真琴「俺はここに残ってもう少し周辺を調べるよ」
本城慎太郎「じゃ俺が署長をサポートする」
高見兵吾「俺も残る」
西崎駿一「じゃ俺も」





そうゆうことで真琴と本城と高見と西崎が現場に残りました。
他の刑事たちは聞き込みを開始しました。




戸倉梢「すみません、この辺りで・・・」
工藤丈彦「この男性に見覚えありませんか?」
町田透「そうですか、ありがとうございます」





すると有力な情報が入りました。





杉浦克也「杉浦です、昨夜遅くに言い争いをしている該者を見た人がいました」
宮本謙『相手はどんな奴だ?』
杉浦克也「サラリーマン風の男で殺してやると騒いでいたところスナックを閉めようとしていた女性が目撃していました」
宮本謙『了解』






調べて行くうちに該者の人間関係が分かって来ました。
そして容疑者らしい男が浮かび上がりました。






杉浦克也「男の名前は近野康彦30歳IT系の会社に勤めているそうです」
近藤卓造「杉浦さんと夏美ちゃんでそのIT会社に当たって下さい」
芝夏美「分かりました」





杉浦と芝は株式会社ユーラシアへ行きました。
そこで専務に話を聞くことが出来ました。





有川専務「どうも専務の有川です倉本くんはうちの社員ですが何か?」
芝夏美「昨夜元町の工事現場で殺されていました」
杉浦克也「それで倉本さんが最近誰かと揉めていたとゆうことはありませんでしたか?」
有川専務「いいえ、仕事もよくやってくれていましたし、これといったトラブルもなかったと思います」
芝夏美「そうですか・・・」





有力な情報は得られませんでした。
港署に戻って報告しました。





原田実「じゃ会社絡みの怨恨の線は消えましたね」
杉浦克也「怨恨ではないのかもしれませんね」






ところが鑑識から知らせで倉本さんが撃たれた訳が分かりました。





安田一郎「分かりましたよ、ガイシャが撃たれた理由が」
高見兵吾「本当ですか?」
安田一郎「現場周辺をくまなく捜索したらこいつが出て来た」
西崎駿一「この段ボールの中身は?」
安田一郎「麻薬だよ、こいつ深夜に隠していたんだ」
大下勇次「じゃそこを目撃されて倉本さんは殺されたってことですか?」
工藤丈彦「口封じに殺されたってことかよ 」





工藤が机をぶっ叩いた。
本城たちもやりきれないような顔をしています。





武田英彦「奴らはどうして見られたのにも関わらず場所を移さなかったんだろう?」
町田透「見たのは該者だけだったのであえて場所を移さなかったんじゃないですか」
青木順子「それに暗がりならあの所は物を隠すのに打って付けよね」
戸倉梢「でも事件になれば警察が周辺捜索することぐらい分かっていた筈よ」
藤村亮「犯人にはそこまでする余裕がなかったんじゃねぇの?」





亮の言葉に同意見を発した原田も・・・





原田実「犯人はかなりテンパっていたことになりますよね」
高見兵吾「麻薬かぁ、あんな所に隠してその先どうする気だったんだろうな?」
大下真琴「テンパっていたなら、何も考えてなかったんじゃない」
西崎駿一「一理ありますね」





谷村と吉田が麻薬を押収しようと手を伸ばすと真琴が止めた。




大下真琴「待ってお二人さん」
谷村進「でもここに置いといても仕方ないでしょう」
大下真琴「いいの、取りに来た所を逮捕するんだから」
吉田春彦「あ、なるほど・・・」





大下たちはバラバラに分かれて麻薬の入った袋を見張るため張り込みました。
あの場所にある限り犯人は必ず取りに来る筈です。
数時間が経ちました。
取りに来る気配はありません。





工藤丈彦「誰も取りに来ませんね」
本城慎太郎「まだ分からないよ~」





更に数時間経ちと、一台の乗用車がゆっくりと来ました。
周りを警戒するかのようです。





大下勇次「あれじゃないか?」
町田透「来たみたいですよ」





透がみんなに呼び掛けるとみんな乗り出しました。
真琴が双眼鏡でドライバーの顔を確かめようとしました。





大下真琴「サングラス掛けていて顔までは分からん」
藤村亮「そんな物持っていたんですか」
大下真琴「備えあれば憂えなし、準備いいのが俺の取り柄なの」
藤村亮「それでいいじゃないですか」
大下真琴「アザース」





車は袋の横に止まりました。
ドアが開き手で袋を掴むと車に乗せて走り去って行きました。
真琴が銃弾に発信機が内蔵してある特殊な弾を車に撃ちました。





“パン⚡️カツン✨”





大下真琴「よっしゃ」





全員出て来ました。





青木順子「あれじゃ追いかけようにも無理ですね」
村木拓「下手に尾行して気づかれても困るし」
大下真琴「大丈夫車に発信機を撃ち込んでおいたから」
高見兵吾「拳銃を発砲していたけど、あれは発信機を打ち込んだ音だったのか」






真琴は本城の車に置いといた特殊メガネを掛けた。





本城慎太郎「俺たちもそろそろ行こうか」
大下真琴「道案内は俺がする」
鷹山敏樹「OK」





西崎たちも覆面パトカーに乗り込みました。
みんな本城の車に着いて行きました。






大下真琴「次の交差点を右に曲がって」
本城慎太郎「OK」
吉本和彦「前に代官署で俺もやりましたわ」
大下真琴「そのまままっすぐね」





しばらくは直線の道を走っていました。





大下真琴「その突き当りを左に曲って」
本城慎太郎「I,getit」





公園に差し掛かりました。
たいぶ近づいて来たようです。





大下真琴「近いよ、公園沿いに走って」
本城慎太郎「OK」





少し走って行くとさっきの車を見つけました。





大下真琴「あの車だ」
戸倉梢「すごい、本当に追い着いたわね」
工藤丈彦「でもこのまま尾行を続けたら気づかれてしまいますよ」
大下勇次「平気平気、うちの署長のやり方は絶対バレないから」





真琴が気づかれないように尾行する極意をみんなに教えました。





大下真琴「名付けて入れ替わり尾行」
吉井浩一「尾行に気づかれる前に路地に入って路地でスタンバイしてる仲間が代わりに尾行に着く、それを繰り返すんだ」
田中文男「このやり方で今まで尾行に気づいた者はいなかったからね」
杉浦克也「なるほど冴えてますね」
本城慎太郎「次に尾行に着く人の位置を確認すればスムーズに行くぜ」
高見兵吾「頭いいな、今まで考えたこともなかった」





真琴のプランで入れ替わり尾行を始めました。
最初は藤村と芝ペアから。





芝夏美「尾行を開始します」





夏美は覆面パトカーを走らせました。
亮が助手席に乗っている





芝夏美「また真っ直ぐに走って行くのね」
藤村亮「あの麻薬の行き先を突き止めねぇとな」
芝夏美「あら?もう気づかれたかしら?」
藤村亮「なに?! まだ500mくらいしか走ってねぇぞ」





亮は無線でみんなの位置を聞きました。





藤村亮「すいません、よっぽど用心深い奴みたいでもう気づかれちゃったみたいです」
大下真琴『分かった、次の交差点をまっすぐ入って谷村さんたちがスタンバイしているから』
藤村亮「了解」





夏美は交差点を突っ切りました。
すると助手席の谷村が合図を送って来たので夏美もGOODマークで合図を送った。





谷村進「吉田と谷村尾行を開始します」
鷹山敏樹『了解』





吉田が覆面車を走らせました。
犯人の車は見失っていません。





西崎駿一「なるほど、シンプルだけど確かに効率がいいな」
本城慎太郎『simple is bestだよ』
高見兵吾「納得しました」
谷村進『谷村です、車は海岸通り裏に差し掛かりました』
大下真琴「ハイヨ、順子姉さんと実さん行って下さい」
原田実『原田了解』





谷村の車が止まり前から順子たちの覆面車が出て来ました。
大下たちも覆面車を転がしています。





大下勇次「この先行き止まりだぜ」
鷹山敏樹「ここのどっかがアジトなんだろう」





ところが車がUターンして来ました。





大下勇次「何だよ」





大下も慌てて車をバックしました。
そして今度は新港埠頭まで来てしまいました。





大下勇次「どういうつもりだ? 俺たちを弄んでいやがるのか?」
大下真琴『落ち着いて奴ら尾行されていないか警戒してるんだよ』





新港埠頭まで来て車を止めた大下。
すぐに青木達も新港埠頭まで来ました。




藤村亮「散々走り回ってここかよ」
原田実「降りて来たぞ」





男たちは車を降りてシャツターを持ち上げて倉庫の中に運んで行きました。
中から5・6人出て来ました。





吉田春彦「まだ車の中に荷物がありますね」
吉井浩一「あれを全部中に運ぶんだな」





大下たちは運び終わるまで見つからないように見張っていた。
相手の人数を数えてみるとすると・・・12人でした。





町田透「12人ですね」
高見兵吾「でもこっちの方が人数多いから問題ない」





大下と鷹山は拳銃を抜いて弾の数を確かめました。
やる気満々です。






本城慎太郎「そろそろ行動開始と行こうか」
杉浦克也『よし俺と戸倉と町田と吉本で裏へ回る』
吉本和彦「はい」





覆面パトカーを降りて裏手に回りました。
大下たちは正面から入って行きました。
真琴と勇次が先頭に進んで行きました。





男A「誰だ?」
男B「デカだ!」





もう一人の男の叫びで男たちが出て来て発砲して来ました。





町田透「うわっ!」
吉井浩一「派手だなぁ」
本城慎太郎「よし、スリー数えたら一気に行け」
大下勇次「一気は大得意」





だって一気の勇次ですから。
本城が3・2・1とカウントを取った。





本城慎太郎「3・2・1GO!」





大下親子が飛び出して発砲しました。
続いて高見と西崎・工藤も付いて行きました。
裏に回った杉浦たちと挟み打ちする形になりました。






大下真琴「冴羽獠ちゃん流アクロバット撃ち」
本城慎太郎「ぶっとびだぜ」
大下勇次「あいつシティーハンターが大好きだから」
西崎駿一「だが動きに無駄がない」





着地して・・・





大下真琴「ふぅ、まぁこんな感じでどう?」
高見兵吾「上出来だ、ほとんど一人でやっつけちまって」
鷹山敏樹「俺たちの見せ場が・・・」





タカがショックを受けています。
本城がタカの肩を叩いて言いました。





本城慎太郎「まぁまぁ、まだ終わった訳じゃないんだ」
大下真琴「何をしている、置いて行くぞ」





真琴は走って行ってしまった。
父親の勇次が後を追いました。
感覚をフルに使っています。





村木拓「あれ?大下さんたちが見えねぇぞ」
藤村亮「でもまっすぐ行けばいい筈だ」
本城慎太郎「おい、みんな追いかけて来ないぞ」





大下と鷹山と本城と高見・西崎は付いて来ているが、他のみんなは大下たちを見失っていた。





大下真琴「上だ!」





“ズババババ💥”




真琴が指示した通り上の階から数人が発砲して来ました。
本城たちも応戦してドンドン敵を倒して行きました。





大下真琴「どうやらここが終着点のようだな」
鷹山敏樹「後ろにあるのは麻薬だ、やっぱりここに運び込んでたんだ」
工藤丈彦「こいつを押収すれば」
ボスの男「まさかここまで来るとは大したデカたちだ」
大下勇次「俺たちを普通のジャパニーズポリスマンだと思うなよ」
鷹山敏樹「そこら辺のデカとはここが違うんだよ」





タカは腕を示して言いました。





大下真琴「相手が悪かったな、すぐケリをつけてやる」
ボスの男「クソ潰されてたまるか!逃げ切って見せるぜ」
本城慎太郎「あ~おはずかしぃったらありゃしない、囲まれていることにも気づかないなんてさぁ」
犯人B「なに?!」





辺りを見渡すと町田や原田たちが出入り口を囲んで立っていました。





原田実「残念だったな」
芝夏美「残念だったな」
吉本和彦「残念だったな」
谷村進「残念だったな」
犯人C「クソ、いつの間に」
鷹山敏樹「逃げることしか考えてないから、俺たちに気づかないんだよ」





全員拳銃を向けていました。
犯人たちは観念したようで銃を捨てて手を挙げた
それを見て工藤や谷村たちが近づき手錠を掛けて連行して行きました。
そして・・・港署に戻って来ると・・・






近藤卓造「ご苦労様です、県警にも引き渡しが済んだし言うことなし」
宮本謙「でも署長、たまには署に留まっていたらどうです?」
武田英彦「そう署長なのですから」
大下真琴「そうだね、そろそろ捜査資料も溜って来たし整理しないとね」






真琴は席に着いて報告書を書き始めました。
大人たちはコーヒーを飲みながら何となく真琴の様子を見ていました。
根岸は移動の通達の紙を眺めていました。





高見兵吾「玲子、みんなもう分かっている」
根岸玲子「まずは皆さん今日もお疲れ様でした」
宮本謙「本日付で高見さんたちは警視庁捜査一課へ移動するんだ」
武田英彦「浅見刑事局長が署長の下に着いてから来てくれと言っていたらしい」
西崎駿一「そうなのですか?課長」





西崎は根岸課長を解いました。





根岸玲子「その通りよ、なぜ彼だったのか最初は分からなかったけれど、ここに来てその理由が分かったわ」
戸倉梢「大下署長のキャラは強烈ですもんね」
大下真琴「あらそうかしら?」




真琴はとぼけた風に言いました。
勇次たちは『また言ってら』というような顔をしています。
そこへ高見が真琴に近づきました。





高見兵吾「ありがとう、本当に短かったけど一緒に捜査出来て楽しかった」
工藤丈彦「あのキレのいい動き一生忘れません」
戸倉梢「感覚の鋭さにも驚きましたけど、動きに無駄が無いとこに感激しました」
杉浦克也「あまり絡めませんでしたが、決して忘れません」
西崎駿一「最初は子供に命令されることに抵抗を感じていましたが、今は感謝しています」





そして最後に根岸課長から・・・





根岸玲子「皆さん本当にいろいろ親切にして下さってありがとうございました」





根岸課長が頭を下げると高見たちも頭を下げました。




村木拓「きっとまた会えますよ」
大下真琴「これは別れじゃない、始まりだ。みんなどこにいても仲間だからな」
高見兵吾「ああ、そうだな」
大下真琴「たまには遊びに来て下さい」
谷村進「筋肉鍛えて待ってますから」
町田透「それ以上鍛えなくてもいいでしょ」





と、透に突っ込まれる谷村。





吉井浩一「それじゃ外まで送りましょう」





みんなで外まで見送りました。
高見たちは荷物を持って港署を出て行きました。






『ありがとうございました』
『こちらこそ』





広域捜査隊の高見刑事たちは警視庁に配属となりました。
高見たちの席がガラ空きになりちょっと寂しい気持ちです。
真琴は報告書を三枚書いて提出しました。





大下薫「寂しくなったわね」
大下勇次「そうだな」
本城慎太郎「またいつか会えるさ」
大下薫「さてお腹空いたね、ラーメン食べたい」



薫のドアップで終わり。

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