『変形』
ある日。
薫が大下に買ってもらった指輪を嬉しそうに眺めていた。
真山薫「オホホ♪」
大下真琴「まったく、嬉しいのは分かるけど年考えろよな」
真山薫「うるせぇやい、いい気分を壊すなよぅ」
大下真琴「こっちが恥ずかしいんだよ!」
そこへ少年課の岸本と愛川が来ました。
岸本猛「どうしたんすか?」
大下真琴「父さんに指輪を買ってもらってから、ずっとあの調子なの」
愛川史郎「あれは、ほっとけばいいんじゃないですか?」
大下真琴「そうする、つー訳であの人をよろしこ」
真琴は捜査課に入って行きました。
大岡忠利「おはようございます」
大下真琴「おはようございます」
大下勇次「今日もいい天気だこと」
本城たちも出勤して来ました。
村木拓「おはようございます」
原田実「昨夜は飲み過ぎた」
などと言いながら原田が頭を抑えている。
武田英彦「コラ~シャキッとしろ!」
武田に怒鳴られるが原田たちは机にうつ伏せに寝ている。
本城慎太郎「あ~おはずかしぃったらありゃしない」
大下真琴「拓ちゃんこの報告書じゃ説得力なし、書き直して」
村木拓「ふぁ~い直します」
そこへ鷹山が真琴の席に来ました。
鷹山敏樹「署長、ちょっと変な物を見つけたんだけど」
大下真琴「どったの?」
鷹山敏樹「これどう思う?」
と、言ってタカは真琴に捜査資料を開いて見せた。
大岡も覗き込みました。
大岡忠利「死体が変形している!」
鷹山敏樹「こっちも同じ写真がもう一枚」
大下真琴「本当だ不思議だね、調べてみよう」
真琴と大岡と鷹山は資料室へ行き、過去の事件の資料を調べました。
しかし過去の事件の中に関連は見つからなかった。
大下真琴「おかしいなぁ、どうしてこの死体だけ変形したんだろう?」
真琴は考えていた。
そして徳川たちが出勤して来ました。
徳川治樹「しかし、久しぶりに化粧をしたなぁ」
徳川吉之「ああ、楽しかったな」
徳川治樹「またやりたいな」
徳川吉之「うん」
すると徳川たちの会話が聴こえたのか真琴は…
大下真琴「化粧・・・それだ!」
吉之と治樹は真琴の大声にびっくりした顔で辺りを見回した。
徳川治樹「ん?」
鷹山敏樹「説明してくれ、どういう意味だ?」
真琴は大岡たちを集めて説明しました。
大下真琴「いい? この遺体をよ~く見て」
大下勇次「どこか変なとこあるか?」
すると夏美が気づいた。
芝夏美「あ~!化粧よ、この遺体化粧してる」
藤村亮「言われてみるとそうだな、でもこれがどうかしたんですか?」
大岡忠利「恐らく何かを隠すために犯人が化粧を施したのだろう」
真琴はすぐに県警に電話した。
緒方雄一「はい緒方。おっ真琴君どうした?あぁその事件ならうちの管轄だ」
大下真琴「その遺体化粧してますよね?お気づきですか?」
緒方雄一『化粧ね・・・言われてみれば確かに、しかし第一発見者からは聞いていないぞ』
大下真琴「だとしたら通報してる間に何者かが化粧を施したと考えた方がいいですね」
緒方雄一『なるほど、あっちょっと待ってね。後でまたかけ直します』
大下真琴「分かりました」
真琴は緒方本部長からの連絡を待ちました。
本城慎太郎「真琴、どうなの?本部長の方は」
大下真琴「ちょっと待って、俺に任せて下さい」
宮本謙「分かりました」
数分経って折り返し本部長から電話が来ました。
大下真琴「はい大下です」
緒方雄一「あっ私だ、今担当した寺西刑事に来てもらった。今代るよ」
すると寺西が電話に出ました。
寺西「もしもし寺西です」
大下真琴『あ、どうも』
寺西『死体が変形した件でしたよね?』
大下真琴「そうです、第一発見者から話を聞いたんですよね?」
寺西『はい最初は化粧をしてることに気づかなくて女性刑事に言われて我々も気づいたんです』
大下真琴「化粧は遺体を解剖する時落としたのですか?」
寺西「いいえ、実はまだ解剖はしていないのです、よかったらこっちに来ませんか?」
大下真琴「えっいいんですか?」
寺西「ええ、是非来て下さい、お待ちしています」
電話を切り出かける準備をした。
大下真琴「色ボケ女~ホドホドにしとけよ」
薫に声をかけてから真琴たちは神奈川県警に向かいました。
メンバーは真琴・治樹・忠利・慎太郎の四人です。
大下真琴「あの港署の大下です、緒方本部長に取り次いでもらえますか?」
巡査A「はい、ご案内します。こちらへどうぞ」
若い刑事が案内してくれました。
巡査A「こちらでお待ち下さい」
大下真琴「はい」
真琴たちは案内された部屋で待ちました。
少し経って本部長の緒方と寺西が入って来ました。
緒方雄一「やぁ待たせたね」
大下真琴「いいえ」
寺西が捜査資料を持っていた。
寺西「早速ですが先ほどの死体変形の件がこれです」
寺西は写真を開いて見せた。
真琴と徳川と大岡と本城は覗き込みました。
大下真琴「これです、この遺体まだ保管されていますか?」
寺西「ええ、鑑識で保管してますよ」
大下真琴「俺たちも解剖に立ち会わせて下さい」
寺西「分かりました、こちらもその方が助かります、どうぞ」
寺西の案内で解剖室へ移動しました。
立原「鑑識担当の立原です」
大下真琴「港署、署長の大下です」
徳川治樹「部下の徳川です」
本城慎太郎「同じく本城慎太郎です」
大岡忠利「大岡です」
立原「ではこちらへどうぞ」
立原は遺体を保存している冷凍庫を開けて遺体を台に乗せました。
大下真琴「写真で見るのと実際の遺体を見るのとではやはり違いますね」
立原「気分は悪くないですか?」
大下真琴「えっ?あ~大丈夫です。お気遣いどうも」
立原さんが遺体の化粧を落としました。
すると顔中傷だらけの顔が現れました。
その顔を見て真琴は目眩がして倒れた。
その顔を見て真琴は目眩がして倒れた。
それを治樹が支えた。
徳川治樹「署長!大丈夫ですか?」
立原「そこに座って下さい」
治樹は真琴を椅子に座らせた。
真琴はハンカチで口を押さえています。
大下真琴「ウプッ!」
徳川治樹「大丈夫か?」
大下真琴「ゲホゲホ!・・・はい」
緒方雄一「真琴くん大丈夫かい?」
真琴は頷きました。
大下真琴「犯人は異常だ、ここまでやるなんて」
緒方雄一「うん徳川くん達はどう思う?」
大岡忠利「署長と同感です、ここまでやっているにも拘わらず足の付く物を何一つ残していない」
本城慎太郎「こいつは単純な事件じゃありません、奥は深いですよ」
治樹も頷いた。
緒方雄一「そうだな、さて大下くん、この事件どうやって解決させますか?」
大下真琴「写真を撮らせてもらっていいですか?」
立原「あっ、こちらから撮って差し上げますよ」
大下真琴「本当ですか?助かります」
立原「こちらこそ、あなたなら必ずこの事件解決してくれると信じてますから」
緒方雄一「うむ。大下君たちのハチャメチャには毎回驚くけれど信じているよ」
本城慎太郎「すいません、いつも庇っていただいているみたいで」
緒方雄一「いや、これが真琴君じゃなかったらとっくにみんなクビにしてるところだ」
徳川治樹「そうでしょうね」
改めて本城たちは真琴の偉大さに気づかされたのであった。
緒方雄一「この資料も持ち帰っていいよ、その代わり・・・」
大下真琴「必ず解決させること、ですよね」
緒方雄一「そうだ頼むよ」
徳川治樹「ハイ!我々に任せて下さい」
治樹が答えると本城と大岡も頷きました。
緒方雄一「君たちが付いていれば安心だな」
真琴たちは会釈をして県警を跡にしました。
本城慎太郎「署に戻ったら早速取り掛かろうぜ」
大下真琴「その前にこの資料を隅々まで目を通す、忠利も手伝ってね」
大岡忠利「勿論、お手伝いします」
四人は港署に戻りました。
宮本謙「お帰りなさい」
大下真琴「ただいまです。みんな俺と忠利が資料室から出て来るまで勝手な行動を取るなよ」
徳川治樹「俺と吉之で見張っているから大丈夫だ」
治樹が答えると真琴はニッコリ笑って忠利と資料室に籠りました。
まずはじっくりと資料に目を通し気になったところに付箋を貼ってゆきました。
大下真琴「この辺に鍵がありそうですね」
大岡忠利「はい、解決の糸口が見つかるといいのですが」
大下真琴「弱気にならないでよ、頼りにしているんだから」
大岡忠利「知恵を絞らせていただきます」
大下真琴「俺もない頭なりに考えてみますよ」
二人は手分けして調べて行きました。
そして同じ事件の資料があることに気が付きました。
大下真琴「あった!これだ」
大岡忠利「間違いありませんか?何て書いてあります?」
大下真琴「えっと・・・何て読むの?これ」
大岡忠利「腐蝕した顔を整えるため化粧を施したと見る。これ写真ですね」
大下真琴「と、いうことは殺した後に遺体の損傷が醜かったから化粧してごまかしたってこと?」
大岡忠利「あるいは犯人が醜い者に耐えられない性格だったのかもしれません」
大下真琴「自分で殺しているくせに、ずい分勝手だな」
それから二人は犯人に近づくような情報のありそうな資料を探しました。
大下真琴「忠利・・・この男」
大岡忠利「どれどれ?」
真琴はある男の履歴書を含めた資料を見つけました。
大下真琴「この男、メイクアップアーティストの養成学校を卒業してる」
大岡忠利「アメリカのハリウッドスクールですね。よく見つけましたね」
大下真琴「この男に間違いないかもよ」
大岡忠利「早速、洗いましょう」
真琴と大岡が資料室から戻って来ました。
徳川が二人に気づいた。
徳川吉之「何か分かったか?」
大下真琴「うん、みんなでこの男を洗ってほしいんだ」
そう言って真琴は資料を見せた。
鷹山敏樹「ハリウッドスクール? どういうこと?」
大下真琴「メイクだよ、前科者リストの中にメイクのできそうな奴を調べたら」
大岡忠利「この男が挙がったのです」
徳川治樹「署長!大丈夫ですか?」
立原「そこに座って下さい」
治樹は真琴を椅子に座らせた。
真琴はハンカチで口を押さえています。
大下真琴「ウプッ!」
徳川治樹「大丈夫か?」
大下真琴「ゲホゲホ!・・・はい」
緒方雄一「真琴くん大丈夫かい?」
真琴は頷きました。
大下真琴「犯人は異常だ、ここまでやるなんて」
緒方雄一「うん徳川くん達はどう思う?」
大岡忠利「署長と同感です、ここまでやっているにも拘わらず足の付く物を何一つ残していない」
本城慎太郎「こいつは単純な事件じゃありません、奥は深いですよ」
治樹も頷いた。
緒方雄一「そうだな、さて大下くん、この事件どうやって解決させますか?」
大下真琴「写真を撮らせてもらっていいですか?」
立原「あっ、こちらから撮って差し上げますよ」
大下真琴「本当ですか?助かります」
立原「こちらこそ、あなたなら必ずこの事件解決してくれると信じてますから」
緒方雄一「うむ。大下君たちのハチャメチャには毎回驚くけれど信じているよ」
本城慎太郎「すいません、いつも庇っていただいているみたいで」
緒方雄一「いや、これが真琴君じゃなかったらとっくにみんなクビにしてるところだ」
徳川治樹「そうでしょうね」
改めて本城たちは真琴の偉大さに気づかされたのであった。
緒方雄一「この資料も持ち帰っていいよ、その代わり・・・」
大下真琴「必ず解決させること、ですよね」
緒方雄一「そうだ頼むよ」
徳川治樹「ハイ!我々に任せて下さい」
治樹が答えると本城と大岡も頷きました。
緒方雄一「君たちが付いていれば安心だな」
真琴たちは会釈をして県警を跡にしました。
本城慎太郎「署に戻ったら早速取り掛かろうぜ」
大下真琴「その前にこの資料を隅々まで目を通す、忠利も手伝ってね」
大岡忠利「勿論、お手伝いします」
四人は港署に戻りました。
宮本謙「お帰りなさい」
大下真琴「ただいまです。みんな俺と忠利が資料室から出て来るまで勝手な行動を取るなよ」
徳川治樹「俺と吉之で見張っているから大丈夫だ」
治樹が答えると真琴はニッコリ笑って忠利と資料室に籠りました。
まずはじっくりと資料に目を通し気になったところに付箋を貼ってゆきました。
大下真琴「この辺に鍵がありそうですね」
大岡忠利「はい、解決の糸口が見つかるといいのですが」
大下真琴「弱気にならないでよ、頼りにしているんだから」
大岡忠利「知恵を絞らせていただきます」
大下真琴「俺もない頭なりに考えてみますよ」
二人は手分けして調べて行きました。
そして同じ事件の資料があることに気が付きました。
大下真琴「あった!これだ」
大岡忠利「間違いありませんか?何て書いてあります?」
大下真琴「えっと・・・何て読むの?これ」
大岡忠利「腐蝕した顔を整えるため化粧を施したと見る。これ写真ですね」
大下真琴「と、いうことは殺した後に遺体の損傷が醜かったから化粧してごまかしたってこと?」
大岡忠利「あるいは犯人が醜い者に耐えられない性格だったのかもしれません」
大下真琴「自分で殺しているくせに、ずい分勝手だな」
それから二人は犯人に近づくような情報のありそうな資料を探しました。
大下真琴「忠利・・・この男」
大岡忠利「どれどれ?」
真琴はある男の履歴書を含めた資料を見つけました。
大下真琴「この男、メイクアップアーティストの養成学校を卒業してる」
大岡忠利「アメリカのハリウッドスクールですね。よく見つけましたね」
大下真琴「この男に間違いないかもよ」
大岡忠利「早速、洗いましょう」
真琴と大岡が資料室から戻って来ました。
徳川が二人に気づいた。
徳川吉之「何か分かったか?」
大下真琴「うん、みんなでこの男を洗ってほしいんだ」
そう言って真琴は資料を見せた。
鷹山敏樹「ハリウッドスクール? どういうこと?」
大下真琴「メイクだよ、前科者リストの中にメイクのできそうな奴を調べたら」
大岡忠利「この男が挙がったのです」
と大岡も援護した。
芝夏美「そうか、メイクってこうゆう特殊メイクもあったわね」
青木順子「うん化粧の事ばかり思ってたけど、特殊メイクなら男性でもできるわね」
大下真琴「特殊メイクができる奴なら死体の顔をごまかすなんて簡単じゃない?」
十文字隼人「確かに、可能ですね」
大下真琴「この男を洗うぞ」
男の名前は函崎純一26歳。
ハリウッドスクール特殊メイク学科卒業。
卒業して日本に帰国し現在遊園地のアトラクションでキャラクターマスクを売る仕事をしていた。
大下たちは函崎の働く遊園地へ向かいました。
従業員A「函崎?彼なら今は休憩室で休んでいると思いますよ」
吉井浩一「どうもありがとう」
吉井と田中が戻って来ました。
田中文男「署長、ヤッコさんは休憩室にいるそうです」
大下真琴「よし行こう」
全員で休憩室へ向かいました。
本城慎太郎「よし、ここからは俺と敏樹で行く、逃げた時のことを考えてみんな散ってくれ」
全員『了解』
大下たちは散りました。
本城と鷹山は休憩室の扉をノックした。
“コンコン♪”
男『はい』
中から男が出て来ました。
鷹山敏樹「函崎さんですね、港署の鷹山です。ちょっとお話を伺えますか?」
函崎「はいお待ち下さい」
と、一端ドアを閉めた。
少し経っておかしいと思った本城と鷹山はドアを開けチェーンを拳銃で壊して中に入った。
すると窓から逃げようとしている函崎を見つけた。
本城は入口を開けて全員に知らせた。
本城慎太郎「函崎が逃げたぞ~!」
大下勇次「署長、こっちから行こう」
大下真琴「OK、治樹」
徳川治樹「先に行け」
大下親子が先回りして走って行きました。
徳川治樹「谷村・吉田こっちだ」
谷村進「よ~し」
すると谷村はなぜかジャンパーとTシャツを脱いで吉田に預けた。
そして走って行き函崎に飛び後ろ回しを決めました。
谷村進「ウアチォ~!」
函崎「ぐぁぁ!痛って!」
町田透「さすが!」
青木順子「すっごい!」
真琴たちも追い着きました。
卒業して日本に帰国し現在遊園地のアトラクションでキャラクターマスクを売る仕事をしていた。
大下たちは函崎の働く遊園地へ向かいました。
従業員A「函崎?彼なら今は休憩室で休んでいると思いますよ」
吉井浩一「どうもありがとう」
吉井と田中が戻って来ました。
田中文男「署長、ヤッコさんは休憩室にいるそうです」
大下真琴「よし行こう」
全員で休憩室へ向かいました。
本城慎太郎「よし、ここからは俺と敏樹で行く、逃げた時のことを考えてみんな散ってくれ」
全員『了解』
大下たちは散りました。
本城と鷹山は休憩室の扉をノックした。
“コンコン♪”
男『はい』
中から男が出て来ました。
鷹山敏樹「函崎さんですね、港署の鷹山です。ちょっとお話を伺えますか?」
函崎「はいお待ち下さい」
と、一端ドアを閉めた。
少し経っておかしいと思った本城と鷹山はドアを開けチェーンを拳銃で壊して中に入った。
すると窓から逃げようとしている函崎を見つけた。
本城は入口を開けて全員に知らせた。
本城慎太郎「函崎が逃げたぞ~!」
大下勇次「署長、こっちから行こう」
大下真琴「OK、治樹」
徳川治樹「先に行け」
大下親子が先回りして走って行きました。
徳川治樹「谷村・吉田こっちだ」
谷村進「よ~し」
すると谷村はなぜかジャンパーとTシャツを脱いで吉田に預けた。
そして走って行き函崎に飛び後ろ回しを決めました。
谷村進「ウアチォ~!」
函崎「ぐぁぁ!痛って!」
町田透「さすが!」
青木順子「すっごい!」
真琴たちも追い着きました。
大下真琴「さすが筋肉くん!」
田中が手錠をかけました。
木葉聡「署でじっくり話を聞かせてもらうぞ」
木葉と松田が連行しました。
署での取り調べは田中の仕事です。
大下真琴「文ちゃんあとよろぴく〜」
田中文男「頼まれた!」
と、言うと田中は函崎を取り調べ室の中に入れた。
椅子に座ると函崎は素直に供述し始めた。
函崎「ヤクザ風の男が二・三人来て、はずみで殺してしまったからメイクで誤魔化してくれと頼まれたんすよ」
田中文男「はずみで?遺体はもっと酷かったのか?」
函崎「ええ、アザだらけでたぶん骨も折れてたんじゃないかな」
どうやら彼の言うことにウソはないようです。
田中は函崎の供述を報告しました。
宮本謙「頼まれた?」
田中文男「はい、アザだらけでそれは無惨な遺体だったそうです」
鷹山敏樹「中さん誤魔化している様子は?」
田中文男「ないね恐らく本当だろう」
田中の言葉にタカは納得したようにうなずいた。
木葉聡「署長、あの男どうします?
大下真琴「釈放して動きを見ようそのヤクザ風の男と接触するかもしれん」
近藤卓造「そうですね行って下さい」
真琴の案で函崎を釈放しました。
吉田・谷村・青木・村木が尾行に付きました。
そして真琴はビデオをセットして見始めました。
鈴江秀夫「あれいいんですか?」
倉田園子「いいんじゃない」
倉田がサラリと言いました。
徳川治樹「わ~い!俺も見る」
そう言いながら家光は真琴の隣に座りました。
藤村亮「あんたもかい!つーかわ~いって言う年じゃないっしょ」
亮が突っ込みを入れた。
吉之は苦笑している。
そして真琴はビデオをセットして本当に見始めました。
治樹もとなりで見ています。
本城慎太郎「二人とも仕事以外のことをしているんじゃないよ」
大下真琴「硬いこと言うなよ」
宮本課長がクスッと笑った。
大下勇次「まぁ村木たちの報告を待つしかないな」
藤村亮「そうですね、俺たちは待つしかねぇのかぁ」
大下真琴「才三かっこいい!あかねは色っぽい」
徳川治樹「あれ?これ進二と香苗にそっくりだ!」
ええ本人ですから・・・。
海堂進二「そうですね」
里菜「惚れ惚れしちゃう~」
大下真琴「うん、って里菜!テメーどっから湧いて出た?!」
里菜「チャオ~!」
海堂進二「お嬢さん! 学校は終わったのですか?」
家吉「うん、まっすぐここに来た」
家吉もいました。
里菜「声をかけたのに誰も振り向かないんだもん」
徳川吉之「俺も今のはびっくりした」
そしてビデオは中盤です。
大下真琴「くぁ~この作事奉行超ムカつくぅ」
徳川治樹「吉宗は何をしているんだ?」
吉宗&真琴『そうは問屋が卸さぬ』
徳川吉之「フッ息がピッタリだな」
大下真琴「フフン♫」
里菜「キャ~才三!」
ビデオの吉宗のセリフが続く。
吉宗&真琴「作事奉行高見沢朱膳、己の役職を笠に汚職し私腹を肥やすなど言語道断潔く腹を斬れ!」
高見沢「若僧めが何を偉そうに」
吉宗&真琴「空け者余の顔を見忘れたか?!」
真琴はセリフを暗記しているので上様とユニゾンでセリフが言えるのだ。
徳川治樹「よしよし、それで?」
吉宗&真琴「才三、あかね容赦はいらぬ」
才三&あかね『ハッ!』
上様が刀を抜いてチャンバラの始まり。
真琴は上様の動きを目で追っています。
徳川吉之「セリフ全部憶えているのか?」
大下真琴「クライマックスのシーンだけね」
そして・・・
吉宗&真琴『成敗!』
また声が揃った。
里菜「かっこいい!」
里菜の顔が紅くなっています。
その頃函崎を尾行している村木たちは・・・
吉田春彦「誰だろう?あの男」
谷村進「さぁ顔がよく見えませんね」
順子と拓も別の角度から見ています。
そして函崎が刺された。
村木拓「しまった!」
谷村と村木は逃げた男を追いかけました。
青木順子「吉田さん救急車!」
吉田春彦「了解」
青木は無線で署に連絡しました。
青木順子『青木です、函崎が刺されました』
本城慎太郎「なにぃ!おい順子刺した奴はどんな奴だった?」
青木順子「30代の男でサラリーマン風でした。谷村くんと村木くんが追っています」
本城慎太郎「よしよしよし今応援に行く、順子はそこにいろ」
青木順子『はい』
報告を聞いていた真琴はビデオを消して立ち上がった。
大下真琴「行くよ」
里菜「行ってらっしゃい」
治樹と吉之は・・・
徳川治樹「今、署長ガラリと変わったよな?」
徳川吉之「うん」
と話していた。
救急車が来て函崎は病院に運ばれた。
村木拓「署長、すいません俺たちがいながら」
大下真琴「気にしないで計算の内だから」
原田実「えっ!分かってたのですか?」
大下真琴「まぁね、でっ撃った奴はどっちへ逃げた?」
谷村進「サラリーマン風の男で空き部屋に入って行きました」
真琴は頷いて考えていました。
そして真琴が出した答えは。
大下真琴「よしその部屋に行こう」
木葉聡「となりの部屋が空き部屋ですよ」
大下真琴「じゃ様子を探れるかも、ゴー!」
4人はとなりの部屋に入りました。
入るなり真琴は壁に耳を当てた。
大下真琴「オホホ♫うっすい壁だから聴こえるぅ!」
桐原早希「本当ですか?」
早希たちも壁に耳を当てました。
すると確かに会話が聴こえて来たのです。
海堂進二「確かに、よく聴こえますね」
桐原早希「本当、これじゃ丸聴こえね」
真琴は録音した証拠のテープを持っています。
徳川治樹「今日は何を持って来たんだ?」
大下真琴「小柄6本、煙硝弾6個、手榴弾7個とテグス、替えのマガジン10発入り6本。そして刀の大小」
徳川治樹「いつもながら準備のいいこと」
大下真琴「後もう一つ、車の中にロケットランチャーも入ってるよ」
徳川治樹「ゲッ!あぶないガキだね」
大下真琴「ンフフ♪ありがとう」
タイミングを見計らっていました。
真琴は男の家の前に大下たちを配置につかせて待機させた。
そして壁に耳を当てながらタイミングを見計らっていました。
チャンスはすぐに到来!
大下真琴「突入!」
大下たちはドアを蹴破り中へ入って行きました。
男は抵抗しましたが大下たちに拳銃を向けられると観念して両手を差し出した。
男はすぐに県警に引き渡しました。
港署に帰ると真琴は早速捜査報告書を書きました。
内容も細かく分かりやすく書いています。
4枚×3組で計12枚を書きあげました。
コピーはせずにすべて手書きです。
それぞれ封筒に入れて提出しに行きました。
緒方本部長と大原警視長と浅見刑事局長の所にも提出しました。
緒方雄一「ご苦労様、いつもありがとう」
次は大原警視長。
大原功一「すごいなぁ、君の作戦は•••分かったご苦労様」
最後に浅見刑事局長の自宅へ届けました。
浅見刑事局長が読んでいます。
浅見陽一郎「私はこういうやり方好きですよ」
大下真琴「ありがとうございます」
浅見陽一郎「おもしろいね~、よろしい」
大下真琴「ありがとうございます、では失礼します」
浅見家を出ました。
徳川治樹「署長、お疲れ様です」
大下真琴「お疲れ様です、早く署に戻ろう」
徳川治樹「うん、急ぐか」
徳川治樹と大下真琴は覆面パトカーに乗り込み署に向かいました。
一方港署では本城たちもまだ残っていました。
原田実「そろそろ戻って来ますね」
原田が時計を見上げて言いました。
吉井と近藤課長はそそくさと帰る準備を始めました。
近藤卓造「それじゃお先に失礼します」
宮本謙「武さんも帰った方がいいんじゃないの?」
と、宮本課長に言われて武田は少し迷っていた。
武田英彦「でも署長たちがまだ帰って来ませんし」
徳川吉之「我々がいますから武さんは帰ってあげて下さい」
武田英彦「いいですか?ではお言葉に甘えて失礼します」
武田は鞄を持って帰りました。
入れ違いで真琴と家光が帰って来ました。
真山薫「お帰り、お疲れ様」
大下真琴「疲れた、みんな帰っちゃったね」
残っていたのは大下と薫・タカ・徳川吉之・宮本課長・大岡でした。
大下真琴「待っててくれたの? ありがとう」
徳川吉之「俺は家族の理解があるから」
すると勇次が真琴に近づいた。
大下勇次「お疲れ様です、今日は帰る?」
大下真琴「資料整理したいけど、いいや明日で」
真山薫「よし帰ろう」
大下たちはぞろぞろと署を出て行きました。
徳川治樹「暗くなって来たな」
徳川吉之「そうだな、あっちは夕日がキレイだけど」
みんなは署を出て空を見上げました。
大下真琴「それでは皆様、お疲れ様でした」
みんな『お疲れ様です』
つづく。
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