スーパーあぶない刑事12話

                      『クールボーイ･後半』　　    




    画面は大下たちの方へ。




吉井浩一｢まずは第一関門クリアってとこですかね｣
田中文男｢次に奴らがどう出るかが問題ですね｣
本城慎太郎｢ああ､奴らもアレで諦めたとは思えねぇしな｣
原田実｢きっとまたチャンスを狙って来ますよ｣





吉井たちの意見にうなずく大下たち





海堂進二｢これからどうします?｣
藤村亮｢また一発ブチ込みに行きます?｣
大下真琴｢治樹と吉之と俺であの二人の身辺警護をする｣
本城慎太郎｢じゃ俺たちは武部たちをマークする｣
武田英彦｢うむ､しっかり頼むぞ｣
みんな『は～い』






覆面パトカーに乗ると治樹が真琴に言いました。





徳川治樹｢あ､そうそう俺､治樹に戻したんだ｣
大下真琴｢ついでみたいに言わないでよ､何名前変わったんですか?｣
徳川治樹｢そう､治めるという字に樹木の樹で治樹だ､よろしくな｣
大下真琴｢吉田さんの渾名が(春さん)だから､あなたは(治ちゃん)でいいかな?｣
徳川治樹｢いいよ､呼び捨てで構わないよ｣
大下真琴｢よし行くぞ､治樹｣
徳川治樹｢ハイヨー｣






すっかり忘れられている徳川吉之であった。
その頃､里菜と家吉はかっとび刑事をおやつを食べながら見ています。
そこへ徳川吉之と徳川治樹､そして大下真琴が入って来ました。
気配に気づいた里菜と家吉は・・・





徳川家吉｢誰だ?｣
徳川吉之｢落ち着け､俺だ｣
徳川里菜｢はるちゃん､声くらいかけてよ｣
徳川治樹｢いやスマン､邪魔しちゃ悪いと思ったから｣





頭をかいて言う治樹に家吉と里菜もホッと胸をなで下ろした。





徳川治樹｢危うく甥と姪に殺されるとこだった｣
大下真琴｢お前たちを警護するために来たのさ｣





真琴も姿を見せました。





徳川里菜｢それはご苦労様｣






テレビを見ながら里菜が言いました。






大下真琴｢しかし､いつ来ても豪華な屋敷だこと｣
徳川治樹｢離れもリフォームして広くなったんだよ｣





そこへ治樹の女房の佳南子さんが出て来ました。





徳川佳南子｢あら､お帰りなさい｣
徳川治樹｢ああ､署長どうぞ｣
大下真琴｢お邪魔します｣





真琴は治樹の家へ入って行きました。
庭から吉之が顔を出した。





徳川吉之｢久しぶりだろう､来るの｣
大下真琴｢うわぁ～びっくりした､うん久しぶり､横浜じゃないみたい､スゲェや!｣





今夜はここに泊って里菜たちの警護をします。
真琴は武器の確認をしています。





徳川里菜｢真琴､何をしているの?｣
大下真琴｢お前たちを守るための準備さ｣





小柄数十本､替えの弾10発入り12本､煙硝玉６個､手榴弾８個､そしてステンレスの警棒です。





徳川治樹｢これ､いつ買ったの?｣
大下真琴｢あ～これ､ラズってゆう雑貨屋｡何でも売ってるよ｣
徳川治樹｢へぇ､俺も今度行ってみたいな｣
大下真琴｢うん､他にもいろんな武器があるんだよ｣
徳川治樹｢面白そうだな｣






そこへ佳南子が紅茶を入れたお盆を持って来ました。





徳川佳菜子｢大したおもてなしは出来ませんけど､紅茶とお菓子をどうぞ｣
徳川治樹｢うわぁいい香り､みんなこっちへ来いよ｣




治樹に呼ばれて吉之たちもテーブルに来ました。
そこへ吉之の妻･菜美も入って来ました。






徳川菜美｢クッキー焼いたの､みんなで食べようと思って｣
徳川佳菜子｢丁度よかったわ､入って｣






真琴はときどき窓を見ていた。





徳川吉之｢どうした?浮かない顔をして､悩み事か?｣
大下真琴｢違うよ､気配を探ってるんだ｣
徳川家吉｢大丈夫だよ､もっとリラックスしなよ｣





と､家吉に言われて少し表情を緩めるが､すぐに険しい顔つきに戻ってしまう､真琴だった。
そして治樹が真琴のショルダーバッグの中身を見て驚いている。






徳川治樹｢またよくこんなに持って来たものだな～!｣
徳川吉之｢どれどれ､うおっすごい!｣
大下真琴｢備えあれば憂いなし､俺の取り柄ですから｣





すると家吉と里菜もバッグの中を覗き込みました。




徳川家吉｢本当だ! いろんなものがあるぜ｣
徳川里菜｢苦無に手榴弾に小柄､煙硝弾に､これは何?｣
大下真琴｢警棒だよ､伸縮性のね｣






忍びの道具や替えのマガジンも入っています。

徳川治樹｢準備の良さは港署一だな｣




楽しいお茶の時間が続きます。
クッキーを平らげると真琴は立ち上がりました。





徳川菜美｢あら､もういいの?｣
大下真琴｢はい､ちょっと｣
徳川治樹｢トイレか?｣
大下真琴｢違うよ｣





真琴はリビングを出て二階へ上がりました。
ポーチから道具を出しました。

トラップを仕掛けるのです。






徳川治樹｢トラップも得意なのか⁈｣
大下真琴｢ちょっとだけね｣





テグスに鈴をつけて手すりに引掛けて行きました。
これは一種の鳴子です。






徳川治樹｢これひょっとして鳴子?｣
大下真琴｢ピンポンこいつを二階に張り巡らせるのさ｣
徳川治樹｢手伝うよ､やり方を教えてくれよ｣
大下真琴｢いいよ､これを・・・｣





治樹と真琴は広い二階にトラップを仕掛けて行きました。




大下真琴｢よし､こんなもんだろう｣





どんなトラップを仕掛けたかとゆうと二階の階段の天辺にテグスをかけてこれが切れたら

上から板に取り付けたナイフや槍が落下して来る仕掛けである。
鈴の鳴子で敵の侵入を知らせてくれるとゆう訳です。






大下真琴｢まぁこんなところかな｣
徳川治樹｢うん､これで一応は安心だな｣






三人は下に降りました。
準備はバッチリです。





徳川家吉｢三人で何をやってたの?｣
徳川吉之｢お前たちは心配しなくていい｣





しかし真琴の顔は険しいままである
そこへ治樹が来て真琴の肩を叩いた。





徳川治樹｢少しリラックスしたらどうだ?｣
大下真琴｢いや､そうはいかない遊びに来た訳ではないから｣
徳川治樹｢本当に自分に厳しい子だな｣






治樹は真琴の仕事熱心な姿を見て感心している。
真琴は家の中で敵が忍び込みそうな所にもトラップを仕掛けておきました。
外では大下や本城たちがしっかり張り込んでいます。
時間は八時を過ぎました。
その頃､相良が手下たちと徳川家の勝手口に集まりました。
武部富夫と沢村の姿もあります。





大下真琴｢おっと､外に野良犬がいるぜ｣
徳川治樹｢暗くなるまで待ってたようだな｣
大下真琴｢フッ面白い｣






外にいる本城たちも武部たちに気づきました。






吉本和彦｢本城さん､囲まれてますよ｣
本城慎太郎｢ああ､分かってるよ｣
町田透｢まだ動きそうにないですね｣





覆面パトカーから大下鷹山も徳川家を見張っています。




鷹山敏樹｢お前の息子張り切ってるな｣
大下勇次｢あいつには守りたいものがあるからな｣
鷹山敏樹｢徳川さんたちか｣
大下勇次｢うん・・・特に里菜ちゃんと家吉くんを守りたいらしい｣
鷹山敏樹｢ふ～ん､おい勇次囲まれているぞ｣






勇次はシートを戻して辺りを見回しました。





大下勇次｢あいつ大丈夫かな?｣




すると離れた車の中から本城が大下たちに合図を送って来ました。
一方､家の中の真琴たちは・・・




大下真琴｢菜美さん奥に隠れていて下さい｣
徳川菜美｢はい､佳南子さん行きましょう｣






菜美が佳南子の手を取って奥の隠し部屋に隠れました。
真琴は警棒を手にした。

里菜と家吉は刀を手にしました。
それを見て吉之と治樹も拳銃を収って刀を抜いて峰にした。
同時に窓ガラスが割れて覆面をした男たちが飛び込んで来ました。






徳川里菜｢ゲゲッ!｣





刀がぶつかり合う音が響きます。
そして上では『うわぁ!』とゆう声があちこちから聴こえて来ました。
侵入者がトラップに掛ったようです。
階段の下では海堂たち忍が控えています。
一階では２０人近くいる覆面の男たちと､吉之･治樹･真琴･家吉･里菜が戦っている。






相良｢一人残らず殺せ!｣
大下真琴｢あの男が相良か?｣
徳川治樹｢そうだ､武部はいないようだな｣
大下真琴｢治樹､相良を押さえよう｣
徳川治樹｢よし､吉之ここは頼む｣
徳川吉之｢任せろ､行け｣






真琴と治樹は相良を追いました。
相良も二人に気づきました。





相良宗孝｢お前は治樹だな｣
徳川治樹｢相良､まさかこんなところで再会するとは・・・｣
相良宗孝｢フン､それが甥か､お前も殺すぞ､徳川家には滅んでもらう｣
大下真琴｢そんなこと､俺がさせねぇ💢｣
相良宗孝｢ガキが死に急ぎたいか?｣






相良も日本刀を抜いて構えた。






相良宗孝｢俺の一刀流を甘く見るなよ｣





治樹と真琴も刀を構えました。





相良宗孝｢死ね!治樹｣





真琴が相良の刀を受け止めた。




“キン⚡️”





大下真琴｢くっ､強い!｣
徳川治樹｢真琴､油断するな｣
相良宗孝｢真琴? 家吉ではないのか?!｣






相良は驚いた顔で真琴を見ました。





大下真琴｢家吉なら下で父親と一緒に戦っているぞ｣
相良宗孝｢くっ・・・おのれ!｣





“バシ⚡️バシ⚡️”





相良宗孝｢うっ•••ぐっ｣





真琴と治樹の峰打ちを一発ずつくらって相良は倒れました。
そこに真琴が手錠をかけました。






徳川治樹｢下のお手伝いに行こう｣
大下真琴｢うん｣





真琴と治樹は下に降りました。
下では､吉之･家吉・里菜・そして大下たちが
数十人の武部の部下たちと戦っていました。





徳川家吉｢これじゃキリがないぜ｣
徳川里菜｢男だろ､泣き言を言うな｣
倉田園子｢坊ちゃま､お嬢様助けに参りました｣
徳川里菜｢園子お姐様､待ってたよ｣






大月半蔵たちもようやく家の中まで入って来ました。
彼らは広い庭で手下たちと戦っていたのです。






十文字隼人｢思ったより時間がかかってしまって｣
木葉聡｢隼人､こっちだ｣




木葉たちも来てようやく敵も半分に減りました。
ですが､敵にもまだまだ強者たちが控えていました。





大下勇次｢あ～拳銃使いたい｣
町田透｢ダメですよ､我慢して下さい｣
風間明｢しかしこの人数今まで見たことがない｣
南旬一｢敵も必死ですね｣






そこへ皐月と早希が敵を押して来ました。





桐原早紀｢まだいるわ､手伝って｣
鷹山敏樹｢ヤレヤレ・・・やりますか｣
鈴村皐月｢こっちです｣





敵はまだ３０人以上います。




芝夏美｢本城さん､順子さんこっちは終わりました｣
青木順子｢こっちも片付いた向こうを手伝いに行きましょう｣






順子と夏美が真琴たちがいる方へ行くと本城・藤村・原田・村木も駆けつけて来たとこでした。





原田実｢こりゃ大変だ｣
村木拓｢亮､向こう手伝いに行こう｣
藤村亮｢おっしゃ!｣





原田たちは大下や町田がいました。





徳川家吉｢はぁ疲れて来ちゃった｣
松田香苗｢もう少しです､頑張って下さい｣
徳川家吉｢は～い｣
村木拓｢家吉様､香苗ちゃん｣
松田香苗｢村木さん､みんな助かるわ｣
藤村亮｢こっちは任せろ｣





本城たちも加わりようやく全員倒して逮捕することが出来ました。
吉井や田中さん谷村は手錠を掛けて完了したとこです。





吉井浩一｢こっちは完了｣
谷村進｢何とか片付きましたね｣






そして里菜たちの方も終わるとこでした。




徳川吉之｢里菜､大丈夫か?｣
徳川里菜｢大丈夫､ちょっと疲れて来たけど｣






家吉と真琴が里菜を立たせました。
二人では支えきれずヨロめいたところへ吉之が里菜を支えました。





徳川里菜｢パパ・・・｣





吉之はニッコリ笑って里菜をお姫様抱っこした。




徳川里菜｢キャ!・・・パパ｣
徳川吉之｢大人しくしていろ・・・よく頑張ったな｣





治樹は家吉と真琴を撫でてから二人を抱きしめました。





徳川家吉｢伯父さん｣
大下真琴｢俺は違うでしょ｣
徳川治樹｢いいんだ､よく甥と姪を守ってくれた､ありがとう｣





その様子を鷹山と大下も見ていました。





鷹山敏樹｢いいのか?勇次｣
大下勇次｢もうちょっとだけならね｣





真琴が治樹から離れると勇次が近づいて来ました。




大下真琴｢あ､父さん｣
大下勇次｢よく頑張ったな｣
大下真琴｢うん」





武部一味は連行されて行きました
一瞬親子の会話をしてから真琴はみんなに号令をかけた。





大下真琴｢帰ろう｣
みんな『はい』





徳川さんたちとはそのまま別れました。
署に戻ると真琴は報告書を書きました。
そしていつものように緒方本部長と大原警視長と浅見刑事局長に提出しました。





近藤卓造｢みんなごくろうさん｣
宮本謙｢今日はもう帰って､ゆっくり休んでくれ｣
吉本和彦｢ハイ､ホナァ帰りますか｣





真琴たちも今日は早めに仕事を切り上げました。





大下薫｢お～し､飯行こうぜ｣
大下真琴｢母さんったらもう､お疲れ様でした｣
大下勇次｢薫､速い奴だな｣





本城たちは大下親子を見送ると自分たちも帰る準備を始めました。
課長たちもそれぞれ帰って行きました。



全員解散。

つづく。