『裏切り・誓いのゲイボルグ』
ある日、ちびうさはうさぎたちと幻海の寺に来ていた。
ちびうさ「飛影に会いたいなぁ」
ほたる「私も会いたい」
その頃、飛影はランサーと街に来ていた。
ヒュンケルと鬼宿も一緒です。
ランサー「なにしてんだ?」
飛影「邪眼でちびうさを探している、あいつの気を感じる」
ランサー「なるほど」
飛影「見つけた幻海の寺だ」
四人は移動して幻海の寺に向かいました。
怪談の前には凍矢たちが立っていた。
陣「飛影、そいつは」
死々若丸「なぜ連れて来た?そいつは敵なんだぞ」
鬼宿「いや、こいつはミメットを裏切って来たんだ」
酎「本当かそりゃ?」
ランサー「俺は英霊だ気にいらねぇ奴がマスターだったんで抜けて来たのさ」
凍矢「英霊とはなんだ?」
ランサー「弱い者を助けて世界を救った戦士のことだ」
鈴木「お前もその一人なのか?」
飛影「アーチャーと同じだ」
飛影が援護した。
死々若丸「なるほどいいだろう行くがいい」
ランサー「あんたアサシンに似ているな」
確かに死々若丸は少しアサシンと姿が似ていた。
ちびうさが出て来た。
うさぎも一緒である。
うさぎ「あなたどうしてここへ?」
まこと「うさぎちゃん下がって」
まことたちがうさぎとちびうさを庇うように前に出た。
そして飛影とヒュンケル・鬼宿が姿を見せると変身タクトを下した。
レイ「飛影さんどうしてその男と?」
飛影「こいつはミメットを裏切って来た、言峰のこともな」
亜美「それってどういうこと?」
ランサー「なにもしやしねぇ話を聞いてくれ」
飛影たちもうなずいた。
はるか「いいだろう、ただし妙なマネをしたら容赦はしない」
ランサー「分かってるよ」
ランサーは語り始めた。
ランサー「たった今、ミメットを裏切って来た、だが呪印でコントロールされちまう危険がある、だから・・・」
飛影「ちびうさと再契約をしてさっさとこっちの味方になりたいそうだ」
みちる「再契約?」
ヒュンケル「今の段階ではミメットが現れたら呪印でちびうさを殺せと命令されたら逆らえないということだ」
鬼宿「その前にちびうさちゃんと契約を交わして味方になりたいそうだ」
せつな「何のためにですか?」
飛影「ちびうさの傍にいるためさ、こいつはちびうさを守るために来た、始めはマヤの所に来たんだが」
ヒュンケル「だが、マヤさんにはアーチャーがいる、だからここへ連れて来た」
うさぎたちは顔を見合わせた。
ランサー「気持ちは分かる文句は後で聞いてやるから早く契約を済ませようぜ」
ちびうさ「どうやってやればいいの?」
マヤ「教えてあげる」
そこへマヤがアーチャーに抱えられながらやって来ました。
うさぎ「マヤさん、アーチャーも」
マヤ「ちびうさちゃん私の言った通り唱えるのよ、いい?」
ちびうさ「うん分かった」
マヤは光の円を召喚するところから教えた。
マヤ「さぁこの魔法円の真ん中に立って」
ちびうさ「はい」
言われた通りちびうさは魔法円の真ん中に立ちました。
マヤ「両手を合わせて祈りのポーズを取って」
ちびうさ「こうですか?」
ちびうさは両手を合わせて目を閉じた。
マヤは呪文を教えてちびうさは復唱した。
マヤ「告げる我が命運は汝の剣に聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ
汝の身は我が元に我が運命は汝と共に我と生きるならこの声を聴け我を守り給え」
ちびうさ「告げる我が命運は汝の剣に聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ
汝の身は我が元に我が運命は汝と共に我と生きるならこの声を聴け我を守り給え」
マヤ「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」
ちびうさ「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」
マヤ「 されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――。
汝三大の言霊を纏う七天抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
ちびうさ「されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――。汝三大の言霊を纏う七天抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
するとランサーを白い光が包み込んだ。
ランサー「サーバントランサー参上、ランサーの名に懸け誓いを受ける貴方を我が主として認めよう」
と言うとちびうさにウインクした。
うさぎ「これで終わり?契約は済んだの?」
マヤ「ええこれで完全にランサーはこっちの味方になったわ」
それを見届けると飛影は庭に出て行った。
ヒュンケルもその後を追って庭に出た。
ヒュンケル「飛影、俺と闘え!」
アバン「ヒュンケルあなた」
ヒュンケル「分かっている奴らがすぐにでもここへ来るかもしれん、だが・・・」
ヒム「ここで勝負を五分にしておきたい・・・だろ」
ヒュンケル「そうだ俺はどうしてもお前に勝ちたい!」
ヒュンケルは飛影を睨みつける。
飛影「勝負の途中で奴らが現れたらどうする?」
ヒュンケル「その時は・・・」
飛影「イチイチ中断などしてられんやるなら誰の邪魔も入らない時にしろ」
ヒュンケル「分かったよ、そうしよう」
飛影「俺も貴様と決着をつけたい」
飛影の言葉にヒュンケルはコクンとうなずいた。
そこへアーチャーとランサーが現れた。
ランサー「来るぜ!」
アーチャー「奴らだ!」
現れたのはミメットとテルルとユージアルそしてガルヴァスだった。
ハドラー「ガルヴァス、あいつも来たのか」
ミメット「ランサーこんなところで何してるの?」
ランサー「フッてめえとは契約を切ったぜ、これからはこのお嬢ちゃんのサーバントだ」
テルル「我らを裏切ったのか?!」
ランサーはゲイボグでちびうさを庇っている。
ランサー「てめえらのやり方が気に入らねぇんだよ💢」
ミメット「なんですって!」
するとガルヴァスがミメットを制して飛影の方を見た。
飛影「貴様は俺が倒したはず」
ガルヴァス「地獄から蘇って来たのだ」
ダイ「そんな信じられない」
桑原「いや、耶雲の妖気ならできるんだ」
ガルヴァスは不敵な笑みを浮かべて飛影を見ている。
ガルヴァス「妖怪小僧、俺と勝負せんか?」
ヒュンケル「なんだと!飛影受けてはならん」
ガルヴァス「どうした?怖気づいたか?」
飛影を挑発するガルヴァス
ヒュンケルは止めようとしたが・・・
飛影はヒュンケルを見て言った。
飛影「ヒュンケル、お前との決着は地獄でつける」
ヒュンケル「お前・・・いいとも先に行っててくれ俺もすぐに行くぜ」
飛影「待ってるぜ」
微笑み合ってすれ違って行った。
ヒュンケル「飛影、どこにいても俺とお前はライバルだ、それを忘れるな」
飛影「ああ、もちろんだ」
ガルヴァスの方に歩いて行く飛影、ガルヴァスはマントを脱ぎ捨てました。
ガルヴァス「フッ仲間との別れは済んだか?」
飛影「ガルヴァス、俺は命を懸けて貴様を倒す、全力でかかって来い!」
ガルヴァス「素より望むところだ」
邪眼を開いて双龍拳を開放して構える飛影
ガルヴァス「凄まじいオーラだ、行くぞ」
ガルヴァスが猛スピードで向かって来る
飛影はカウンターを狙っていた。
“シュ⚡ズギャ⚡”
ガルヴァス「くらえェェ!」
“ドゴ💥”
飛影「ガハ・・・チッ、ハァァァ!」
“ズン💥”
ガルヴァス「グハァ・・・フッ」
クロスカウンターからガルヴァスが先にボディーブロを入れて来た。
だが飛影も負けずにガルヴァスにボディーブロをブチ込んだ。
そこから肉弾戦で打ち合う両者。
飛影は一歩も引かずガルヴァス相手に互角の勝負をやって見せた。
ヒュンケル「さすがは俺のライバル、負けるなよ」
ヒム「すげぇ・・・前よりも強くなってらぁ」
アバン「ヒュンケル残念でしたね、彼と決着をつけたかったのでしょう?」
ヒュンケル「俺と飛影ならとこででも闘うことができます、例え死んだとしても」
アバン「地獄まで彼を追って行くつもりなのですね」
ヒュンケル「どこにいても俺と奴は永遠にライバルです」
ラーハルトもアバンとの会話を聴いていた。
鬼宿もヒュンケルと同じ気持ちだ
そして、戦いはまだ打ち合いが続いています。
するとガルヴァスが離れました。
飛影「ペッ」
飛影は血混じりのツバを吐いて口元を拭った。
睨み合ったまま動きません
ガルヴァス「ハァ・・・ハァ・・・ククク♪」
飛影「?・・・」
ガルヴァスは拳を開き両手を突き出して見せた。
更に人差し指でカモンと合図した。
力比べを誘っていた。
ヒュンケル「ガルヴァスめ、力比べを誘っているな」
飛影「フッ」
飛影もそれに応じてガルヴァスに近づくと自ら指をガルヴァスの指に絡み合わせて
二人は組み合った。
ガルヴァス「楽しみはこれからだ!フフフ♫」
“ガシ💥グググ⚡”
ガッチリと組み合い踏ん張っている。
鬼宿「飛影の方が小せぇのに互角だなんて・・・」
ヒュンケル「そういう男なのだ闘っている時は背の高さなど感じさせん」
幽助「けど、またあいつに戦いを任せちまったな」
蔵馬「しかたないさガルヴァスが勝負しようと飛影を誘ったんだから」
一度は倒した男。
しかしそのせいでガルヴァスは飛影を自分の手で殺すと決めたのだ。
美奈子「飛影さんが戦ってる」
まこと「相手はガルヴァス、確かそうだったよね?」
ポップ「ああ、だけどあいつガルヴァスとタメ張ってるんだぜ」
ヒム「パワーファイトは慣れてやがるからな」
凍矢たちも見守っている。
陣「長い間組み合っているべな」
鈴木「離れたらまた肉弾戦なるからな」
ヒュンケル「飛影は力でガルヴァスを捩じ伏せるつもりだ」
軫宿「それはいくらなんでも無理だろう」
軫宿の言うように翼宿たちもそう思っていた。
鬼宿「いや、飛影の性格ならそう考えるはずだ」
うさぎ「私たちは信じることしかできないのね」
凍矢「もし肉弾戦になったら飛影に勝機はあるのか?」
ハドラー「それは飛影が力を温存して戦っていたら可能だ」
戦いを見守るヒュンケルの拳が震えています。
ポップ「ヒュンケル・・・お前」
ヒム「勝負する直前に奴が現れたからな」
歯を食いしばり必死でガルヴァスへの怒りを抑えようとしているヒュンケル
ヒュンケル「飛影を倒すのは俺だ、それをあんな奴に邪魔をされるとは・・・クソ!」
初めて人前で怒りを顕にした。
アバン「ヒュンケル、気持ちは分かります、しかし今は怒りを鎮めなさい」
ヒュンケル「分かるものか!俺の気持ちなんか誰にも、許さない💢あいつだけは許さん!」
全身からオーラを放ち今にも飛び出して行きそうな雰囲気だ。
ヒム「おい!落ち着けってどうたんだよ、あんたらしくないぜ」
マァム「ヒュンケルお願い抑えて」
ヒムに押さえられる状態でもヒュンケルの怒りは収まりません。
心宿「あらまぁ熱くなっちゃって」
鬼宿「ヒュンケルの気持ちよく分かるぜ」
ポップ「煽ってどうする!止めねぇと」
アバンが何とか説得しようとヒュンケルに語り掛ける。
アバン「落ち着きなさい、彼を信じて今は見守るしかありません」
ヒュンケル「分かってるさ、だが自分でも怒りを抑えることができないのだ」
アバン「ならあなたはライバル失格です!」
久しぶりにアバンが大きな声を出した。
怒られたせいかヒュンケルはヒートダウンしてアバンを見た。
ヒュンケル「ライバル失格?」
アバン「だってそうじゃないですか確かに勝負の目前にガルヴァスに邪魔されてあなたが怒る気持ちは分かります、しかしだからこそあなたは今彼を信じてあげなくてはいけないんじゃないですか?」
ヒュンケル「飛影を信じる・・・」
アバンは微笑みながらうなずくと今度は優しく語りかけました。
アバン「飛影くんも同じ気持ちだ、だからこそ今彼はガルヴァスと戦っているのです、あなたとの約束を
果たすために」
ヒュンケル「俺との約束・・・」
アバン「あなたと決着をつけたい正々堂々勝負がしたい、だからこそ、その邪魔をしたガルヴァスが許せなかった、そう思いませんか?」
ヒュンケル「先生・・・俺は自分のことしか考えていませんでした」
アバンはニコッと笑ってうなずいた。
アバン「信じて待ちましょう」
ヒュンケルもコクンとうなずいた。
ガルヴァスはベギラゴンのようなエネルギー波を撃って来た。
クロコダイン「おっ!マズイぞ」
飛影「ハァァァ・・・ハァ!」
“グォォォォ 💥ズガァン 💥 ”
飛影は妖気弾を放ってガルヴァスのエネルギー波にぶつけた。
閃光が押し合う
ガルヴァス「フフフ♫」
飛影「ハアアア!」
ダイ「互角だ!」
ハドラー「ふむ、頑張れ飛影」
ハドラーマジでいい奴です。
飛影「俺はここで負けるわけにはいかない俺を信じて待っている男のためにも貴様に負けるわけにはいかないのさ」
ガルヴァス「お前を待つ男だと?」
ふと見るとガルヴァスはヒュンケルに気づいた。
ガルヴァス「まさかその男とはヒュンケルのことか?」
飛影「だったら?」
ガルヴァス「フッそうかそうだったのか・・・クククッ♪」
飛影「なにがおかしい?」
ガルヴァス「なるほど力比べが互角だった理由がそれで分かったわ」
思いも寄らないガルヴァスの言葉に飛影もヒュンケルたちもキョトンとした顔をしています。
ガルヴァスは攻撃を辞めた。
ポップ「あれ?どうなってんだ?」
ガルヴァス「今日のところは引いてやる邪魔したな」
飛影「待て、逃げるのか?!」
ガルヴァス「勘違いするな、お前とヒュンケルの思いに心打たれただけのこと、この次は容赦せんぞ」
そう言ってマントを翻すとガルヴァスは消えた。
飛影は膝を突いた。
ヒュンケル「飛影!」
一早くヒュンケルが駆けつけた。
ハドラー「ガルヴァスの奴粋なことをしたな」
ヒュンケル「飛影、大丈夫か?」
飛影「ああ、これで邪魔者はいなくなった」
ヒュンケル「改めて言う俺と闘え」
ヒュンケルのその言葉にニヤリと笑うと・・・
飛影「受けて立つぜ」
ヒュンケル「その前にかなり消耗しているだろう回復させて来い」
飛影「いいのか?」
ヒュンケル「俺をみくびるな全快して来い!」
飛影「フッ」
ランサー「充分元気じゃねぇか」
飛影はポップにベホマをかけてもらいダメージが消え体力が回復した。
ポップ「ほらよ、これでどうだ?」
飛影「ふむ、力が戻っている」
飛影は感触を確かめると振り返ってヒュンケルを見た。
ヒュンケルは満足気にうなずくと組んでいた腕を解いて飛影に近づいた。
ヒュンケル「全快したか、よしこれで条件は五分と五分だな」
飛影「今度こそ邪魔者なしで決着をつけられる」
睨み合って火花を散らす両者
アバンたちは二人から離れました。
ヒュンケルはオーラを放って挑発する
飛影の妖霊気を放ちヒュンケルのオーラを押し返す。
飛影「俺の全妖力を持って貴様を倒す」
ヒュンケル「勝つのは俺だ!俺の力すべてをこの両拳に込めて貴様を倒す!」
拳を突き出して言うヒュンケルを睨みつける飛影。
ライバルを倒す!その思いをぶつけ合い、今闘いが始まろうとしている。
雷が鳴り二人の間に稲妻が光る
宿命の対決にどう決着がつくのだろうか?
つづく。