2023年10月15日日曜日

スーパーあぶない刑事54話


      『公安の捜査官』 

 

 

ブティックの裏口で女性が殺害されているという通報が入り

真琴たちは直ちに現場に急行した。

するとスーツ姿の男が倒れている女性の傍らで肩を落としていた。

 

 

 

藤村亮「何者でしょう?あの男、おい!そこの・・・」

 

 

 

と藤村が声をかけようとすると真琴が制して男に近づいた。

 

 

 

大下真琴「港署の大下真琴です、あなたはその女性とお知り合いの方ですか?

 

 

 

と、丁寧に話しかけました。

 

 

 

 

田丸三郎「ああ、俺は公安の田丸だ、田丸三郎」

大下真琴「田丸さんその女性との関係は?

田丸三郎「恋人だ伊豆に彼女が友人と旅行に行って昨日帰って来たんだが向こうで公安が追っている男を見たって俺に電話をして来て、今日話を聞くことになっていたんだが聴く前に遣られてしまったよ」

大下真琴「公安が追っている男というのは?いけねぇ公安は口が堅いんだった」

田丸三郎「フッ丁度いい単独で動くつもりだったがお前なら信用できそうだ」

谷村進「お前って、彼はうちの署長ですよ!あなたの階級は知りませんけど、失礼でしょう💢」

 

 

 

 

珍しく谷村が感情的になって怒った。

 

 

 

大下真琴「まぁまぁ恋人を亡くされたばかりなんだから、だがそっちがそう来るなら・・・一緒に来い、安田さん河合さん跡はよろしこ」

安田一郎「了解、任せといて下さい」

大下真琴「勇次・慎太郎たちは一足先に周辺の聞き込みから始めてくれ、俺たちは田丸さんともう少し話すから」

大下勇次「OK、タカ行こうか」

鷹山敏樹「ああ」

本城慎太郎「よ~し散ってくれ」

 

 

 

真琴・治樹・宗明・萩原は田丸とブティックの中で話を聞くことにしました。

 

 

 

田丸三郎「彼女は情報屋だった、そして俺の恋人でもあった」

大下真琴「名前は?

田丸三郎「谷口美貴、守ってやれなかった」

大下真琴「さっき谷口さんは伊豆で公安が追っている男を見たって言っていましたよね、名前は聞いてないんですか?

田丸三郎「会ってから話すと言っていたから分からない」

徳川宗明「公安って潜入捜査が主だよな、あんたが過去に潜入した組織の誰かという可能性は?

田丸三郎「俺の潜入がバレたことはない」

徳川治樹「もしバレていたとしたら?

田丸三郎「有り得ない!

 

 

 

“ドン💥

 

 

 

と、怒鳴って壁を殴る田丸警部補は治樹と宗明を睨みつけた。

 

 

 

大下真琴「落ち着いて別にあなたを侮辱しているわけじゃない、潜入捜査がバレることだってある、あなたを泳がせておいて見せしめで彼女を殺して反応を見ているのかもしれない」

徳川宗明「それってやっぱバレテいるってことじゃない?

大下真琴「いや、そうとは限らないもし他にも潜入捜査官がいるなら次の殺人があるかも、そうやってイヌを炙り出そうとしているんだと思う」

萩原秋夫「まだ他に潜入捜査官がいるんですか?

田丸三郎「ああ、二人いる」

大下真琴「よし、あなたはこのまま組織の元に戻って下さい」

田丸三郎「あんたを信用できるという根拠は?

徳川宗明「ちょっと待て!あんたこの子のこと知らないのか?

田丸三郎「デカには見えん、ましてやまだ子供だろう?

大下真琴「フッ潜入捜査官だから知らないのも無理はないよ、俺は港署の署長階級は警視長です歳は13歳、大下真琴です」

田丸三郎「大下真琴!お前があの噂の?!

大下真琴「名前知ってたのに俺を見ても気づかなかったのかい?どんな噂か興味あるね」

田丸三郎「港署に数々の伝説がある刑事、型破りであらゆる武器を扱い、時限爆弾もチラッと見ただけで止めてしまうという港署のオールマイティーデカ」

徳川治樹「オールマイティーだって、まぁ当たっているけど」

大下真琴「オールマイティーって何?

 


 

  

と言う真琴の質問にズッコケる四人だった。

 

 

 

田丸三郎「頭もキレて銃の腕もピカ一、剣術もプロ並みで腕っ節も強い、スキがないってことさ」

大下真琴「はぁ?弱点もいっぱいあるわ!乗り物に弱いし涙もろいしすぐに体調崩すし」

田丸三郎「ふ~ん、そうなんだ」

徳川宗明「噂で知っている人ならさっき疑う必要あったか?

田丸三郎「子供とまでは聞いてなかったから」

大下真琴「なるほどね、じゃ話を戻そう、田丸さんはいつから潜入してるんですか?

田丸三郎「今日で1ヵ月になります」

徳川治樹「潜入先は?

田丸三郎「銀星会だ」

大下真琴「なんだって!

田丸三郎「なにかおかしいですか?

徳川宗明「数ヵ月前に会長を逮捕して幹部もほぼムショに入っている、つまりほぼ壊滅状態のはずだ」

大下真琴「事務所ごとバズーカーで吹っ飛ばしてその場にいた組員を捕らえている、あの時逃げた奴はいない」

田丸三郎「だが全組員があの場にいたわけじゃない外出していた奴もいる」

 

 

 

田丸に全員ではないと言われハッとする真琴。

萩原が無線で鷹山に連絡した。

 



 

 

萩原秋夫「鷹山・大下聴こえるか?

鷹山敏樹「はい鷹山です、何か分かりましたか?

萩原秋夫「田丸さんは銀星会に潜入していたらしい、お前たちが事務所ごと潰した日に星野って奴が伊豆にいて田丸さんの女と会っていたそうだ」

田丸三郎「その日の夕方に俺の女と横浜に戻って来てるんだ」

大下勇次()『その時に伊豆にいたのは星野だけですか?

田丸三郎「いや確か舎弟4人と一緒だった」

大下勇次()『じゃ5人はあの場にいなかったのか』

大下真琴「俺たちは伊豆に行くトシと勇次は浩一さんたちと協力して銀星会の残党を探し出せ」

鷹山敏樹『伊豆、俺たちも行きたい』

大下真琴「ダ~メ!メンバーはもう決まっているもん」

大下勇次『まぁいい、気をつけて行けよ』

大下真琴「ああ、跡は任せたぜ、ムチャすんなよ」

鷹山敏樹『そっちこそ伊豆で暴れるなよ』

大下真琴「さぁそれは奴ら次第だ」

 

 

  

そして真琴・徳川治樹・徳川宗明・萩原秋夫・風間明・田丸三郎の6人は伊豆へ飛んだ。

旅費は必要経費として降りました。

 

 

 

 

徳川治樹「署長、カバンパンパンだけど何が入っているんだ?

大下真琴「ナイショ❤️

徳川宗明「まぁいいじゃない、それよりせっかく買ったんだから駅弁食べようよ」

田丸三郎「そうですね」

 


 

 

6人は駅弁の蓋を開けました。

食べながら田丸が三人に質問をした。

 

 

 

 

田丸三郎「4人はいつから署長と組んでるんですか?

徳川治樹「3年くらいかな、署長は4歳の頃に刑事になったそうです」

萩原秋夫「ちなみに俺は昨日から港署に赴任して来たのであんたとそう変わらない」

田丸三郎「そうなんですねえっ!4?!本当ですか?

大下真琴「ええ、幼稚園でいじめられて母が父に話して署に連れて来たのが最初です」

徳川宗明「それで当時の県警本部長に見込まれてデカになったそうです」

萩原秋夫「そんなことがあるんだ」

徳川治樹「そのテストで本部長が署長の才能に気づいてデカにしたそうです」

田丸三郎「ふつうなら有り得ないことですよね?

大下真琴「でもちゃんとテストは受けましたよ」

田丸三郎「どんなテストだったんですか?

大下真琴「う~んと子供の頃だったからあんまり憶えてません」

徳川治樹「相当難しいテストだったんだろうね」

 大下真琴「憶えとらん」

 

 

 

田丸も萩原も驚いた顔をしていた

普段はクールな二人が真琴を見つめながら

目を丸くしている。

 

 

 

 

大下真琴「俺も最初冗談かと思っていました、でも松本前本部長には本当によくしてもらいました」

田丸三郎「ますますあなたに興味が湧きました」

萩原秋夫「俺も」

 

 

 

駅弁を平らげると真琴は寝てしまいました。

 

 

 

徳川宗明「寝顔はやっぱり子供だな、安心するね」

徳川治樹「ハハハ!確かにそうだな」

田丸三郎「三人は彼のどこに惹かれてるんですか?

徳川宗明「全部かな、子供らしいところとか、でも一番はデカモードの時の鋭い顔つきの時初めて見た時は寒気がしたくらいだよ」

徳川治樹「俺は署長の心の闇を知った時かな幼稚園の頃からひどいいじめに遭って一度は言葉が話せなくなるくらい心に深い傷を負ったことを大下から聞かされたんだ」

田丸三郎「いじめられていたんですか?信じられない」

萩原秋夫「そんなに酷かったんですか、かわいそうに」

徳川宗明「署長は港署の刑事たちと当時の県警本部長の松本さんに見込まれて刑事になったから」

徳川治樹「そして今の本部長の緒方さんは松本さんから署長のことを温かく見守ってほしいと言って定年退職を迎えたそうだよ」

風間明「俺も署長には救われて港署に来たんだ」 

 萩原秋夫「救われた?」

風間明「この件が片付いたら話すよ」





と、風間は答えた

田丸警部補と萩原秋夫は眠っている真琴の方を見つめていた。

 

 


 

萩原秋夫「俺にも息子がいる、もしいじめられたら加害者も学校も許せねぇよ」

徳川治樹「そうだよな分かるよ」

田丸三郎「彼との捜査が楽しみだな」

大下真琴「銀星会の星野は頭がキレル上に武術の腕もなかなかのものらしい」

田丸三郎「眠っていますよね?

徳川宗明「シー・・・さすがよく知ってますね」

大下真琴「勇次と敏樹が前に言っていたんだ銀星会の組員、特に幹部クラスの中には武闘派が多いらしいよ」

徳川治樹「じゃこっちも油断は禁物ですね」

大下真琴「ああ」

 

 

 

念のために言っておきます、署長は熟睡しています。

ですがこの通り会話が成立しています。

 

 


 

田丸三郎「不思議な子だ」

 

 

 

と、田丸警部補は首をかしげている。

 

 

 

徳川宗明「こんなのは序の口だよ、なぁハルさん」

徳川治樹「ああ、俺たちは慣れているから」

 

 

 

そして・・・あと30分で伊豆高原駅に着くという時になると真琴が目を覚ましました。

 

 

 

 

大下真琴「あ~よく寝た」

徳川治樹「いい時に起きたな、あと30分くらいで着くよ」

田丸三郎「びっくりした!

徳川宗明「どうした?

大下真琴「嫌な予感がする、待ち伏せされてんぞ」

萩原秋夫「なぜそう言い切れるんだ?

 

 

 

 

駅に近づくにつれて真琴の表情が険しくなって行きました。

 



 

風間明「署長の勘はよく当たるからな

徳川治樹「それじゃ用心しよう、宗さんこれ」

 

 

 

と言って槍の入った包みを手渡した。

 

 


 

徳川宗明「サンキュー署長は?

大下真琴「一応これがあります」

徳川宗明「あっそっか、でっ萩原とあんたは?

萩原秋夫「俺は銃があればいい」

田丸三郎「俺も署長と同じく警棒を持っています」

徳川治樹「よし、改札口を出たら二手に分かれよう」

徳川宗明「どういう組み合わせにする?

田丸三郎「署長と組ませてください」

 

 


 

と、田丸が言うと治樹と宗明は顔を見合わせた。

 



 

 

徳川治樹「いいだろうじゃ萩原さんと風間のペアで署長と田丸刑事のフォローを頼む」

萩原秋夫「分かりました」

 

 



 

風間はコクンとうなずいた。

 


 

 

大下真琴「二人とも油断するなよ、それで落ち合う場所は?

田丸三郎「タクシー乗り場でどうです?

徳川治樹「OK、気をつけろよ」

大下真琴「ああ、二人もな」

 


 

 

改札口を出ると突然10人くらいの男たちが襲いかかって来た。

 



 

 チンピラ「来たぞ!かかれ〜!」

大下真琴「ヤレヤレ、こうも予想通りとはね」

田丸三郎「凶行突破と行きましょう」

徳川宗明「じゃタクシー乗り場で」

萩原秋夫「OK、そちらも気をつけて」

 

 


 

と言って二手に分かれて走り出した。

ヤクザたちも分かれて追って来ます。

駅の構内で男たちを迎え撃つ人にした真琴たち四人は

チンピラたちと格闘になりました。

 

 

 

 

ヤクザA「やっぱりお前が公安の犬だったのか‼」

ヤクザB「そっちの二人はデカか一人はまだ子供じゃねぇか」

田丸三郎「美貴を殺したのも貴様らか!?

ヤクザA「吐かせるためにずい分絞め上げたんだが、とうとう黙んまりのままあの世へ送ってやった、女を殺せば潜入捜査官が炙り出せると思ったからな」

大下真琴「でっノコノコ伊豆にやって来て俺たちを待ち伏せていたと言うわけか?

ヤクザB「坊や頭いいじゃないか」

大下真琴「うれしくにゃい」

 




 

 

腕組みしながら真琴が答えると田丸刑事が真琴を庇うように前に立った。

 



 

 

田丸三郎「下がってて、ここは俺に任せろ」

大下真琴「彼女に免じてこの場は任せるとしよう」

田丸三郎「合図したら先に行って下さい」

 

 


 

と、田丸が言うと真琴は腕組みしたまま壁に凭れ掛かった。

田丸がヤクザと格闘になった。

 

 


 

田丸三郎「何をしているんだ!早く行け外に出るんだ」

大下真琴「今はあんたも俺の大事な仲間だ置いて行くつもりはない、さっさと片付けな」

田丸三郎「はぁ~!?さっきまでと態度が違うじゃないか!

大下真琴「助太刀がいる時は言ってくれな」

田丸三郎「いいよ一人でやれる」

大下真琴「じゃガ~ンバ!

萩原秋夫「やっぱり興味あるなぁ」

 



 

 

田丸三郎はヤクザたと格闘になり一人ずつ気絶させて真琴や萩原や風間と共に地上に出ると治樹と宗明の二人と合流しました。

 

 



 

徳川宗明「こいつは一筋縄じゃ行かねぇぞ」

大下真琴「そっちにも行ってたね」

徳川治樹「この件から手を引けと言って来た、勿論断ったら襲って来たよ」

徳川宗明「襲って来た男たちはみんな銀星会のバッチをつけていた」

大下真琴「こいつは奥が深いね、よ~し」

 

 

 

 

真琴は携帯電話で港署に電話した。

港署側・・・

 

 


 

吉井浩一「ハイ港署捜査課、あっ署長、えっ!襲われた!?でっ相手は?なんですって!ハイ、分かりました鷹山にそう伝えます」

 

 


 

と、言って電話を切った。

 

 


 

鷹山敏樹「パパ、署長たちが襲われたってどういうこと?!

吉井浩一「改札口を出た所で銀星会のバッチをつけた10人くらいの男たちにこの件から手を引けと言われたそうだ」

大下勇次「よくも俺のかわいい息子を!許せねぇブチ殺したる💢」

本城慎太郎「よし、俺たちも伊豆に行こう」

吉井浩一「待て待て!署長からの伝言だ銀星会でいないメンバーを確かめて来いってさ」

鷹山敏樹「そういうことか向こうに行った奴を吐かせて来ます」

近藤卓造「おい!確かめるだけだぞいいな!

鷹山敏樹「了解」

 

 

 

 

全員で銀星会に乗り込んで行きました。

下っ端のチンピラが出て来たが全員ぶっとばして今の大将のところへ辿り着いた。

 

 

 

 

本城慎太郎「小野寺・矢藤に遠藤」

鷹山敏樹「石浦・黒木・神谷・三上・平田」

大下勇次「横井・羽鳥・野口・桑田、お前ムショにいるはずじゃ」

石浦「先月出所したんですよ」

神谷「二人の会長はまだ中にいますけどね」

濱下「ハマシタです、よろしく」

青木順子「何人向こうに送り込んだが白状した方が身のためよ」

平田「お~怖い怖い」

芝夏美「あっそ、ならこっちにも考えがあるわ」

 



 

 

と言って芝夏美と原田実が黒木と平田のサングラスを拳銃で撃って割りました。

 

 



 

“バン💥カラン💥バン💥バリ~ン⚡️

 

 


 

黒木「じゅ15人です星野がリーダーで、幹部5人とあとそれにチンピラが10人ほど」

原田実「15人か急いで署長たちを助けに行かなくちゃな」

大下勇次「よし、しかし実、夏美やることが署長に似て来たな」

芝夏美「だって態度が悪くて頭に来たんだもん」

原田実「俺もムカッと来ました」

大下勇次「その文句も署長と同じ」

本城慎太郎「おい、俺たちも伊豆に行くぞ」

みんな『はい』

 

 


 

宮本課長に報告するとすぐに伊豆へ向かいました。

 

 


 

藤村亮「署長、待ってて下さいね、今行きますよ」

 

 

 

 

その頃、真琴たちは・・・

 

 

 

田丸三郎「彼女が言った、公安が追っている男のことなんだが」

徳川宗明「そいつは何者なんだい?

田丸三郎「殺し屋だったんです、それもヤクザに雇われたね、最初はそいつもヤクザかと思ったそうですが殺し屋だったと言ってました」

徳川治樹「ヤクザが殺し屋を雇う時代か、でも何のために?

大下真琴「潜入捜査官を始末するためだよ」

田丸三郎「さすが、ご名答その通りです」

徳川宗明「自分たちの手を汚さずに済むからな」

萩原秋夫「なるほどヤクザも随分効率の良い方法を取ったものだな」

大下真琴「感心してる場合じゃねぇ!そいつらとやり合うかもしれないんだぞ」

田丸三郎「いや、確実にそうなる」

徳川宗明「俺たちだけでやるのは難しい、せめてあと2・3人はいないと」

 風間明「6人いれば何とかなるさ」

 

 


 

と、タクシーの車内で話し合っていました。

駿府城址公園に向かいました。

そこに銀星会の星野と殺し屋がいます。

 

 

 

 

田丸三郎「プランはあるんですか?俺は別に6人だけで踏み込んでも構わないが」

大下真琴「いや、それは自殺行為だ、ちょっと待ってね」

 

 


 

真琴は本城の携帯に電話をかけた。

本城はすぐに出てくれた。

 

 

 


 

本城慎太郎「本城」

大下真琴「俺だ、今どこにいる?

本城慎太郎「もうすぐ静岡に入るところだ、みんなでガンガン飛ばしてるよ~」

大下真琴『男らに襲われたが今駿府城址公園に向かっている』

本城慎太郎「俺たちもすぐそっちへ行くからムチャすんじゃねぇぞ」

大下真琴「だったら電話なんかしねぇよ、早く来てくれ」

原田実「実です、6人共ケガはありませんか?

大下真琴『ああ、大丈夫だよありがとうな、実』

原田実「よかった、すぐ駆けつけますから、もう少しの辛抱ですよ」

大下真琴『だったら早く来いってみんなに伝えろ』

原田実「了解」

 

 

 

 

通話を切ると原田は真琴からの伝言を無線でみんなに伝えた。

 

 


 

大下勇次「俺の息子は逞しいね」

鷹山敏樹「本当、でもなんで本城さんに連絡したんだ?

大下勇次「あの人、携帯電話を持っているから」

鷹山敏樹「あ~そういうことか」

 

 

 

 

 

一方、真琴たちが乗ったタクシーは駿府城址公園に着きました。

タクシー代は真琴が支払った。

 


 


 

大下真琴「39000円です、どうもありがとう」

タクシードライバー「まいど!

大下真琴「タクシー代経費で下りるかしら?

徳川宗明「もしかして自腹で払ったの?言ってくれたら出したのに」

大下真琴「めんどくせぇから6人分払っちゃったよ」

徳川治樹「後で必ず払うから」

大下真琴「じゃ一人6500円ね」

田丸三郎「俺もちゃんと払いますから」

大下真琴「すいませんね」

 

 

 

 

 

真琴たちは大下たちが来るのを待ちました。

待っている間、真琴はショルダーバッグの中を確認していました。

ステンレスの伸縮する警棒・煙硝玉14個・小柄10本・苦無8本・手榴弾20

替えのマガジン30本とワイヤーが入っています。

 


 

 

徳川宗明「相変わらず準備のいいこと」

大下真琴「モットーは備えあれば憂いなしですから」

田丸三郎「足りなくなるよりかはいいよね」


 


 

田丸は驚きつつも笑顔でそう言いました。

 

 


 

大下真琴「ちょっと重い」

萩原秋夫「そりゃそんだけ入ってたら重いだろう、よく平気で歩いてたな」

田丸三郎「どれ、どの位重いんだ?

 



 

 

と、言って田丸が真琴のショルダーバッグを持つと・・・

 

 


 

田丸三郎「これ大人でもかなり重いぞ!

大下真琴「鍛えられますよ」

徳川治樹「みんな早く来てくれるといいな」

徳川宗明「署長のことが心配だからすぐに飛んで来るだろうよ」

 風間明「間に合えばいいが」

 



 

 

一方、大下たちは覆面パトカーをガンガン飛ばしていました。

 

 

 

 

鷹山敏樹「間に合ってくれ」

大下勇次「ぶっとばすぞ、タカ掴まってろ」

藤村亮「署長、もうすぐ着きますからね」

芝夏美「藤村くん掴まって!

 

 

 

 

駿府城が見えて来ました。

あともう少しです、みんな急げ!

 

 

 

 

田丸三郎「もう待てない!俺たちだけで踏み込もう、6人なら何とかなる」

大下真琴「ダメだ!必ず来る」

田丸三郎「それじゃ間に合わない!

大下真琴「俺を信じてくれ、みんなは必ず来る」

徳川宗明「間に合ったようだ」

 

 

 

 

宗明がパトランプが見えたのを確認した。

みんな一斉に駆けつけて来ました。

 

 


 

本城慎太郎「間に合ったか?

徳川治樹「何とかなよく来てくれた

徳川吉之「奴らはあの中か?

大下真琴「ああ行くぞ」

風間明「マズイ気づかれたぞ」

チンピラB「おいあいつら

チンピラA「まだウロウロしていたのか!

田丸三郎「よくも俺の女を殺したな💢」

ヤクザC「やっぱりデカだったか差し詰め公安の犬ってところか」

ヤクザD「なら女の元へ逝け

 

 

 

 

言ってヤクザDが田丸に銃を向けた

 

 

 

 

“バン💥

 

 

 

しかし撃ったのは真琴だった。

 



 

 

ヤクザD「痛ってぇ!

大下真琴「無視してんじゃねぇよ!この野郎💢殺すぞ💢

大下勇次「いきなり乱暴なんだから」

萩原秋夫「ヤクザに向かって殺すぞってなかなか言わねぇぞ」

鷹山敏樹「うちの子は言っちゃうの」

藤村亮「目が据わってる」

村木拓「やべぇ!血の雨が降るど!

大岡忠利「だから大下が入ったんだよ大丈夫だろう、多分

ヤクザA「いつの間にこんなに公安か?!

大下真琴「横浜港署の刑事だ」

ヤクザC「ガキ!まさかお前が大下真琴か!?

大下真琴「あん!!呼び捨てにしてんじゃねぇよ💢撃ち殺すぞてめえ💢」

大下勇次「ちょちょちょ!落ち着け」

鷹山敏樹「それ以上この子を刺激したら本当に全員やっちゃうよ」

大下真琴「問答無用だ全員シバク💢

町田透「やっぱりですよねやりますよね~」

 

 

 

 

やっぱり銃撃戦になりました。

 

 


 

徳川治樹「大下、署長のことは俺と宗さんに任せろ」

大下勇次「あの目ぇ据わっちゃってるんで気を付けて」

徳川宗明「大丈夫、大丈夫行こうハルさん」

萩原秋夫「俺もご一緒してもよろしいでしょうか?

徳川治樹「どうぞどうぞ」

 

 


 

 

治樹と宗明と萩原は真琴と走り出した。

駿府城址公園で銃声が鳴り響きます。

 

 

 

 

大下真琴「こいつで黙らせる💢

 

 

 

 

と言って手榴弾のピンを抜いて投げました。

 

 


 

“カラン⚡️ドカァン💥ドカァン💥

 




 

萩原秋夫「おいおい!」

徳川治樹「あ~あ、まぁいっか」

田丸三郎「いいんかい!あっ突っ込んじゃった」

 

 


 

 

真琴が本気でキレて手榴弾を投げまくったのでヤクザたちが戦闘不能になりました。

 

 



 

 大下真琴「寝んねしな」

本城慎太郎「うちの署長を本気にさせるとあ~なるわけよ」

田丸三郎「キレるまではあんなに冷静で穏やかだったのに・・・」

 

 

 

 

真琴の変貌ぶりに驚きを隠せない様子の田丸警部補と萩原。

田丸警部補に鷹山が肩を叩いて言った。

 

 

 

 

鷹山敏樹「あれでもまだ四分くらいだよ、あんなのは序の口、なぁ勇次」

大下勇次「うん、本気でキレたら『こいつで黙らせる』とか宣言しないから」

鷹山敏樹「目にも止まらぬ速さで発砲するか蹴りが入って気づいたら相手が伸びてるから」

大下勇次「渾名が『穏やかな乱暴者』だからね」

徳川治樹「そんな渾名があったの?初耳なんだけど」

町田透「先輩たちが付けていました」

 

 

 

 

青木・吉井・田中・谷村・吉田・がチンピラや幹部たちに手錠を掛けています。

 

 


 

青木順子「全員に手錠を掛け終わりましたので連行します」

大下真琴「アイヨ~おぅけぇるぞ」

 

 


 

伊豆から横浜まで護送します。

 

 


 

大下真琴「田丸さんあなたの仲間に連絡して下さい、身柄は引き渡しますから」

田丸三郎「そちらはそれでいいんですか?

大下真琴「元々は公安のヤマですから、どうぞ」

徳川宗明「本当に身柄を渡しちゃっていいのかい?

大下真琴「な~に構やしねぇよ」

田丸三郎「この御恩は忘れません」

大下真琴「その代わりちゃんと落とし前つけて下さいね」

 田丸三郎「もちろん、ちゃんとやらせていただきます」

 

 

 

 

、真剣な顔つきで言う真琴に田丸は感謝の気持ちを込めて頭を下げました。

帰りは本城たちが乗って来た覆面パトカーで公安近くの駐車場に田丸警部補とヤクザたちを降ろしました。

すでに田丸警部補の仲間が待っていました。

 

 

 

 

森本刑事「田丸さん」

田丸三郎「森本、わざわざ迎えに来てくれたのか?

森本刑事「田丸さんがお世話になった方々にお会いしたくて」

大下真琴「ヤクザたちをそちらに引き渡します」

森本刑事「あの、この子が噂の大下さんですか?

田丸三郎「コラ💢失礼だぞ!俺たちより階級がう~んと上なんだぞ」

森本刑事「えっ、失礼ついでに階級は・・・?

 

 

 

 

すると真琴は森本刑事たちに警察手帳を見せました。

 

 


 

森本刑事「警視長!?大変失礼致しました」

大下真琴「ああ、慣れてますから」

柿崎刑事「では、この者たちを連行させていただきます」

大下真琴「よろしくお願いします」

 


 

 

ヤクザたちの引き渡しを済ませて大下たちも港署に帰りました。

 

 



 

近藤卓造「署長、お疲れ様でした」

宮本謙「よくみんなをまとめてくれました大変だったでしょう?

大下真琴「いやぁ、公安の刑事さんと捜査したのが初めてだから緊張しました」

田中文男「またまたぁ、しっかり指示出していたじゃないですか」

藤村亮「そうっすよ銀星会の組員、まぁ一部ですけど刑務所に入れられたわけですから」

原田実「署長がいなかったら銀星会に先手を打たれていたかもしれない」

谷村進「田丸さんが危険な目遭っていたかもしれないですし」

吉井浩一「みんな署長が完璧なプランと起点が効いたおかげです」

大岡忠利「我々よりヤクザよりも先に行って待ち伏せしちゃってたくらいですからねミラクルとしか言えません」

大下真琴「ありがとうございます」

 

 

 

 

そう言ってペコリと頭を下げる真琴。

それから報告書を3通書きました。

それを緒方本部長・大原刑事部長・浅見刑事局長に提出します。

まずは県警の緒方本部長の所です。

 

 

 

 

緒方雄一「君にはいつも驚かされるな」

大下真琴「ごめんなさい、またやり過ぎてしまいました」

緒方雄一「いや、そうじゃなくて先のことまで考えられる上に仲間を守っているところが凄いよ、大人でも簡単にはできないことだからね」

大下真琴「はぁ・・・そうなんですか?

緒方雄一「松本さんの見込みが確かだったな、フフ♪」

大下真琴「そうなんですか?自分ではよく分かりません」

 

 

 

、俯く真琴を見て緒方本部長が席を立って真琴に近づいて頭を撫でながら

 

 


 

緒方雄一「たいへんよくできました」

 

 

 

と言った。

 

 

 

大下真琴「ありがとうございます」

 

 

 

真琴は一礼して本部長室を出ました。

次には警視庁の大原刑事部長の所へ行きました。

扉をノックする真琴、しんし中から応答がない、すると受付の女性が来て言いました。

 


 

 

受付嬢「刑事部長からの伝言です『浅見刑事局長に呼ばれているのでそこでお会いしましょう』とのことです」

大下真琴「分かりました、ありがとうございます」

 

 

 

 

真琴は警察庁の浅見刑事局長の所へ向かいました。

その頃、警察庁では浅見刑事局長と大原刑事部長が談笑していました。

浅見陽一郎「もうすぐここに彼が来ます」

大原功一「小さなヒーローあの小さな体でいろいろ背負っている、彼は我々警察の希望です」

浅見陽一郎「ええ、彼ならすべてを任せられる、だが我々も任せる怠慢はしない彼を信じてバックアップしなければ」

大原功一「もちろんですともこれからの警察組織に必要な宝ですからね」

 

 

 

 

真琴たちが警察庁に着きました。

徳川治樹は宗明も一緒です。

 

 


 

徳川宗明「いつ来ても緊張するよな、ここ」

大下真琴「分かるさぁ行こうか」

 

 


 

三人は受付に行って浅見刑事局長のオフィスに繋いでもらいました。

 



 

受付嬢「お約束の方ですか?

大下真琴「はい浅見刑事局長に繋いでもらえますか?

受付嬢「少々お待ち下さい」

 

 


 

受付の女性がオフィスに連絡して確認してくれました。

 

 

 

受付嬢「確認が取れました、どうぞお通り下さい」

大下真琴「ありがとう」

 

 

 

真琴は礼を言うとエレベーターホールまで歩いて行きます。

後から治樹と宗明も着いて行きます。

 

 

 

 

徳川宗明「クールだよなぁ署長って」

徳川治樹「冷静で感情を表に出さないからドライだとも言える」

大下真琴「フッどっちなんですか?

治樹&宗明『う~ん両方』

大下真琴「マジで?いいの?悪いの?

徳川宗明「もちろんいいんだよ、かっこいい!

大下真琴「ありがとうございます」

 


 

 

エレベーターでオフィスのある階まで上がってエレベーターを出ました。

長い廊下を歩いて行くと浅見刑事局長のオフィスに着きました。

ドアをノック真琴。

 


 

“コンコン♪”

 

 

 

『どうぞ』

 

 

 

中から声がして三人は入って行きました。

 

 


 

大下真琴「失礼致します」

徳川治樹「失礼致します」

徳川宗明「失礼致します」

浅見陽一郎「お待ちしておりました、丁度、大原さんもいらしてますよ」

大原功一「やぁ、お揃いで」

大下真琴「どうも本日の報告書を持って来ました」

大原功一「真琴くん雰囲気が変わったねあと声変わりした?

大下真琴「カンジ悪かったですか?すいません」

大原功一「いや大人っぽくなった気がして心境の変化でもあったの?

大下真琴「いいえ、特には」

 

 

 

 

すると宗明が助け舟を出してくれました。

 

 

 

 

徳川宗明「毎日いろんな犯罪者と接していますから貫禄がついたんですよ」

大原功一「なるほど声変わりもしてますますかっこよくなったね」

大下真琴「へへ♪ありがとうございます」

 

 

 

浅見刑事局長と大原刑事部長は報告書に目を通した。

 

 

 

浅見陽一郎「公安の捜査官との捜査はいかがでしたか?

大下真琴「公安の刑事は秘密主義でいい印象があまりなかったのですが今回田丸警部補と行動を共にして印象が変わりました」

浅見陽一郎「ほぅどんな風に?

大下真琴「田丸警部補は一見クールかと思いきや感情を出しまくる人で、でも真っすぐで優しくてかっこいい人でした」

大原功一「そうですか、じつは田丸警部補から真琴くんのことを聞いているんです」

徳川治樹「なんて言ってましたか?

大原功一「穏やかな乱暴者って真琴君の父親が田丸さんに言ったそうだ」

大下真琴「穏やかな乱暴者って矛盾してませんか?

浅見陽一郎「でも報告書を読んでいると分かる気がします」

大下真琴「え~っ!

浅見陽一郎「松本前本部長があなたなら将来の警察のトップに立つ男と言った理由がわかる気がします」

大下真琴「そんな風におっしゃってたんですか?!

浅見陽一郎「ええ、あなたの刑事としての才能を見抜いておられました」

大下真琴「それは買い被り過ぎですよ俺は凄い人間じゃありませんから」

浅見陽一郎「私も凄いかどうかは置いといていい刑事であり良い署長だと思っています」

大原功一「私もそう思っていますよ報告書からもそう読み取れます」

大下真琴「警視総監、俺このままでいいんでしょうか?

大原功一「はい、そのまま大人になって下さい」

大下真琴「分かりました」

 

 


 

にっこり笑って答える真琴に浅見刑事局長も大原警視総監も笑顔でうなずいた。

 

 


 

大下真琴「それではこれで失礼致します」

浅見陽一郎「ご苦労様でした」

 

 


 

真琴たちは港署に帰って来ました。

 


 

 

近藤卓造「お帰りなさい」

大下真琴「ただいま戻りました」

大下勇次「コーヒーでも飲む?

大下真琴「あ~下さい」

 


 

 

勇次がコーヒーに砂糖とミルクを入れてくれました。

 

 

 

大下勇次「お疲れ様でした」

大下真琴「ありがとうございます」

 

 


 

真琴の顔がOFF状態になっていた。

 

 

 

本城慎太郎「あんな顔初めて見たよな?

鷹山敏樹「あれデカモードがOFFの時の顔なの」

青木順子「えっ、てことは今の署長はふつうの中学生の状態ってことですか?

鷹山敏樹「そう口数も少なくて大人しい子なの」

徳川治樹「滅多に見られない姿だよな」

徳川宗明「本当全然違う」

萩原秋夫「あ~やって見ると普通の子供なんだな」

大下真琴「なに?

徳川治樹「ううん、何でもない」

田中文男「穏やかな顔してるな」

萩原秋夫「いいものが見られた」

 

 


 

みんなが穏やかにコーヒーを飲んでいる真琴のことを見ていました。

この日はこれで終わりです。