2012年12月17日月曜日

スーパーあぶない刑事8話


              『藩主の生まれ変わり』



江戸時代。日本の数か所に藩とその藩を司る藩主がいました。
中には出世欲に勝てなくて悪事を働く者もいました。
しかしその野望も打ち砕かれ厳しく裁かれました。
しかしそんな中にもマジメにお勤めをする者も少なくありませんでした。
そんな者たちを八代将軍吉宗は評価していました。
そして時代は平成。




加納庄司「坊っちゃま!」
徳川吉之「ゲッ!爺どうしてここにいる?」
加納庄司「やっと見つけましたぞ、坊っちゃん、治樹様まで」
徳川治樹「ヤバイ・・・」
加納庄司「お二人とも逃がしませんぞ」





加納の爺は二人の腕をムンズと掴んで連れて行こうとしました。
そこへ大下親子と鷹山が出勤して来ました。





大下真琴「おい、そこのジジイ徳川さんに何する気だ?」
加納庄司「うるさい、ワシはこの者たちに仕える者だ。文句あるか?!」
大下真琴「えっ?あなたはもしかして加納五郎左ェ門の子孫?」
加納庄司「その通りじゃ、加納庄司と申します」
近藤卓造「こればご丁寧に、こちらは署長の大下です」
大下真琴「大下です、ところで徳川さんをどこへ連れて行くのですか?」
加納庄司「連れて帰るのです」




大岡も出勤して来て加納を見ました。




大岡忠利「これは加納さん、いつこちらへ」
加納庄司「大岡さん、あんたもここにいたのか?昨夜着いたんじゃ」
徳川吉之「爺とりあえず説明するから手を放してくれ」
宮本謙「何でしたらソファの方へどうぞ」





宮本課長と大岡が吉之と加納をソファに座らせた。
瞳が加納にお茶を出しました。





山路瞳「どうぞ」
加納庄司「ありがとう、美人じゃのう」
徳川治樹「オホン・・・では話を聞こうか」
徳川吉之「来るなら来るで、なぜ連絡をしなかった?」
加納庄司「電話すればすぐに逃げ出すでしょう」




さすが徳川の家に代々仕える世話役です。
お二人の行動パターンをよく分かっていらっしゃる。





大下真琴「あの申し遅れましたが、僕はここの責任者の大下真琴です」
加納庄司「まだ子供ではないですか」
大下勇次「息子は生まれる前から刑事になる宿命だったんです」
加納庄司「あんたはこの子の父親か?」
大下勇次「そうですが、言っときますけどこの子は警視庁のお偉いさんに見込まれてデカになったんですよ」
加納庄司「ほぅご立派なお子様ですね」
大下真琴「俺のことはいいの、加納さん徳川さんを本当に連れて行くんですか?」





加納は真琴の質問に即答しました。




加納庄司「もちろんです、京都でお家を継いでもらいます」
徳川吉之「俺は継ぐ気がないと言っただろ」
加納庄司「なりません、あなた方の内どちらかが徳川家を継ぐのです」
徳川治樹「俺はいや~だよ」
徳川吉之「俺も断る」
加納庄司「そんな無責任な!」





加納さんが怒り出した。
更に吉之は家を子供たちに継がせると言い出したのです。




徳川吉之「家は家吉か里菜のどちらかに継がせるつもりだ」
加納庄司「何をおっしゃいます、あの二人はまだ10歳ですよ」
徳川治樹「本人がやる気なら問題ないだろう」
大下真琴「あのう・・・」





真琴の呼びかけに加納が振り返った。




加納庄司「なんじゃ?家吉様!あなたまでこんなところに?」
大下真琴「いえ俺は違います」
大下勇次「俺の息子です」
徳川吉之「家吉はまだ家にいる、娘も香助が面倒を見ている」
加納庄司「そうでしたか、しかしソックリですな」






真琴はまだ徳川の娘と息子には会っていません。
会ったらきっとびっくりするでしょう。
大下と鷹山はPAULSTARホテルに電話して予約してくれた。
とにかくどこかで落ち着くように。






徳川治樹「爺、吉之のとこへ行くといい」
加納庄司「いいえ、ホテルに泊まります」
鷹山敏樹「今ホテルの予約を取りましたよ」
加納庄司「ありがとう」
大下真琴「これ港署の番号です、何かあったら電話下さい」
加納庄司「ご親切にどうも」





徳川吉之と大下真琴と大下と鷹山は加納の爺さんをホテルに送り届けました。
すると吉之が真琴を引っ張り出した。




徳川吉之「頼むから俺と爺を二人きりにしないでくれ」
大下真琴「どうしてですか?」
徳川吉之「小言がうるさいからだよ、頼む俺の身が持たない」
大下真琴「アッハハハ!でも捜査はどうするの?」
大下勇次「おい戻るんだろう?」
大下真琴「二人は先に帰っていていいよ、俺は残るから」
鷹山敏樹「徳川さんは分かるけどお前はどうして?」
大下真琴「いざとゆう時のために、残るの」
徳川吉之「そうそう、真琴がいてくれれば心強いし」





徳川は真琴の肩を支えながら言いました。




大下勇次「でも事件が起きたらどうするんだよ?」
大下真琴「本城さんたちだっているし、何とかなるでしょ」
大下勇次「でもお前が指揮を取るんだぞ」
大下真琴「本城さんやパパだっているでしょ、子供みたいなことを言わないの」
鷹山敏樹「OK、じゃ何かあったら連絡する」





鷹山の言葉に真琴はうなずきました。
それを見て二人は部屋を出て行きました。




大下勇次「頑張れよ」
大下真琴「うん」




タカと勇次は帰って行きました。
残った三人はゆうと徳川はずっと俯いています。




加納庄司「坊ちゃま、ちゃんと食べていますか?」
徳川吉之「ああ、子供もいるしな心配はいらない」
加納庄司「それならいいのですが、ヤンチャは控えて下さいよ」
徳川吉之「分かっておる」
大下真琴『口調が上様みたいになっている!』




一方港署に帰って来た鷹山と大下。





近藤卓造「あれ?何でガードをしないで戻って来たんだ?」
大下勇次「息子・・・いや署長の命令ですよ」
近藤卓造「そうか、仕方ないか」
大下勇次「何かあったら連絡するって言ってました」
鷹山敏樹「それに忍びの末裔の海堂たちも影から見守っているし」





それを聞いて課長たちは安心しました。
そこへ山路瞳が手紙を持って来ました。




山路瞳「課長、外にこんな手紙が届いていました」
宮本謙「差出人の名前がないな」





宮本が手紙の封を開けました。




宮本謙『オレヲツカマエルナンテムダナコトダ、デモモシジシンガアルナラバオレヲツカマエテミロ オオシタケイシセイドノ』署長のことですね」
本城慎太郎「署長に挑戦してんだ」
原田実「何で奴らは加納さんを狙うんでしょう?」
吉井浩一「そりゃ徳川家に関係する人だからじゃないの?」




手紙がいつ港署に届いたのか? また誰が届けたのか?謎だらけです。
その頃、真琴たちは・・・





大下真琴「吉之さん、来たみたいよ」
徳川吉之「爺、奥に隠れていろ」
加納庄司「はい」





すると武装をした数人の者たちがゾロゾロと入って来ました。
真琴は通販で買ったステンレスの警防をショルダーバッグから出した。





刺客「殺せ!」




一人の刺客の号令で一成にかかって来ました。
徳川は素手で真琴はステンレスの警棒で応戦しました。
しかし真琴は吉之に警棒を渡しました。






大下真琴「吉之さんこれ使って」
徳川吉之「いいのか?」
大下真琴「これでも一応段を持っていますから」






真琴は空手初段ですがカンフーで戦いました。
吉之は峰打ちで倒して行きました。
二人の活躍で刺客たちを追い払うことができました。





大下真琴「俺だ、刺客たちが加納さんを襲って今逃走した至急手配してくれ」
宮本謙『了解、そちらに本城たちを向かわせます』
大下真琴「よろしこ」
吉井浩一「奴らはどうやって署長たちがいることを知ったんだ?」
藤村亮「ひょっとしたら署に出た所から付けられていたんじゃないですか?」
青木順子「有り得るわね」





本城・大下・鷹山・木葉・海藤・松田・倉田・徳川治樹が応援に向かいました。
大岡忠利は昔の資料をいろいろと調べていました。
その中には時間に関わった者の似顔絵もあります。
その頃、真琴と徳川吉之は部屋の窓から隠れている者がいないか確認していました。




徳川吉之「こっちは異常なし」
大下真琴「こっちも異常なし・・・でもきっとまた現れるよ」
加納庄司「私のために申し訳ございません」
大下真琴「徳川家のゆかりの方に怪我をさせる訳には行きませんから」
加納庄司「ありがとうございます」




数時間後。応援の本城たちが着きました。




本城慎太郎「お疲れさま」
大下真琴「さっき刺客が来たよ、吉之さんと追い払ったけど」
木葉聡「もっと早くに来るべきでした」
徳川吉之「な~に真琴が強いから心強かったよ」
徳川治樹「さすがだなぁ」
大下真琴「いやいや」





治樹に褒められされて照れる真琴。
本城たちは念のためにホテルの出入り口全てを見回りました。




大下勇次「ホテルの入口は異常なし」
鷹山敏樹「裏口も異常なし、と、なると奴らはどうやって中に入り込んだんだ?」
松田香苗「着けられていたのでしょうか?」





と香苗が言うと真琴が考え込んだ。





木葉聡「でも尾行されていれば署長たちなら気づくでしょう?」
徳川治樹「待ち伏せされていたのかもしれないぞ」
大下真琴「ヤレヤレ、俺の感覚もまだまだだな」
徳川吉之「お前が責任を感じることはない、誰にだって無理さ」





今夜からは交代で加納さんをボディーガードすることになりました。
真琴と治樹が外を見張っています。




徳川治樹「真琴、寒くなって来たからお前は中に入れ」
大下真琴「一緒に入ろうよ。中からでも外は見張れるし」





真琴の優しい心遣いに治樹は微笑んで肩を組んで一緒にロビーに入りました。
真琴は缶コーヒーとミルクティを買って、コーヒーの方を治樹に渡しました。





大下真琴「はい」
徳川治樹「いいの?悪いな」
大下真琴「一応上司ですから」





それを聞いて治樹はにっこり笑って真琴の横に腰掛けました。
二人で缶ジュースを飲んでいると大下たちも来ました。




鷹山敏樹「あ、いいなぁ」
徳川治樹「真琴がおごってくれたんだ」
鷹山敏樹「いいなぁ俺にもおごって」
大下真琴「え~・・・」





すると勇次がタカにジュースを買って渡しました。




大下勇次「ハイタカ、俺のキ・モ・チ」
鷹山敏樹「ありがとう」
大下真琴「キモイ・・・」





本城たちには真琴が缶コーヒーを買って差し入れた。




大下勇次「本城さんたちに差し入れ、署長のおごり」
本城慎太郎「あっラッキィラッキィいただこう」
みんな『ごちそうさんです』
大下真琴「大げさだな・・・」





加納さんには真琴が緑茶を渡しました。




大下真琴「お茶でよかったですか?」
加納庄司「私にも買って来て下さったのですか?」





真琴は笑顔でうなずいて座りました。
とてもガードしているようには見えず和やかです。
それでも静かになると真琴の顔つきが険しくなります。




本城慎太郎「すっかり暗くなっちゃったな」
芝夏美「はい、でも怪しい人物は今のとこいませんね」
海堂進二「外の方も異常ありません」



進二たちが外から入って来ました。





松田香苗「さすがに夜になると冷えますね」
原田実「そうですね」
村木拓「今夜は長期戦になりますかね?」
本城慎太郎「多分な敵さんもバカじゃない、どう仕掛けて来るか?」




加納さんの部屋では真琴と大下たちが部屋を出ました。
部屋を出ると真琴があくびをした。





大下勇次「眠そうだな」
大下真琴「ちょっとね・・・」





と言うとドテッと倒れ込んで眠ってしまいました。




大下勇次「アラ?」
鷹山敏樹「どうしたの?」





タカも出て来て勇次を見た。
勇次は下を指した。
見ると真琴が座り込んで眠りに入っていました。
鷹山は座り込んで真琴の肩を叩いてみたが起きませんでした。




大下勇次「ずっと気持ちが張り詰めていたから、疲れたんだな」
鷹山敏樹「これから敵と対決しなくてはならん、だからそれに備えて眠っているんだ」
本城慎太郎「あれ、真琴寝ちゃったの?」
大下勇次「つい今しがた」
本城慎太郎「まぁ夜は長いからな、仮眠を取っておくにはいいかもな」





そこへ徳川治樹が来ました。




徳川治樹「あれ署長は寝ているの?」
徳川吉之「寝顔はやっぱり子供だな」
大下勇次「はい、さっきまで目つきがギラギラしていかにもデカって感じだったから」
徳川吉之「デカじゃないか」
大下勇次「俺より向いているかもしれません」




大下は真琴の頭を軽く撫でた。





大下真琴「トシ子ちゃんには敵いません、デカマシンだもの」
鷹山敏樹「トシ子ちゃんって俺のこと?」
本城慎太郎「そうなんじゃない」





真琴は熟睡しながら人と会話できるのだ。
ある意味すご技である。
そして外はすっかり暗くなり夜になりました。





徳川治樹「だいぶ暗くなったな」
大下真琴「ハクシュン」




真琴がくしゃみをしたので治樹は自分の上着をかけてやった。




徳川治樹「ベッドで寝ればいいのに」



真琴はホテルの待合室のソファで眠っています。
治樹は向かいのソファで真琴の寝顔を見ていました。



徳川吉之「しゃべらないな」
徳川治樹「ああ、ちょっと期待していたのだが」





二人は顔を見合わせた。
そして時計は夜8時半を回りました。



鷹山敏樹「8時半か爺さんどうしているかな?」
大下勇次「年寄りは寝るのが早いって言うからもう寝ているんじゃない?」
徳川吉之「当たりだ、爺は眠っているよ、狙われているとゆうのに」





その頃刺客が外に集まっていました。
10人以上はいます。
その気配に真琴が気づいて飛び起きました。





大下勇次「びっくりした・・・どうした?」





勇次の問いに真琴は振り向いて・・・





大下真琴「来るぞ」



と言いました。
それを聞いて本城がピンマイクでみんなに伝えた。





本城慎太郎「署長が起きて敵が来ると言っている」
村木拓『そっちへ行った方がいいですか?』
大下真琴「全員爺さんの部屋へ集まれガードを固める」
村木拓『了解すぐに戻ります』




真琴は加納さんの部屋に入り革の手袋をしました。




大下真琴「吉之と忠利で爺さんを起こして連れ出せ」
徳川吉之「分かった、忠利足元を持ってくれ」
大岡忠利「はい」
大下真琴「あと1分しかない」





真琴に言われ吉之と忠利は加納の爺さんを運び出しました。
治樹は真琴の隣で構えています。
本城たちも駆けつけました。




町田悠斗「真琴」
大下真琴「来る!」




するとヘリコプターが飛んで来ました。
ヘリの中には数人の者が乗っています。





大下真琴「伏せろ!」




“バババババッ!”



いきなり発砲して来ました。




大下真琴「にゃろ~派手に撃ちやがって責任取らねぇぞ」
徳川吉之「真琴こっちだ」





4人組の男が部屋に入って来る。
ナイフを抜いて歩いて来ます。
真琴もステンレスの警棒を手にしました。




徳川治樹「真琴手伝うぞ」
徳川吉之「俺も」




吉之と治樹は同時に刀を抜いて峰にしました。
本城たちは素手で戦います。




原田実「ここでは拳銃を使えませんから止むを得ませんね」
青木順子「ええ」




大下真琴「剣術習っておいてよかった」





4人の刺客たちは廊下に出て行きました。





大下真琴「治樹・慎太郎追うぞ」
本城慎太郎「OK、ここは任せます」
徳川吉之「ああ」





青木は大下に無線で伝えました。




青木順子「青木よ、敵が現れたわ、今そっちへ向かって逃走中、抑えて」
大下勇次『了解』




吉井たちは裏口で待ち構えていました。
忍び組も待ち伏せしています。



大下真琴「ハッ!」




真琴が警棒を逃げている一人の足元を狙って投げつけました。
見事一人の足に引っ掛かりました。
それを治樹が取り押さえました。




徳川治樹「ナイス真琴!」
大下真琴「進さん春彦さん3人ほどそっちへ向かっています」
谷村進『了解、任せて下さい』





裏口にいる谷村たち、谷村がジャンパーを脱ぎました。




谷村進「ヒョオオオ~」
吉田春彦「今だ!」
谷村進「ウァチャ~」




吉田の合図で谷村は裏拳で二人を殴り倒しました。
倒れた所を吉田が手錠を掛けました。





大下勇次「アラ?まだいたの」




大下が外で見張り役をしていた男たちを見つけてタカと拳銃を発砲しました。





加納「うわぁ!」
徳川吉之「爺・・・爺を離せ!」
刺客「そうはいかんな」
大下真琴「チッ、まだいやがったのか」
刺客「小僧なかなかいい感覚しているじゃねぇか」
大下真琴「フッてめえそれで人質を取っているつもりか?」
刺客「何だと・・・?!」






刺客の男は確かに加納の爺さんにナイフを向けています。
吉之たちは真琴が何をするのか見ています。




大下真琴「加納さん5秒だけ目を瞑っていて下さい」



すると治樹がカウントし始めました。





徳川治樹「5・4・3・2・1」
刺客「うぎゃあ!」




真琴は刺客の足を思いっきり踏みつけた。
刺客が痛がっている数秒の間に加納さんの手を引っ張って治樹の方に押した。
そして刺客が顔を挙げました。




刺客「てめぇ~💢」
大下真琴「有言実行、言ったことは必ずやるの、俺」
刺客「このガキ・・・」




真琴はビデオで見たカンフーの構えを取りました。




刺客「俺とやろうってか?」




刺客も格闘技が出来るらしく構えました。




大下真琴「ジャッキー映画で見たカンフー技を見せてやろう」





刺客の男が殴りかかって来ます。
パンチ・蹴り・回し蹴り、それを全て避けている真琴。
真琴はよく男の動きを見ています。
そしてスキを突きました。





男「うっ・・・」
大下真琴「ハイ!」
藤村亮「はい、いらっしゃい」





空かさず藤村が手錠をかけました。
逮捕した男たちの身元は武道を身に付けた者である男に雇われたとゆうのです。




本城慎太郎「雇い主の名前は?」
男「桑田功介とゆう超金持ちの男だった」
徳川吉之「桑田どっかで聞いたことある名前だな」
大下真琴「そうだろうな、先祖は勘定奉行の桑田天善だ」
加納庄司「では、八代様に裁かれたのを逆恨みして…」
大下真琴「恐らく、桑田は確か三河以来の武士でしたよね」
加納庄司「よくご存知で、その通りでございます」
松田香苗「これで敵の狙いも明らかになりましたね」
村木拓「徳川家への怨みなら、何で爺さんが狙われるんだ?」




村木の疑問に海堂が答えました。





海堂進二「それは加納様が旦那様の弱身だからですよ」
大下真琴「チッふざけやがって何が先祖の怨みだ、先祖天善が悪党だったから裁かれたのに」
松田香苗「署長の言う通りよ、逆恨みなんて冗談じゃないわ」
大下真琴「断じて許さん💢」




すると近くで男の声がしました。



小林「ほぅ、だったらどうする?」
桑田「徳川、相変わらず自分が正義だと思っているのか?愚か者が」
徳川吉之「自分のやっていることを恥じたらどうだ?」
桑田「何だと! ジジィもろともあの世へ送ってくれる」
海堂進二「そうはさせないぞ」





忍びの進二たちが徳川の前に並びました。





徳川治樹「こっちには切り札があるのさ」
越田「切り札だと?寝ぼけたことを言ってんじゃねぇぞ」
鈴原「そこまで言うなら見せてもらおうじゃねぇか」
大下真琴「俺だよ」





真琴が進二たちの後ろから出て来ました。




徳川吉之「この子こそ港署最強の刑事だ」
大下勇次「お前らじゃ役不足だと」
高田「桑田さんどうしたんですか?」
小林「まさかビビっているんじゃないでしょうね? こんなガキに」
桑田「バカを言うな!野郎どもやっちまえ!」





まだ手下がいたようで桑田の後ろからワンサカと出て来ました。
本城や忍びの者たちが前に出ました。



芝夏美「署長は徳川さんたちと加納さんの護衛を」
大下真琴「分かった、こぼれた奴はこっちでやるからさ」



本城たちは向かって来る手下たちを次々と倒して行きました。
真琴の隣に勇次が並びました。
勇次は真琴を見て微笑みました。それを見て真琴も微笑み返した。



鷹山敏樹「谷村張り切っているなぁ」
大岡忠利「あの格好寒くないのか?」
大下真琴「筋肉くんだもん、平気じゃない」
谷村進「ウァチャ~!」



後ろで吉井たちが拍手しています。
そして洩れて出て来た男たちを真琴と勇次が蹴飛ばしました。



徳川治樹「そろそろ桑田を抑えようか」
原田実「小林と高田も」




小林と高田は日本刀を抜いて来ました。




藤村亮「そんなんでビビルかバカ野郎!」





すると吉之と治樹は峰にしている刀を再び構えました。



小林&高田『ウオオオ!』




“バシンζバシンζ”



徳川兄弟に一発ずつ峰打ちされて小林と高田は観念しました。




吉井浩一「連行します」
徳川吉之「頼む」



吉井と田中が手錠をかけて連行して行きました。



大下勇次「真琴、おいで」
大下真琴「まだ仕事中だ」
徳川治樹「まぁまぁ」




と言って治樹が真琴の背中を押しました。
勇次は真琴を抱きしめた。




大岡忠利「何かいい雰囲気ですね」
徳川吉之「親子ってやっぱりいい物だよな」




事件も無事解決。
加納さんを無傷で守りきった港署の刑事たち
署長の緊張もようやく解れました。



つづく。

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