2012年12月18日火曜日

スーパーあぶない刑事16話


                             『旅立ち』


ある日。
徳川吉之は里菜と家吉の通う小学校へ行き二人の休学届けの手続きをするため来ていました。





橋本先生「そうですか、学校でもよく里菜ちゃんは『香港へ行きたい』と言っていました」
徳川吉之「そうでしたか、私は昨日突然聞いたので正直とまどいました」
橋本先生「なるほど、里菜ちゃんらしい、家吉くんも行くと言っていましたけど」
徳川吉之「ええ昨夜息子から聞きました」





吉之の表情を見て担任の橋本先生は…





橋本先生「大変ですねお父様としては」
徳川吉之「まったくその通りです、それと複雑な気持ちです」






担任の先生と話をしながら手続きを済ませた吉之は学校を出ました。
その足で港署に出勤して来ました。





徳川吉之「おはようございます」
芝夏美「どうでした?手続きは済みました?」
徳川吉之「うん、何とかね」







大下たちは大笑いしながら話していました。
真琴は珍しくソファーで眠っていた。
昨夜も徹夜していたそうです。






徳川治樹「署長は眠ってるのか?」
大下薫「はい、昨夜も遅くまで仕事していましたから」
大岡忠利「仕事熱心ですね」
大下勇次「頑張りすぎですよ」





と勇次が言いました。
そこへ原田や藤村たちがゾロゾロと出勤して来ました。






藤村亮「タァース」




本城はコーヒーを飲んでいます。
原田は自分の席に着くと小説を読み始めました。
そこへ順子が近づいて・・・
青木順子「実、それ昨日発売した小説だよね」
原田実「ええ、待ったかいがありました」





原田は嬉しそうに答えた。
恋愛小説が好きで愛読している





村木拓「お前本当好きだね」
原田実「好きだよぉ」





読みながら答える実。
そこへ桐原が慌てた様子でやって来ました。






桐原早希「大岡さん大変です、資料室の棚が倒れていて資料が混ざってしまっているんです」
大岡忠利「何で倒れたんだ?」
南旬一「昨夜地震があったでしょう、それで倒れたんだと思います」






大岡と桐原たちは資料室で入って行きました。
木葉や十文字、吉井らも駆けつけました。






吉井浩一「こりゃすごいな!」
十文字隼人「まずはこれを起こさないと…」
木葉聡「よしセーノで持ち上げよう」





五人は力を合わせて棚を持ち上げようとしました。が、重くて持ち上がりません。





南旬一「ビクともしませんね」






そこへ徳川吉之・風間・村木・大下・鷹山・本城・藤村も手伝いに来ました。
港署はリフォームしたので資料室もかなり広くなっています。





風間明「みんなで持ち上げてみよう」
藤村亮「そうっすね」
みんな『セーノ!』






男たちは力を合わせてもう一度棚を持ち上げました。





木葉聡「いいぞ、もう少しだ」






何とかすべての棚を元に戻すことが出来ました。
しかし資料は混ざっていてメチャメチャ状態です。





大下勇次「あ~あこりゃ整理するの大変だぞ」
大岡忠利「やるしかない、手伝ってくれ」
徳川吉之「よし手分けして、まずは資料を集めよう」






大下や吉井たちは散らばった資料を集めました。






風間明「大岡さん混ざってしまっていますが順番は分かりますか?」
大岡忠利「ふむ、俺も署長といつも資料室にいるが全部は覚えてないんだ」
木葉聡「我々も半分くらいなら分かるのですが」





大岡も木葉たちも俯いてしまいました。





大岡忠利「署長ならすべて記憶されていると思います」
大下勇次「あいつまだ眠ってるからなぁ」





その頃、ソファーで眠っていた真琴が目覚めました。






大下真琴「ふぁ~よく寝た」
宮本謙「署長、いいとこに起きました、すぐ資料室へ行って下さい」
大下真琴「・・・?」





真琴が資料へ入るとみんな難しい顔をして振り向きました。






大下真琴「どったの?」
大岡忠利「署長いいところに来てくれました、昨夜の地震で棚が倒れて資料が混ざってしまってるんです」
大下真琴「あらま、すげぇな」
藤村亮「とりあえず散らばったのをかき集めたんですが順番が分からなくて」
大下真琴「それなら俺に任せてくれすべてここに入ってっから」






真琴は人指し指で頭を指しながら言いました。
真琴の抜群の記憶力のおかげですべての資料を元通りに揃えることが出来ました。
揃えた資料をもとの位置に並べていきます。






大岡忠利「さすが署長助かります」
大下真琴「あ、父さんそれは左右の順番が逆だ」
大下勇次「あっOKこうね、よし」
倉田園子「一時はどうなるかと思ったわ」





資料室の整理を終えて戻って来ました。






徳川吉之「真琴のおかげで助かったよ」
大下真琴「一応全部記憶していますから」
藤村亮「すげぇ全部!」






原田は席に戻るとまた小説の続きを読み始めました。





里菜「パーパ、ハルちゃん」
徳川吉之「里菜、家吉も準備の方は済んだのか?」
家吉「うん、あとは空港で切符を買いに行くだけ」
里菜「バ~カ電車乗るんじゃないんだから、航空チケットっていうのよ」
家吉「そうなの? 知らなかった」






家吉は頭をかいて笑いました。





大下真琴「お前たち本当に行くのか?」
里菜「真琴も来る?」
大下真琴「俺は行けない」




里菜に聞かれ真琴は少し寂しそうに言いました。






里菜「ごめん」
大下真琴「謝る必要はない、強くなって帰って来るのを楽しみにしてるよ」
家吉「うん、真琴も頑張れよ」
大下真琴「向こうではお前が里菜を守ってやるんだぞ」






真琴に言われ家吉はうなずきました。
香港へは一週間後に旅立ちます。
吉之は二人を家まで送りました。
署に戻ると吉之が話してくれました。






徳川吉之「驚いたよ、里菜がジャッキーチェンに弟子入りしたいと言い出した時は」
徳川治樹「俺も聞いてびっくりした」
徳川吉之「それからは片っ端から国際電話かけまくったよ」
芝夏美「それで弟子入りの方は?」
徳川吉之「ああ、『香港に来る時は連絡を下さい』と言って下さった」
徳川治樹「菜美ちゃんが英語ペラペラなんだ」
里菜「レディースになる前は優等生だったらしいよ」





と言う里菜にみんな驚いた顔でうなずきました。






大下勇次「でもチーマーのリーダーは頭いい奴がなるんだよ」
町田透「へぇ~じゃバカじゃなれないんですね」





と透が言うとタカたちは透を見ました。






町田透「えっ何ですか?」
大下真琴「トロイ動物もダメ」
大下勇次「ナイス!」
町田透「ナイスって先輩~」





真琴にスバリ言われてヘコむ透の図。
徳川はカバンを持って立ち上がった。






徳川吉之「それじゃ空港へチケットを取りに行こうか」
家吉「はい、では皆様失礼します」
大下真琴「強くなって帰って来いよ」
里菜「そのつもり、じゃあね」





里菜と家吉は父・吉之と出て行きました。
その日の夜に吉之はジャッキーチェンの付き人に連絡を取った。
そして付き人経由でジャッキーチェン本人とも
コンタクトが採れたのだった。
それからトントン拍子に事が運び一週間後に香港へ立つことになったのです。
一方港署では・・・






大下真琴「パトロン行くけど付き合ってくれる人」
本城慎太郎「行く行く車出すよ」
大下勇次「俺たちも行く」






大下・鷹山・本城・そして真琴はパトロールに行きました。
透たちも関内へパトロールに出ました。





本城慎太郎「真琴、デスクワークもいいけどたまには外に出るのもいいだろう?」
大下真琴「そうだね、体が鈍っているから思いっきり暴れたい気分」





指を鳴らしながら真琴が言いました。





本城慎太郎「いいじゃない」
河野良美『港署より港305応答して下さい』
大下真琴「はい港305大下です、どうぞ」
河野良美『日の出倉庫でヤクザ同士が銃撃戦をしているとゆう通報がありました、向かって下さい』
大下真琴「了解、大下たちと向かいます」





大下たちは現場に向かいました。





本城慎太郎「応援呼ぼうか?」
大下真琴「四人で充分だ、トシくんいいよね?」
鷹山敏樹『ああ、最強のお前がいるからね』






現場に着くとヤクザが三・四人拳銃を持って出て来ました。
大下と本城は車を止めました。





大下勇次「いたいた、あいつらだ」





真琴たちは拳銃を抜いて覆面パトカーを降りました。
タカと真琴が先にヤクザたちに接近しました。
すると真琴がヤクザたちに声をかけた。





大下真琴「そこのバカ共」
鷹山敏樹「銃を捨てて両手を上げろ」






そこへ大下と本城も駆けつけました。





本城慎太郎「あ~おはずかしぃったらありゃしない」
ヤクザA「あいつは!」





ヤクザの幹部たちは大下を見てたじろいだ。





大下真琴「今すぐ消えればよし、出迎えるというなら覚悟することだ」





鷹山と大下はもう拳銃を向けています。





大下真琴「さぁ、どうする?」






ちなみに真琴はメガホンを持って話しています。
すると幹部たちは顔を見合せて発砲して来ました。





大下勇次「お前の脅しは効かなかったみたいね」
大下真琴「上等だよ全員ムショにぶち込んだる💢」
鷹山敏樹「賛成、ねっ本城さん」
本城慎太郎「ああ、俺たちの恐さを思い知らせてやろうぜ」





大下たちも拳銃を抜いて応戦しました。
銃声が鳴り響きます。
それから3・40分が経ちました。






大下勇次「静かになったな」
本城慎太郎「よし片っぱしから輪っぱかけて連行するよ」






大下たちは幹部や手下たちに手錠をかけて行きました。
真琴は署に連絡して応援を呼びました。
すぐに原田たちが到着しました。






原田実「署長、里菜さんが真琴によろしくと言っていました」
大下真琴「そう、ありがとう」





里菜と家吉は空手の稽古に行っていました。
先生や師範たちにもあいさつしました。






芝夏美「遠距離恋愛か進二くんと里菜さん」
大岡忠利「でも二人の気持ちが通じ合っていれば距離なんて関係ない」
原田実「そうですよね~羨ましいなぁ」





と、原田が言いました。
しかし村木に・・・






村木拓「実にはあのロック歌手の子がいるじゃん」
吉本和彦「そうですよ、まだ続いてるんでしょ?」
青木順子「何それ初耳なんだけど」





順子まで加わって来ました。
すると夏美が順子に説明しました。





芝夏美「順子さん、実はね・・・」
原田実「あっ!夏美」
青木順子「え~マジ?実~大人になったね」
原田実「順子さんまで・・・」





署に戻ってもま~だみんなで原田をからかっていました。





原田実「そんなんじゃないですって」
大下勇次「あいつマジメそうに見えるけどやることはやってるんだ」
鷹山敏樹「どっかのトロイ動物とは大違いだ」
町田透「あのね~」





すると真琴が実の手を握って言った。






大下真琴「実、その人のこと大事にするんだよ」
武田英彦「そうだぞ、原田」
原田実「武さん、署長まで」
大下真琴「いいや、どんな関係であったとしても大切にしなきゃ」
原田実「はい」






宮本課長はクスッと笑った。
真琴は席に着いて報告書を書きました。
そこへ徳川兄弟が帰って来ました。






徳川吉之「ただいま」
近藤卓造「お帰りなさい、無事に行きましたか?」
徳川吉之「はい、しかし一週間あっとゆう間に来てしまって」
徳川治樹「うん早かったな」
徳川吉之「真琴、二人からの伝言だ『私たちも頑張るから真琴もしっかりと横浜を守れよ』だとさ」
大下真琴「フッ、なまいき言いやがって」






真琴は鼻で笑いながら報告書を書き続けていました。





大下薫「あれはうれしいんですよ」
徳川吉之「ああ、そう見える」





進二はペンダントを見つめていました。
結局保護者として誰も付いて行かなかったのです。






ジャッキー『僕に任せて下さい、責任を持ってお預かりします』





と吉之に約束したからです。
徳川たちが里菜と家吉を成田まで送ると
ジャッキー・チェーンとユン•ピョウが迎えに来ていてくれたのです。
ジャッキーとは日本語で話が出来てまとまったのです。





里菜「じゃパパ、伯父さんと進二にもよろしく」
徳川吉之「分かったよ、しっかりやって来い、ジャッキーさんユンさん子供たちのことをよろしくお願いします」
ジャッキーチェン「ハイ、レッツ・ゴー」





こうして里菜と家吉は香港へ旅立ったのでした。






大下真琴「里菜・家吉」






真琴は二人の名前を呟いて空を見上げました。
報告書を二枚ずつ書いて治樹と届けに行きました。






徳川治樹「お疲れ様、里菜たちも行った頃だな」
大下真琴「そうだね、ちょっと寄り道していいかな?」
徳川治樹「いいけど、どこへ行くんだ?」
大下真琴「時代屋」





二人は時代屋とゆういろんな武器やグッズが売っている店に行きました。
真琴が買った物は、小柄・苦無・テグスをごっそりと買ったのでした。
それと薬草園でヒハツをもらい硝酸ナトリウム(KNO3)と火薬をもらって署に帰って来ました。






徳川治樹「小柄80本・ヒハツに苦無50本・ロケットランチャーか」
大下真琴「テグスもあるよ6個買った」
吉井浩一「全部でいくら?」
大下真琴「税込みで28000円」





と、真琴がピースしながら答えました。
それから自分の席に着いて報告書を書き始めました。
大下がその様子を見つめています。





宮本謙「それじゃお先に」
大下真琴「お疲れ様です」






大岡は捜査資料に目を通していました。






大月半蔵「大岡さんは帰らないのですか?」
大岡忠利「ああ、もう少し仕事してから帰るつもりだ」





勇次はコーヒーを淹れてます。
真琴にもミルクココアを入れてくれました。





大下勇次「お子様はこれだ」
大下真琴「どうも」





勇次は自分の椅子に座って真琴の席まで移動して来ました。






鷹山敏樹「勇次、署長の邪魔をするなよ」
大下勇次「いいじゃない」
徳川治樹「もしもしカナタン?ハルタンですよ」




治樹の声の変わりようにみんなズッコケました。





大下真琴「てめぇ、人が字を書いてるとこに気の抜けるような声でしゃべんじゃねぇよ!」
徳川治樹「こりゃ失礼、もう少し経ったら帰りまちゅよ」
大下真琴「ハルちゃん、勘弁してくれよ」






真琴は片手で鉛筆を折りました。




徳川吉之「治樹、私用電話は短めにな」
徳川治樹「分かってる、それじゃね」
大下真琴「お惚けさん・・・終わった?」
徳川治樹「うん❤️」





言葉の後ろにハートマークが見えた気がした一同だった。





田中文男「それじゃ我々も失礼します」
大下真琴「お疲れ様でした」






真琴は治樹と報告書を提出しに行きました。






緒方雄一「ご苦労様、明日からもまた頑張って下さい」
大下真琴「はい任せて下さい」
緒方雄一「好きにやっていいからね」
大下真琴「はい、では失礼します」






大原警視長と浅見刑事局長のところにも報告書を提出して帰って来ました。
署に戻ると真琴と治樹も帰る準備をしました。





大下勇次「真琴、帰ろう」
大下真琴「うん、待ってて」





他の刑事たちもぞろぞろと帰って行きました。
真琴の顔がようやく穏やかな子供の顔に戻りました。



つづく。

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