2012年12月17日月曜日

スーパーあぶない刑事9話



    『暗殺騒動』



署に戻ると、みんなは真琴の様子を気にしていた。




木葉聡「署長は一体どうしたんでしょう?」
藤村亮「署長向こうで何かあったんでしょ、話して下さい」





真琴は寄り合いから帰って来てから様子がおかしいのである。
真琴はグッと拳を握りしめジッと黙っていた。






大下勇次「治樹さんや課長たちを守ったんだよな、そこで治樹さんを狙う黒幕の正体が分かった」





代わりに勇次が説明した。





武田英彦「黒幕の正体? 一体どうゆうことなんだ?大下」
鷹山敏樹「つまり刺客に襲われた時、そいつらを動かしていた男の正体が分かったんですよ」
近藤卓造「誰だ、それは?」
徳川治樹「衆議院の室田匂輔だ」
徳川吉之「何!本当か?」
大下真琴「無論、室田は老中室田丹波守の十代目頭首、奴は治樹の暗殺を企てたんだ」
大岡忠利「あの男ならやりかねないでしょうね」





みんなも集まって真琴たちの話を聞いた。




徳川治樹「署長は命がけで俺や大原警視長たちを守ってくれたんです」
海堂進二「俺たちも着いて行けばよかったな」
木葉聡「よく分かりました我々も全力で旦那様たちを守りします」
風間明「守るのは、徳川さんたちだけじゃない、室田は里菜さんたちのことも狙っている筈だ」
海堂進二「お嬢さんたちがあぶない」





進二に続いて吉之、治樹、真琴が飛び出して行きました。





宮本謙「全員で向かってくれ」
みんな『オイッス!』




本城たちも後を追いかけました。
車を急がせ里菜と家吉の元へ急行しました。





徳川吉之「里菜、家吉!」
菜美「あら早かったのね」
徳川吉之「菜美、二人はまだ学校か?」
菜美「ええ、もう帰る頃だと思うけど」





すると外で里菜の声が聴こえて来ました。





徳川里菜「ちょっとパトカーが邪魔で入れないじゃない!」
徳川治樹「里菜、家吉無事だったか」
家吉「一体どうしたの?」
里菜「ちょっと車どかしてよ、ランドセルが挟まって動けないじゃん!」





それは大下の覆面パトカーだった。





大下勇次「ごめん、ごめん、すぐ移動するから」





大下はパトカーを前に出した。




里菜「あ~苦しかった。ただいま」
菜美「お帰りなさい、早速だけどパパ達の話聞いてくれる」
里菜「いいけど」





まずは吉之が話した。





徳川吉之「この間、真琴と治樹が寄り合いに行ったろ、その時事件が起きた」






家吉「あぁ俺が応援に出た時の覚えているよ」
徳川吉之「その犯人を逮捕した時。小者は全員捕まえたが、ボスはまだ捕まえていない」
里菜「ボスに逃げられたの? 誰なのボスって?」






里菜は真琴を見た。





大下真琴「分かった、署に来てくれちゃんと説明するから」
里菜「いいわよ」





大下たちは里菜と家吉と菜美を乗せて署に連れて来ました。





近藤卓造「これはこれは、わざわざすいません」
菜美「いいえ、何か大きな事件ですか?」
宮本謙「はい、それであなた方が狙われる可能性があるので保護しようということで」





すると真琴が資料を揃えて大岡と来ました。
真琴は室田の写真を見せた。





里菜「これって」
田中文男「知ってるのかい?」
里菜「政治家の室田でしょ、テレビでよくド派手な演説してるじゃない」
菜美「そうね、ひょっとしてこの人が黒幕とか・・・?」
大岡忠利「我々はそう思ってます」
里菜「確か室田は衆議院だったよね?」
本城慎太郎「よく知ってるね、偉い、それでこいつの正体をオジさんたちは知りたいんだ」
里菜「それで私たちの協力がいるんですね」





みんなは深くうなずいた。





吉井浩一「それで署長、これからどうします?」




真琴は考えていた。




本城慎太郎「お前に策がねぇなら本城流でやらせてもらおうか」
大下真琴「待て、大下流でやる。囮捜査だ」
大下勇次「あぶねぇあぶねぇ」





そして囮になるのは・・・





家吉「マジかよ~」
里菜「文句言わないの、子供の方が奴らも油断するでしょ」




里菜に背中を叩かれやる気が出た家吉。




家吉「痛って!しゃーねぇな、やるか」
里菜「そう来なくちゃ」
大下真琴「それじゃこれ持って行け」





真琴は二人に手紙を持たせた。
二人は手紙を持って室田の事務所へ入って行きました。
でもしっかり陰で進二たちが見守ってくれている





鷹山敏樹「引っ掛かってくれるといいな」
本城慎太郎「少なくとも何かしら反応がある筈だ」





本城たちは事務所の外で見張っている
里菜と家吉は手紙を持って事務所に入って行きました。





里菜「こんにちは、あのうおじちゃんに手紙を預かって来ました」
室田「私に手紙? お嬢ちゃんこれを誰から預かったんだい?」
家吉「俺たちのパパからだよ。室田さんでしょ読めば分かるってさ」
助手A「君たち双子か? どっかで見たことある顔だな」





室田は封を開け手紙を読んだ。





室田「うっ、お前たちこれ誰から渡された?」
家吉「だからパパからって言ったじゃん、その中に書いてあることって真実なんですか?」
助手「それを聞いてどうする?」





男たちが動き始めた。





里菜「パパにオジサンたちが悪いことをしているって伝えとくよ」
室田「フフフ、君たちここから生きて帰れると思うな」
家吉「帰る? あんたらをこのままにして帰る訳ないじゃん」






室田が合図すると助手たちがナイフを抜いた。
それを見て家吉と里菜も警棒を抜いた
そこへ二人の前に進二たちが下りて来た。





倉田園子「お二人とも、よくやってくれました」
木葉聡「皐月、合図を」





皐月はうなずいてロケット花火を挙げた。





“ピューパンパン!”





合図の花火が上がった。





徳川吉之「合図だ」
大下真琴「よし行こう」





鷹山を先頭にみんな急いで駆け付けた。




吉田春彦「木葉さんたちも一緒です」
大岡忠利「踏み込みますよ」




真琴がうなずくと大岡がドアを蹴破りました。




本城慎太郎「あ~おはずかしぃったらありゃしない手紙と子供のカマかけに引っ掛かるなんてさ」
原田実「子供のカマ掛けなんかに乗るかね? やましいことを抱えている証拠だな」
徳川治樹「自分たちでボロを出してくれちゃって、おかげで助かったよ」
大下真琴「こんなに上手く行くとは思わなかったぜ、逃げようとしても無駄だ、お前たちは完全に包囲されている」




“パチン⚡️”と真琴が指を鳴らすと・・・
藤村たちが顔を出しました。





里菜「みんな~」
村木拓「里菜さん家吉さん、逞しかったですよ」
家吉「村木さん」
藤村亮「さて、署長そろそろ仕上げと行きますか」
大下真琴「おう! 張り切ってやってみよう」





里菜と家吉は刀を抜いた。





徳川治樹「吉之・署長」
徳川吉之「よし」
大下真琴「thank you」






三人は同時に刀を抜いて峰にした。
そして雑魚たちも日本刀を持ってゾロゾロと出て来ました。
真琴・治樹・吉之は刀を構えた。
チャンバラが始まった。
途中から忠利と進二たちも加わりました。
勿論、里菜と家吉も刀で立ち回りをしています。
それを見て室田は慌て始めた。
手下たちを押し退け逃げようとしている。






大下勇次「どこへ行くのかな? 室田さん」
大月半蔵「貴様にはこいつの方がお似合いだ」





半蔵が手錠を取り出して室田にかけた。





鷹山敏樹「大月さんは行かないんですか?」
大下勇次「進二たちもいますよ」
大月半蔵「この男を頼む」





と言って半蔵も刀を持って加勢に行きました。





大下真琴「おっと」
徳川治樹「大丈夫か?」
大下真琴「うん」
徳川治樹「吉之・忠利、里菜と家吉を頼む」
吉之「あぁ、こっちは任せろ」





治樹は真琴の加勢に行った。
進二と香苗も気づいて助けに来ました。





剣がぶつかり合う音。





徳川治樹「お待たせ!」
大下真琴「もう一人で心細かったぞ」
海堂進二「すいません、お嬢さんたちの所にいたので」
松田香苗「あと少しです、頑張りましょう」
大下真琴「OK、進二と香苗はそっちを頼む、行くぞ、相棒」
徳川治樹「ガッテン!」





真琴と治樹は出入り口から逃げようとしている室田を追いかけた。
室田は数人の手下たちと逃げだそうとしていた。
大下と鷹山も気づいて追いかけました。
真琴は煙硝弾を室田の行く手に投げた。





“ドッカァ~ン💥”





室田「うおっ!」
大下勇次「どこへ行くのかな? 室田さん」
徳川治樹「お前にはこいつの方がお似合いだ」




と言って治樹は手錠を手にした
里菜と家吉も来ました。
室田が腰から拳銃を抜いたのを見て
真琴が発砲した。





“バン💥”





大下真琴「里菜・家吉許すお前たちが掛けろ」





そう言うと真琴は家吉に自分の手錠を渡した。





徳川治樹「いいのか?」
大下真琴「ああ、粋な計らいだろう」
徳川治樹「まぁ最高責任者のお前が許可するなら問題ないか」
大下真琴「フッ」





里菜と家吉は息の合った動きで室田を翻弄し、
里菜の峰打ちで怯んだスキに家吉が手錠をかけました。






大下真琴「よくやった」





と、真琴は二人を褒めた。






里菜「ありがとう」
大下真琴「いいえ、二人ともよく頑張ったな」
徳川治樹「二人とも腕を上げたな」
家吉「まぁね」
本城慎太郎「はい、撤収」





本城の号令で室田と手下たちを連行して行きました。





鷹山敏樹「先に行ってます」
徳川吉之「ああ、里菜、家吉帰るぞ」
里菜&家吉『は~い』






署に戻りました。
そして真琴は忠利と報告書を書いて県警と警視庁へ届けに行きました。





緒方雄一「ご苦労様、今回も君らしいやり方だったね」
大下真琴「それは褒め言葉ですか?」
緒方雄一「勿論、おかげで室田一味を起訴できる」
大下真琴「あ、そうだ起訴に値する証拠品と報告書です」
緒方雄一「これは・・・助かるよ、地検に回しておこう」
大下真琴「お願いします」







その数日後。
真琴が大岡忠利と書いた二つの捜査報告書のおかげで室田一味には終身刑が下された。
そして里菜たちには真琴から感謝状が渡された。






里菜「いいの?」
大下真琴「ああ、ご協力ありがとうございました」
近藤卓造「本当にありがとう」
家吉「感謝状なんか初めてだよ」






本城たちは拍手しています。





大下薫「やったね、イエーイ!」




つづく。

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