2023年11月5日日曜日

スーパーあぶない刑事55話

 

   『転校生・揺れる女心』

 

 

真琴・里菜・家吉が通っている横浜中学校に転校生が来ました。

 

 

 

担任教師(男性)「今日は転校生が来ています紹介しよう入って来なさい」

 

 

 

教室の扉が開くと一人の男子生徒が入って来ました。

ちなみにこの中学校は私服の学校です。

  


 

担任「新学期からこのクラスに仲間入りする石井くんだあいさつして」

石井裕大「石井裕大です千葉から来ましたよろしく」

女子たち『イケメン!かっこいい』

担任教師「コラコラ~静かにそれじゃ徳川里菜の隣が空いているからその席を使いなさい徳川、彼にいろいろ教えてやってくれな」

里菜「アイヨー」

 

 

 

ぶっきらぼうに返事をする里菜。

石井は里菜の隣の席に着くと鞄を置いて座りました。

 


 

石井裕大「よろしくな」

里菜「ああ」

石井裕大「名前教えてくれる?」

里菜「徳川里菜あっちが兄の家吉」

石井裕大「双子なんだよく似ているね」

里菜「一卵性双生児だからな」

石井裕大「なるほど」

 

 

 

チャイムが鳴って1時間目の授業が終わると里菜が席を立った。

 

 

 

里菜「兄貴石井君に校舎を案内してあげて」

家吉「先生に頼まれたのは里菜じゃん」

里菜「めんどくせぇから兄貴にタッチ」

家吉「はぁ~?おい!そりゃないよぉ」

 

 

 

すると里菜はさっさと教室を出て行ってしまいました。

 

 

 

真里「里菜転校生なんて初めてだよな?」

里菜「ああそうだな」

由佳吏「真琴くんにも教えてあげないとね」

千絵「なら港署に彼を連れてっちゃえばいいじゃん」

美佳「あっそれいい!でも彼きっと驚くでしょうね真琴君に会ったら」

愛美「顔がソックリだから三つ子?!とかってね」

里菜「フッ」

 

 

 

 

里菜は鼻で笑った。

一方里菜に校内の案内を押し付けられた家吉は石井と歩いていた。

 

 


 

家吉「ここが放送室そっちが理科室でその向かいがパソコンルーム」

石井裕大「家吉くん」

家吉「呼び捨てでいいよなに?」

石井裕大「先生から聞いたけど大下真琴ってどんな奴?」

家吉「幽霊生徒なんだ」

石井裕大「ハァ?どういうこと?」

家吉「会えば全部分かるさ」

 

 


 

?マークだらけの様子の裕大だった。

教室に戻って来ると里菜と目が合った。

 


 

 

裕大「なぁお前の妹っていつもあんな風なの?」

家吉「あんな風って言うと?」

裕大「機嫌悪そうなツラしてるじゃん」

家吉「クールというかドライというかまぁね」

裕大「からかったら面白そうだな」

家吉「辞めといた方がいいよ俺と里菜カンフー習ったことがあるから俺より強いよあいつ」

裕大「へぇ~そうなんだカンフーって誰に習ったの?」

家吉「それも真琴に会ってから話すよ」

裕大「ふ~ん」

 

 

 

 

言って裕大は里菜の方を見た。

目が合うとヒラヒラと手を振るのだった

 

 

 

 

里菜「なんだあいつ変な奴」

 

 

 

すると石井は席に戻って来た。

 

 

 

裕太「なぁ大下真琴ってどんな奴?」

里菜「会えば分かる」

裕大「さすが双子!同じ答え」

里菜「なら聞くなよ後で会わせるからさ」

裕大「なにか怒ってる?」

美佳「里菜はいつもこんな感じだから」

愛美「ちょっと人見知りする子なの気にしないで」

裕大「へぇ~なるほどね」

 

 

 

 

美佳と愛美がフォローした。

お昼は給食を食べました。班ごとに机をつけて食べます。

 

 

 

由佳吏「昨日の木曜の怪談見た?」

里菜「もちろん新ドラマ始まったよね」

千絵「私も見たあの四人チャイドルって呼ばれているらしいよ」

美佳「チャイドル?」

敦子「チルドレンとアイドルを合体させた呼び方らしいわよ」

里菜「へぇ~そうなんだ」

 

 

 

 

友達と笑顔でしゃっべっている里菜を見つめている裕大それを里菜と

一番仲が良い中原和彦見ていた。

 

 

 

 

和彦「なぁ里菜今日も港署に寄るのか?」

里菜「うん真琴にあいつを紹介しようと思って次いつ学校来るか分かんねぇし」

和彦「俺も一緒に行っていいか?」

里菜「いいけど」

由佳吏「私も行く」

里菜「うん」

裕大「真琴って大下真琴に会わせてくれるの?」

里菜「だからそう言ってんじゃんしょうがねぇから連れてってやるよ」

裕大「ふ~ん」

里菜「なに?」

裕大「フッけっこうかわいいじゃん」

里菜「鼻で笑っといてかわいいって言われても説得力ねぇんだよ」

裕太「かわいいからつい笑っちゃったんじゃんそんなに怒るなよ」

 

 

 

 

声色を変えて言う裕大だったが里菜はドン引きした様子で睨んでいる。

 

 

 

 

里菜「和彦、席変わってくれよぉ」

中原和彦「いやぁだよ先生に面倒みろって言われたのはお前なんだから」

里菜「冗談じゃねぇよ」

家吉「早速、校内を案内してあげなよ」

里菜「はぁ!他人事だと思っててめえ💢家吉!

家吉「暴力反対、ホラ」

里菜「まだホームルーム終わってねぇし、すぐ午後の授業始まるから」

石井裕大「放課後でいいよ」

中原和彦「だってさ、里菜ガンバレ!

家吉「二人っきりで行って来な」

里菜「二人は一緒に来ないの?

 

 

 

 

不満げな顔で聞く里菜に対し家吉と中原は笑顔で答えた。

 

 

 

 

家吉&和彦『里菜に任せる』

里菜「マジで殴っていい?二人とも後で覚えとけよ💢

 

 

 

 

5時間目の授業が終わってから校内を案内することになった。

チャイムが鳴ると・・・

 

 

 

歴史講師「では今日はここまで」

日直「起立!礼」

生徒たち『ありがとうございました』

石井裕大「それじゃ行こうぜ」

 

 

 

 

、言って裕大は里菜の手を取ると引っ張って教室を出て行きました。

 

 

 

 

里菜「えっ!ちょっと待ってあ~れ~」

家吉&和彦『行ってらっしゃい』

 

 

 

 

千絵たちも手を振って見送った。

理科室・美術室・音楽室・体育館と案内しました。

 

 

 

 

里菜「ざっとこんなところかな」

石井裕大「プールはないの?

里菜「屋上にあるとけど」

石井裕大「行きたい」

里菜「この時間は屋上の鍵閉まっているから入れないよ」

石井裕大「そうなんだ残念」

里菜「焦らなくても授業で入れるよ」

 

 

 

 

季節は5月ですから来月からプール開きです。

 

 

 

石井裕大「徳川って彼氏いる?

里菜「いるよ、年上だけど徳川家に代々から仕えているお庭番の子孫なんだ」

石井裕大「すげぇ!会ってみたい」

里菜「港署にいるよ、真琴の部下だから」

石井裕大「真琴ってどんな奴?性格とか」

里菜「ふつうの時は穏やかで口数が少ない子だけど刑事の時は逞しくてかっこいいよ」

石井裕大「性格は?明るいとか・・・」

里菜「クールな奴でいつも冷静に物事を考えてて、でも涙もろいところもあるんだよね」

石井裕大「ふ~ん早く会いたいな」

里菜「学校が終わってから署に連れて行くから」

石井裕大「楽しみにしてる」

 

 

 

今度は里菜が裕大に質問した。

 

 

 

里菜「石井は彼女いるの?

石井裕大「千葉の前の学校に通っている時に付き合って子がいたけど、転校する前の日に別れた」

里菜「そうなんだ」

石井裕大「質問はそれだけ?

里菜「ああ」

石井裕大「なぁ、何で俺の目を見ないの?

里菜「並んで歩いているんだから当然だろう」

石井裕大「止まれ、俺の方を見ろ」

里菜「私にはフィアンセがいる従ってあんたに惚れるなんてことはできん」

石井裕大「俺に惚れたの?別れて来たから今はフリーだよ」

里菜「はぁ、お前なぁちょっとイケメンだからって自惚れてんじゃねぇよ💢

石井裕大「なんだ勘違いか」

里菜「ああ、そうだよ、べェ~😜

 

 

 

ひと通り案内を終えて教室に戻って来た。

里菜が教室のドアを思いっきり開けて

不機嫌そうに入って来た。

 

 

 

家吉「おっ、お疲れ」

中原和彦「おい、里菜どうした大丈夫か?

里菜「うん、大丈夫」

 


 

 

彼の名前は中原和彦、真琴と家吉と里菜のクラスメイトで三人の親友である。

そして放課後、徳川家吉・里菜・中原和彦は石井裕大を港署に連れて行きました。

その頃、大下真琴はカフェオレを飲みながら捜査資料に目を通していた。

 

 

 

 

村木拓「署長、少しは休んだらどうですか?

大下真琴「うん、もう目がショボショボして・・・目薬さそうっと」

 

 


 

と、言って机の引き出しから目薬を出してさしました。

 

 

 

大下真琴「あ~効く~」

大岡忠利「続きやりますか?

大下真琴「はい、やります」

 

 

 

 

そこへ里菜と家吉が入って来ました。

 

 

 

里菜「こんにちは、真琴いますか?

大下真琴「おぅ、お前ら和彦久しぶりじゃん」

中原和彦「よぉ学校になかなか来ねぇから会いに来たんだよ」

大下真琴「あれ?一人増えている誰?

家吉「彼を兄貴に紹介するために来たんだよ、今日転校して来た石井君」

石井裕大「石井裕大です、よろしく、本当にソックリだな」

家吉「だろ、三つ子みたいってよく言われるんだ」

石井裕大「なんで学校に来ないの?

 

 


 

と、早速素朴な疑問を真琴にぶつける石井にその場の空気が凍り付いた。

 

 

 

 

大下真琴「俺は港署に就職しているの」

石井裕大「なんで?何があった?

中原和彦「地雷踏みまくりじゃねぇか!

大下真琴「和彦いいよ、場所を変えようかついて来て」

 

 

 

 

真琴は石井と資料室に入って行きました。

扉を開けて電気を点けた。

 

 

 

 

大下真琴「とうぞ、取調室よりかはここがいいだろう、そこ座って」

石井裕大「ああ」

 

 

 

 

テーブルを挟んで向き合って座りました。

石井は先ほどの疑問をぶつけた。

 

 

 

 

石井裕大「警察署に就職っていつから?

大下真琴「4才の頃から幼稚園で毎日いじめに遭ってキレた母と父が俺をここに連れて来たのが始まりだ」

石井裕大「辛い想いをしたんだな」

 大下真琴「まぁ、それなりにね」

 

 

 

里菜たちは・・・

 

 

 

中原和彦「今頃、真琴は石井の質問責めに遭ってるんだろうな」

家吉「彼、かなり気になっていたみたいだからね」

里菜「真琴、大丈夫かなぁ」

 

 

 

 

そして

 

 

 

大下真琴「松本前本部長が俺をデカにしてくれたんだ、とっても優しい人だったよ」

石井裕大「そうか、いい大人にめぐり逢えたんだな」

大下真琴「ああ感謝している」

石井裕大「もう一つ聞いていいか?徳川里菜のフィアンセってここにいる?

大下真琴「えっ!あ~いるけど」

石井裕大「会わせてくれねぇか?

大下真琴「構わないけど」

 

 

 

 

二人は資料室から戻って来た。

 

 

 

大下真琴「進二、ちょっと来て」

海堂進二「はい、なんですか?

里菜「ちょっと待って進二になんの用?

大下真琴「彼に会わせるんだ丁度いいだろう」

里菜「はぁ!勝手なことすんなよ💢

大下真琴「そのために来たんじゃねぇの?

里菜「おめえに会わせるために連れて来たんだよ!

大下真琴「えっなんで怒ってんの?

里菜「怒っていません💢チッ好きにしな」

 

 

 

 

里菜はそっぽを向いて腕組みをした。

かなり機嫌悪そうである。

 

 

 

 

海堂進二「海堂進二です、徳川家に仕える忍びの一人です、里菜様とは一応婚約しています」

石井裕大「ごっこじゃねぇんだ」

里菜「はぁ💢ケンカ売ってんの!?

海堂進二「お嬢さん落ちついて、私は里菜様を子ども扱いしたことは一度もありません、一人の女性として付き合って来たつもりです」

石井裕大「『真剣な目をしている本気のようだな』そうかじゃ、もしも里菜にあんた以外に好きな人ができたらどうする?

海堂進二「その時は里菜様と話し合って決めます」

石井裕大「フッ分かった、あんたいい人だな、安心したよ」

海堂進二「御眼鏡にかなって何よりです」

石井裕大「失礼なことを言ってすいませんでした、今日は帰ります」

海堂進二「分かりました」

 

 

 

進二の大人の対応に満足した様子の石井は帰ることにしました。

 

 

 

 

石井裕大「じゃ明日学校でな」

徳川家吉「ああ、じゃあな」

 

 

 

 

里菜はなぜ石井がこんな行動を取ったのか分からずにいた。

そして中原和彦も心を決めたような顔つきです。

 

 

 

中原和彦「俺も負けてらんねぇな」

大下真琴「えっ和彦どうしたの?

中原和彦「海堂さん里菜のことは俺が守ります、石井が里菜に本気になったら俺があいつと勝負します」

海堂進二「もしかして中原くんもお嬢さんのことを?

中原和彦「はい、ずっと好きでした」

大下真琴「はぁ!和彦それマジで言ってるのか?

中原和彦「冗談でこんなこと言えるかよ」

大下真琴「悪かったビックリしてつい」

中原和彦「だから簡単には渡さない」

里菜「よくもまぁ私がいる前でそんなセリフ言えたもんだ聴いてるこっちが恥ずかしいっての!

中原和彦「家吉と里菜は俺が家まで送りますから安心してください」

海堂進二「分かりました」

家吉「なんか急展開に変わりつつあるなぁ」

里菜「頭が混乱してついて行けん」

中原和彦「里菜、家吉行こうぜ」

家吉「ああ、ではお先に失礼します」

 

 

 

 

里菜も会釈をして出て行きました。

 

 

 

大岡忠利「徳川さん大変なことになりましたな」

徳川治樹「父親としてはその辺どうなの?

徳川吉之「どうもこうも彼らに任せるしかないだろう親が娘の恋路に口出しするわけにも行くまい」

大下真琴「それにしても石井の奴、何考えてんだろう?

 

 

 

 

真琴の言葉を聞いた副署長は真琴に言いました。

 

 

 

 

近藤卓造「署長、明日非番にしておきますね」

大下真琴「いやいや休めるわけがないじゃない」

近藤卓造「でも気になるんでしょう長兄として」

大下真琴「それはまぁ、いやでも」

徳川吉之「俺からも頼む、署長の目で見極めてほしい」

大下真琴「さっきは娘の恋路に口出ししないって言っていたじゃん」

徳川吉之「しないよ、ただの興味」

 


 

 

吉之の言葉にズッコケる真琴

そして腕組みをして目を閉じると・・・

 

 

 

 

大下真琴「分かった、やってやろうじゃないの」

風間明「事件が起きたら連絡しますから」

大下真琴「そうしてくれ」

 

 

 

 

真琴はため息をついた。

 

 

 

 

宮本謙「署長、何かあったらいつでも応援をよこしますから」

大下真琴「はい副署長・課長・武田さん留守をお願いします。

宮本謙「お任せ下さい」

 

 

 

 

次の日、真琴は学校に登校しました。

 

 

 

里菜「真琴、あんた学校なんか来てていいの?

大下真琴「非番だから来たの、転校生の様子も気になったし」

 

 


 

真琴は学校では大人しくしている、そして中原が近づいて来ました。

 

 


 

中原和彦「お前、署にいる時とは別人のようだな」

大下真琴「ここではふつうの中学生だ、いいな」

中原和彦「ああ、分かった」

 

 

 

 

そこへ石井も登校して来た。

 

 

 

石井裕大「おはよう、あれ?同じ顔が三人になってる」

大下真琴「非番になったんだ、今日はデカとしてではなく同級生として接してくれ」

石井裕大「こちらこそよろしくな」

 

 

 

 

里菜は友達としゃべっていた、内容は恋バナです。

 

 

 

 

美佳「ねぇ、里菜はあの中の誰が好きなの?

里菜「美佳ちゃん、私には進二がいるんだから」

由佳吏「でも、中原と石井くんが里菜の争奪戦を始めたみたいだよ」

里菜「はぁ!何それ初耳だぞ」

千絵「知らなかったの?

里菜「なんであの二人が?

真里「里菜のことが好きだからに決まってんじゃん」

愛美「モテモテじゃん里菜〜コノコノ~」

 

 

 

友人たちにモテはやされる里菜。

 

 

 

里菜「和彦が私のことを?

 

 

 

 

そこへ真琴が近づいて来ました。

 

 

 

 

大下真琴「里菜、誠意を持って応えろ」

里菜「真琴・・・わぁ〜った、よく考えてみる」

 

 

 

 

真琴は笑顔でうなずくと石井と中原に近づいた。

 


 

 

大下真琴「妹のこと真剣に考えてくれるならこれからも一つよろしく」

石井裕大「妹?血が繋がっているの?でも苗字が・・・まさか複雑な事情でもあるのか?

大下真琴「ねぇよ、家吉とも里菜とも血は繋がっていない偶然三つ子みたいに揃っちゃったんだよ」

石井裕大「マジかよ・・・!

大下真琴「ああ、本当だ、里菜も家吉も本当の兄妹のように思ってる」

 

 


 

村田由佳吏は真琴のことを見ていた。

 

 

 

 

中原和彦「別人だな、お前」

大下真琴「カズ君それは言わないで〜」

中原和彦「だってよぉギャップがあり過ぎだろう」

大下真琴「シーッお口チャック!

中原和彦「フッわぁ~ったよ」

 

 

 

 

それから真琴はふつうに授業を受けてお昼には給食を食べました。

その頃、港署では大下勇次たちが関内をパトロールしていた。

 


 

 

鷹山敏樹「真琴は友達と仲良くやれているかな?

大下勇次「タカ、父親みたいよ」

鷹山敏樹「お前は心配じゃないのかよ?

大下勇次「まぁ少しね、でも中原くんもいるし里菜ちゃんや家吉くんだって付いているから」

鷹山敏樹「そりゃそうだけどあの子、デカの時と全然違うからさ」

徳川治樹()「本当に父親みたいだな」

鷹山敏樹「だってあの子が産まれた時から知っているんだぜ」

萩原秋夫「長い付き合いなんだな」

鷹山敏樹「勇次とはもっと長いけどね」

 

 

 

 

鷹山たちはパトロールを終えると真琴を迎えに行きました。

学校は平穏に終わり真琴は大下の覆面パトカーに乗った

その頃下校途中の中原と石井が他校の不良に囲まれてしまった。

 

 

 

不良A「浜中の中原だよな、顔貸してくんない?

中原和彦「またかよ、ヤレヤレ」

不良B「そっちの人は?友達?

中原和彦「こいつは関係ねぇから手を出すな」

石井裕大「中原、こいつら何なの?

中原和彦「お前は知らない方がいい」

不良C「俺たち中原くんに用があるんだわ」

中原和彦「石井は帰れ」

 

 

 

言いながら石井に耳打ちをしました。

 

 

 

 

中原和彦「(徳川の所に行け)

不良C「じゃ行こうか」

 

 

 

 

中原は一人不良たちと行ってしまいました。

石井は言われた通り里菜と家吉を探して伝えました。

 

 

 

石井「徳川、中原が他校の不良に絡まれてどっかに行っちまったんだ」

徳川里菜「その不良ってどんな制服着てた?

石井裕大「いや私服だったから、でも一人の奴はGパンの太モモに金の龍の模様が入っていた」

徳川里菜「勝山だ!ヤバイよ真琴に伝えなきゃ」

 

 

 

 

里菜が真琴の携帯に電話した。

真琴は署の近くまで来たところで携帯に出た。

 

 

 

 

大下真琴「はい、もしもし」

里菜『真琴、私、里菜、大変!中原が勝山に呼び出されて行ったって』

大下真琴「分かった、場所は?

里菜「多分、新港埠頭の倉庫、あの辺りが勝山たちの溜まり場だから」

大下真琴「OK、すぐ行く」

 

 

 

 

真琴は無線で署に連絡して遅れると伝えました。

 

 

 

武田英彦「あっ署長、えっ!友達が不良に絡まれたから助けに?分かりました吉井に伝えます、でっ場所は?

大下真琴「新港埠頭だ急いでくれ」

武田英彦『分かりました』

 

 

 

電話を切るとすぐに無線で大下に伝えました。

 

 

 

大下勇次「真琴落ち着けよ」

鷹山敏樹「急ごう」

徳川治樹「俺たちも行くよ」

 

 

 

 

その頃、中原はたった一人で不良数十人に囲まれながら戦っていました。

 

 

 

 

中原和彦「ハァ、ハァ、さすがにちょっとヤバイかな」

勝山「誰も助けに来ない、お前の次は大下真琴だ」

 

 

 

それを聞いて中原の目の色が変わった。

 


 

 

中原和彦「真琴に手を出すな💢殺すぞ💢

勝山「この人数相手に勝てるとでも?多勢無勢」

中原和彦「うるせぇよ💢てめぇらなんか俺一人で充分だ」

勝山「チッ!ヤレ!

 

 

 

 

傷つきながらも立ち上がる中原、しかし鉄パイプで腹を殴られて片膝を突いてしまう

そして・・・

 

 

 

 

勝山「トドメは俺が刺す」

 

 

 

と言って勝山が仲間から鉄パイプを受け取って振り上げた

中原は目を閉じて死を覚悟した。その時です

 

 

 

 

勝山「死ねぇ!

 

 

 

“ドカ💥

 

 

 

勝山「うっ!

大下真琴「俺のダチに何してんだ💢コラ💢」

中原和彦「ま・こ・と・・・」

 

 

 

 

“ドカ💥ドカ💥

 




里菜と家吉も手下に蹴りを入れた

里菜が和彦を抱き起こした。

 



 

里菜「和彦!大丈夫?

大下真琴「里菜、家吉、カズくんを頼む」

 

 


 

真琴の目が完全に据わっていた。

 

 

 

勝山「大下真琴、やっと本命が現れたか」

大下真琴「よくも和彦をここまで痛めつけてくれたな💢来い、俺が片付けてやる!」

 

 

 

 

勝山がニヤリと笑って号令をかけました。

 

 

 

 

勝山「殺れぇ!

 

 

 

 

 

真琴の相手の棒を片手で受け止めると相手の腹に前蹴りを入れ

左右から棒を振り上げて来た奴らをカンフーの棒術で撃退すると

棒を捨てて素手で次々と殴り飛ばして行きました。

 

 

 

 

家吉「本気だあいつ」

中原和彦「あいつ、あんなに強かったの?

家吉「本気を出させたら一番ダメな奴」

里菜「しかも今の真琴はプッツンしちゃってるからあいつら殺しちゃうかも」

勝山「こんなはずじゃ・・・そんなバカな!

大下真琴「俺のダチに手を出したのが運の尽きだ💢

 

 

 

 

とうとう勝山との一騎打ちです。

 

 


 

大下真琴「来いよ御山の大将」

勝山「粋がるな💢

 

 


 

勝山が殴り掛かるが真琴は軽々避けています。

 

 

 

 

“バシ⚡ドスン💥

 

 

 

 

大下真琴「二度と横浜を歩けなくしてやる覚悟しろ💢

 

 


 

 大下真琴は勝山を仰向けに引き倒すと靴で勝山の股間を踏み潰した。

 



 

 

家吉「あれは必殺のタマ潰し!

勝山「うぎゃあぁ!

大下真琴「カズくんの痛みを思い知れクソ野郎💢

 


 

 

悲鳴を挙げる勝山はやがて失神した。

 


 

 

大下勇次「真琴!やり過ぎるな」

大下真琴「これでも手加減したけど」

石井裕大「初めて見た」

里菜「あんたもいたんかい!」

石井裕大「里菜について来たんだよ」

大下真琴「和彦、ごめんな俺のせいで」

中原和彦「お前強いことを隠していたな」

大下真琴「フッごめん学校では子供でいたかったから」

中原和彦「凄かった、俺より強いんじゃね?

大下真琴「さぁな」

大下勇次「救急車来ているよ」

 

 

 

 

中原和彦は救急車で横浜中央病院には運ばれました。

真琴が同乗しました。

里菜と家吉は大下の覆面パトカーで病院に向かった。

 

 

 

大下真琴「カズくんごめん俺に売られたケンカを買わせちゃって俺がデカだからケンカさせたくなかったんだろ?カズくんの考えそうな事だよ、でも俺守ってやれなかった」

石井裕大「勝山たちは逮捕されたけど中原の怪我が心配だな」

家吉「真琴、小学生の頃、中原たちにいじめられていたのに真琴に大怪我させた一件で中原は真琴に謝ってそれから仲良くなったんだ」

里菜「中原は当時私がぶっ飛ばしたんだ、でもあいつ私のことが好きだったなんてそんな素振り見せたこともなかった癖に」

石井裕大「大下は中原となんで仲良くなれたんだ?

家吉「さぁそれは真琴に聞いてみなきゃ分からねぇな」

石井裕大「ふ~ん、そうか」

 

 

 

病院に着くとすぐに処置が始まった。

真琴は廊下で祈りながら待合室で待っていた。

そこへ大下たちも来ました。

 

 

 

 

里菜「真琴、和彦は?

大下真琴「今、中で治療を受けている」

鷹山敏樹「勝山たちは本城たちと薫が連行して行ったよ」

大下勇次「久しぶりに派手に暴れたな」

大下真琴「しょうがねぇだろ親友のピンチだったんだから」

大下勇次「悪いだなんて言ってないけど」

石井裕大「俺はあんなお前初めて見たからびっくりした」

大下真琴「そうか、一応デカだからな」

石井裕大「それにしては派手に暴れていたように見えたが」

大下真琴「あれでも手加減していたよ」

大下勇次「ふだんはヤクザや暴走族を相手にしているからね」

鷹山敏樹「不良中学生や高校生程度ならあの通りよ」

大下真琴「まぁそうだね」

 

 


 

石井はケンカをするタイプではないので驚いている。

 

 

 

里菜「でもケンカは誰かを守るため救うためにするものだから中原も真琴も間違っていない」

 

 


 

そして処置室から中原が運ばれながら出て来ました。

 

 

 

 

看護婦「左腕にヒビが入っていましたあとは全身打撲の状態です」

大下真琴「全治何ヵ月くらいになりますか?

医師「ヒビは4ヵ月くらいかな打撲は1ヵ月くらいで治ると思いますこれ痛み止めの薬ね

 

 

 

医師から薬を受け取る真琴。

病室に運ばれるとまだ麻酔で眠っている状態です。

 

 

 

家吉「とりあえずはよかったね」

大下真琴「ああカズくん仇は取ったよ奴らは壊滅させた」

里菜「サラッと恐ろしいことを言ったよね」

石井裕大「言った本当のことだけど」

 

 

 

 

すると石井は真琴たちに言いました。

 

 

 

石井裕大「中原と二人きりにしてくれないか?

家吉「分かった」

 

 

 

 

と言ってみんなは病室を出て行きました。 

石井は椅子をベッドに近づけて座ると中原の寝ている顔を見ながら語りかけました。

 


 

石井裕大「早く目を覚まさないと徳川里菜は俺がもらうぜ」

 

 

 

次の瞬間中原が目を開けた。

それを見て一瞬引いた石井だった。

 

 

 

 

石井裕大「おおっ!大丈夫か?

中原和彦「そう簡単にはあいつを渡さねぇよ」

石井裕大「言ってくれるじゃん、これで条件は同じだな」

中原和彦「里菜がお前に惚れるとでも?

石井裕大「つき合いは浅いけどあいつのこと少しわかって来たよ」

中原和彦「ほぉ復活したら手加減しねぇから」

石井裕大「それはこっちのセリフだよ」

中原和彦「里菜はどっちを好きになるかな?

石井裕大「楽しみだ」

 

 

 

 

石井裕大が病室から出て来ると真琴が腕組みをして壁に寄り掛かっていた。

 

 

 

 

石井裕大「大下真琴?

 

 

 

真琴は組んでいた腕を解くと石井に向けて右の拳を差し出した。

それを見て石井も右の拳で真琴とグータッチした。

 

 

 

コツン

 

 

 

大下真琴「父さんたちが外にいる、お前たちを家まで送ると言っている」

石井裕大「そっかありがとう」

大下真琴「早く行け里菜が待ってんぞ」

石井裕大「フッああ、また明日学校でな」

大下真琴「俺はいないかもしれない」

石井裕大「なら好都合だ」

大下真琴「なぁ~にぃ~フッ早く行けよ」

石井裕大「じゃあな」

 

 

 

 

石井も里菜たちと一緒に家まで送ってもらいました。

真琴は中原の病室に入って座りました。

中原は疲れたのか眠っていました。

眠っている中原を真琴は穏やかな顔で見つめている

数時間経つと大下たちが戻って来ました。

真琴もこの日は帰ることにしました。

 

 

つづく。