2012年12月21日金曜日

スーパーあぶない刑事28話

     『殺し屋・反双子門』



真琴たちは双子門のアジトを見張ることにしました。
覆面パトカーの中で大岡と遠山が『暗殺集団双子門』の資料に目を通している。
傀署長が日本語に翻訳してファックスで送ってくれたものです。




大岡忠利「この資料によると香港でも殺しをしていたんだな」
大下真琴「だって殺し屋集団だもの」
遠山金之助「長老の弟・ジン・チャウは兄のライ・チャウが亡くなったのをキッカケに数人の弟子を連れて失踪、しかし長老派の弟子たちが弟の企みに気づいて阻止するため起ち上がるがジン・チャウの造った反双子門の弟子たちによって殺されてしまう」
大岡忠利「そしてジン・チャウは日本に来て坊ちゃまたちを殺そうとしている」
大下真琴(声)「それも暗殺とゆう形でね」
本城慎太郎「くぅ~恐いね」





そして古い建物から革のジャンパーを着た男の双子と赤いジャケットを着た女と男の双子が出て来た。





原田実「10人か、あんな奴らを相手にするのか」
芝夏美「なんかすぐにやられちゃいそう」
         ターデンチャウン
ジャッキー・チェン「他等强小心(あいつら強いから気をつけて)」
   ハオ
里菜「好(はい)」




家吉もうなづいた。
里菜と家吉はお揃いのリストバンドをしていた。
ジン・チャウは葉巻を吹かしながら部下の男と何やら話をしている。
男がジン・チャウに耳打ちをしている。
ジンはうなずくと男の肩をポンポンと叩いた。




      ウェイ,シーラ
ジン・チャウ「喂、始了(おい、始めるぞ)」




動き出した。
開いていた建物のシャッターが両脇だけ閉まる。






藤村亮「まるで誘っているみたいだな」
吉本和彦「空き倉庫って何か不気味ですよね」
田中文男「うす暗いしな、まぁ奴らにとってはベストスポットだろうな」
吉井浩一「ナカさん上手いこと言うね」





吉井に褒められ照れる田中。






大下真琴「まだこっちに気づくなよ」






祈るように呟く真琴。





本城慎太郎「ユン・ピョウさんたち間に合うといいな」
村木拓「着いた早々奴らと戦うことになりますけどね」





双子の女の方が戻って来た。
そして別の双子が出て来て入口の前に立った。
どうやら見張り番らしい
二人とも黒い皮の手袋を嵌めてサングラスをかけている。





吉井浩一「あいつらも強そうだなぁ」




ジャッキーチェンとサモハン・キンポーも険しい顔つきで見ている。





家吉「あんな奴らに俺たち勝てるのかな?」
     俺たちがいるから大丈夫だよ
サモ・ハン・キンポー「我们为在没问题哟」
     ウェイザイメイウェンティー
   はい
里菜「能去」
  ナンチゥ




サモ・ハン・キンポーの優しい言葉に里菜と家吉は勇気が湧いて来た。




大下真琴「もうすぐユン・ピョウさんたちも来るから大丈夫だよ」
田中文男「ですが間に合うかどうか・・・?」
谷村進「そうっすよ」





田中の言ったことに谷村が相槌を打つ。
待機の常態から20分が経過。
その頃大下と鷹山は成田空港の手前で渋滞に合っていた。





大下勇次「何でこんな渋滞してんだよ!?」
鷹山敏樹「勇次、緊急事態なんだサイレン鳴らそうぜ」
大下勇次「OK、タカ頼む」





タカはためらいもなく足元からパトランプを取り出してスイッチを押してボンネットに乗せた。
サイレンが鳴ると前方の車が避けてくれた。
おかげですんなり成田空港の駐車場に辿り着いた。
覆面パトカーを駐車して空港の中に入るとロビーでユン・ピョウとアンディー・ラウが気づいて手を振っている






鷹山敏樹「えっと・・・お待たせしました」
ユン・ピョウ「いいえ、大丈夫です」





ユン・ピョウが片言の日本語で答えた。





大下勇次「話は車でします、行きましょう」






トランクに荷物を積んでユン・ピョウとアンディー・ラウには後部座席に乗ってもらいました。





ユン・ピョウ「マコトたち大丈夫ですか?」
鷹山敏樹「今のところはジャッキーさんたちと待機してますから」

ジャッキーからはだいだいのことは聞きました
ユン・ピョウ「成龍大概的事听了」
ジャッキーズォンシンコンターガイダシィティンラ





ユンピョウがアンディ・ラウの言っていることが分からないタカとユージに日本語で言い直してくれました。





ユン・ピョウ「ジャッキーからだいたいのことは聞きました。それですぐに飛んで来たんです」
鷹山敏樹「それは助かりました、本当に来てくれて謝謝、でいいんだっけ?」





ユン・ピョウはにっこり笑ってうなずいた。
帰りは空いていたのでスムーズに来ることができた。
おっと署へ帰るんじゃなくて現場へ向かいます。
その頃、真琴たちはまだ待機中です。
あれからまだ動きはありません。






遠山金之助「大下たちはまだ来ないのか」
大下真琴「大丈夫、ここにいれば」
大岡忠利「そうですね」





本城たちもジッと大下たちが来るのを待っていた。





吉井浩一「署長は落ち着いているよなぁ・・・」
青木順子「本当、大下さんたちを信じている証拠ね、必ず間に合うって」
桐原早希「幸いまだ動きはないし、このまま待っていれば大丈夫よ」





チャイナタウンは原田たちが出入口を封鎖しているので逃走は防げそうだ。
真琴が難しい顔をしていると遠山が声をかけて来ました。






遠山金之助「なに難しい顔をしてるんです?考え事ですか?」
大下真琴「あのね敵の出方を100通り考えてたの」
大岡忠利「えっ!100通りも?!」





遠山と大岡き顔を見合わせた。





里菜『忠利さん、それってすごいの?』
大岡忠利『ええ、敵の動きや状況の変化まで考えるのはみんなすることですが、100通りも考えられませんから』
家吉『そうなんだ、真琴ってやっぱりすごいの?』
本城慎太郎「メチャクチャ、すご過ぎ」





と、本城が答えると里菜と家吉は顔を見合わせた。
この時点ではまだ敵に気づかれてはいない。
大下たちはもうすぐ近くまで来ています。





徳川吉之「そろそろ来る頃なんだが・・・」
吉本和彦「俺、様子見て来ましょうか?」
町田悠斗「行かなくていい、気づかれたら元も子もないでしょ」
藤村亮「そうだよ、カズ少しは考えろ」
吉本和彦「すいません」





すると真琴が地面に耳を当てた。






大下真琴「車の音が近づいて来る」
木葉聡「大下さんたちか・・・」






ふと斜め前方を見ると大下の覆面パトカーがゆっくりと走って来ました。
的に気づかれないようにするためです。






吉井浩一「来た来た、よかった間に合ったか」





覆面パトカーは本城の覆面パトカーのとなりに止まりました。






鷹山敏樹「よかった、間に合ったか」
大下真琴「よし、おっぱじめようか」

    ワォイージーツィンザイダンダイ
ユン・ピョウ「我一直在等待(待ってたぜ)」
サモ・ハン・キンポー「元 彪、等候着喲」
ファンデゥアルン,ダンハウヅァオヨー

   お待たせ、間に合ってよかった。
ユン・ピョウ「等候、可以赶得上」
    ダンハウクァイガンダシャン




全員揃ったので真琴が作戦をみんなを教えた。




大下真琴「谷村さん、透は俺たちと他のみんなは奴らが拳銃を使おうとしたらフォローして」
本城慎太郎「なぁ、俺たちも加わっちゃダメか?」
大下真琴「いいけど・・・大丈夫?」
村木拓「任しといて下さい、やってやりますよ」





原田たちもやる気満々の顔でうなずいています。





大下勇次「みんなでやろうぜ、双子門なんか恐くねぇよ」
藤村亮「その通り、やらせて下さい」






勇次たちが頼んで来たので真琴もジャッキーたちも微笑んで





ジャッキーチェン「一緒にやりましょう」






と、ジャッキーチェンが日本語で言った。





海堂進二「俺たちも足手まといにならないように頑張らないとな」
松田香苗「そうよね、負けてられないわよね」





忍び組みたちにも気合が入った。





木葉聡「署長、まずこいつを使ってから乗り込みませんか?」





木葉が煙硝玉を取り出して言った。





大下真琴「OK、聡さんブン投げちゃって下さい」
木葉聡「ではこれを合図にして行きましょう」
鷹山敏樹「OK、みんな準備はいいな」
みんな『OKで~す!』





タカの合図で木葉は敵の位置を確認して煙硝玉をブン投げた。
“ドカン!”とゆう音に驚いたジン・チャウとその弟子たちは
何が起きたのか分からないうちに煙に巻かれていく。





    誰だ?出て来い!
ジンチャウ「谁?出来!」
    シェイ?チュライ!





すると煙の中から真琴たちの姿が見えると、反双子門の10名が素早く現れた。





家吉「出やがったな」
    あいつらは
双子男A「他等・・・」
   ダドウィング

     探す手間が省けたぜ
双子弟B「找的工夫能省却了啦」
ズァオダゴンフーナンシャンチュエララァ
大下真琴「それはこっちのセリフだ」





真琴の言葉が通じたらしい。
双子A組は顔を見合わせてニヤッと笑った。
そこへ北京飯店と路地の間からもゾロゾロと現れた。





町田透「俺も助太刀しますよ」





と、言って透が現れた。
ジン・チャウのアジトである空き店舗の扉が開いてまた別の双子が出て来た。
その奥から笑みを浮かべながらジン・チャウが姿を現した。





     待ってたよ
ジン・チャウ「等候着哟」
  ダンハウヅァオヨー
里菜「こいつがジン・チャオ・・・」
      この子たちは私たちが守る
ジャッキー・チェン「我们保护这个孩子们」
  ワメンバオフーチュアガハイズーメン





と、ジャッキーとサモハンが守るように三人の前に立っています。
真琴は家吉のとなりに透は里菜のとなりに立っている。
ユン・ピョウとアンディも真琴の側に立って敵を睨みつけている。





     やれ、殺せ!
ジン・チャウ「做、殺!」
    ズォ、シャア





ジン・チャウの合図で双子らが一成に攻撃して来た。
応戦する真琴たち、最初はほとんどジャッキーチェン・、サモハン・キンポーが戦っていた。
しかしだんだんとフォーメーションが崩されて行くと真琴と透も動き出した。





里菜「師匠、みんな私たちのために・・・」
家吉「みんなが俺たちを守ってくれている」





それを見て里菜と家吉にもやる気が出て来た。





町田透「里菜ちゃん、家吉くん」
大下真琴「待て、まだ動くんじゃない」





しかし問答無用でサングラスをかけた男の双子が里菜と家吉に襲い掛かる。
それぞれ一対一の戦いとなった。
勇敢に戦う里菜と家吉だったが・・・
同時に蹴りをくらってふっとばされた。
その時、里菜をユン・ピョウが家吉をアンディー・ラウが支えて助けてくれた。





       大丈夫?
ユン・ピョウ「不要紧吗?」
   ブゥヤオジンマァ?

里菜「ユン・ピョウさん!」
       助けに来たよ
アンディー・ラウ「来了帮助哟」
      レイラバンチゥヨー
 ありがとう
家吉「謝謝」
  シェシェ




四大スターのフォーメーションが戻った。
これにはジン・チャウも慌てた様子。





大下真琴「よし、ここから反撃開始!」
ジャッキーたち『オー』





里菜と家吉のマネをしてジャッキーチェンたちも拳をあげて答えてくれました。
勇次・敏樹・谷村・本城たちも加わって大戦になった。





大下勇次「俺たちも仲間に入れて」
ジャッキーチェン「どうぞ」





と、ジャッキーが日本語で答えた。





町田透「さすが香港の門下、強いっす」
大下真琴「頑張れ透ちゃん」
町田透「はい」
本城慎太郎「通販のカンフーマスターをやってあそこまで動けるなんてすげぇや」






透は通販で買ったカンフーマスターとゆうビデオテープを見てカンフーをマスターしたらしい。
倒れた奴らは順子や拓たちが取り押さえて手錠をかけた。






村木拓「ハイいっちょ挙がり」
原田実「こっちもだ」






原田たちは弾かれた奴らにドンドン手錠を掛けて行きます。
そしていよいよボスであるジン・チャウとの決戦です。






鷹山敏樹「俺たちは見ていよう」
谷村進「そうですね」
町田悠斗「うちの兄貴はやるみたい」
里菜「残ったのはあんただけよ」
      確かにやるなぁ
ジン・チャウ「フッ确实的做」
      チュエシーダズゥオ
      気をつけて  
アンディーラウ「注意」
       チー
    はい
大下真琴「能去」
   ノェンチウ




ジン・チャオは首を回すとカンフーの構えを取って手招きして見せた。





家吉「ヤロウ、なめやがって💢」
大下真琴「落ちつけ、冷静になるんだあいつの挑発に乗るな」
家吉「そっか、ごめん」





するとジンチャオは真琴たちを指さして手招きをした。





里菜「三人で来いってこと・・・やってやろうじゃん」
大下真琴「いいだろう乗ってやるぜ」






ジャッキーたちは道を開けてくれた。





      がんばれ
アンディーラウ「加油」
      ジャアヨウ





と言うアンディ•ラウにうなずきで答える三人は前に出た。
それを見てジン・チャウはニヤッと笑ってまた手招きして見せた。





大下真琴「いいか二人とも」
里菜&家吉『いいっすよ~』





三人は同時にジンチャウに攻撃を仕掛けました。
しかし上手く捌かれています。
それでも構わずフォーメーションで攻めて行く三人。





     動きがよくなったね
アンディー・ラウ「活动变好了吧」
    フォドンビエンハオラバ
          ああ
サモ・ハン・キンポー「是那样」
        シィナヤン





ジンチャウが押されています




     クソ!なめるな 
ジン・チャウ「呀!不要舔」
  アイヤーブ ヤオ ティアン
家吉「そっちこそ、ガキだと思ってなめんなよ💢」






里菜と家吉の蹴りがジン・チャウの腹に入った。





ジン・チャウ「ウッ・・・チッ!」





ジン・チャウが反撃の前蹴りをやろうと足を挙げた瞬間タイミングを伺っていた
真琴が回し蹴りでジン・チャウの軸足をおもいっきり蹴りとばした。
バランスを崩したところに更に里菜と家吉がそれぞれ胸と腹に踵落としでトドメを刺した。






徳川吉之「あの子たち確実に強くなってる」
村木拓「ええ、すごいですよ本当」





ダウンして延びているところに真琴がショルダーバックから手錠を取り出して
ジン・チャウの腕に掛けた。






大下真琴「あ~疲れた、誰かこいつを連行して下さい」
吉井浩一「はい、谷村手伝え」
谷村進「はい、ほら来い」
鷹山敏樹「お疲れ、里菜ちゃんと家吉くんも」
家吉「はぁ疲れた」






里菜と家吉はその場に座り込んだ。
手下たちも連行されて行きます。






青木順子「本当によく頑張ったわね」
藤村亮「ケガはないかい?」
里菜「ちょっとスリむいているところがありますが大丈夫です」
家吉「あっ痛ぁ~」





しかし家吉の方は膝から血を流していた。





徳川治樹「家吉、足から血が出てるじゃないか」
家吉「あいつの靴にやられた時だよ、今メッチャ痛い」






治樹がハンカチを出して家吉の膝に巻こうとすると・・・真琴が止めた。






大下真琴「待って、バイ菌が入ったらマズイからこれで消毒した方がいい」






と、言ってショルダーバックからマキロンを出して治樹に手渡した。






徳川治樹「ありがとう、マキロンだ・・・マキロン!」
徳川宗明「ドラえモンもびっくりだな」






治樹はマキロンで家吉の膝を消毒した。





大下真琴「バンソコもあるよ、大・中・小どれがいい?」
家吉「中でいい」
大下真琴「ハイヨー」






真琴にバンソコをもらって自分で貼る家吉。
里菜にはスリむいているところに吉之がマキロンで消毒した。
二人の手当てを終えてから署に戻りました。






宮本謙「一味を逮捕し香港に身柄を引き渡せて本当によかった」
武田英彦「傀署長からお礼の電話がありました」
大下真琴「そうですか」
宮本謙「署長によろしく伝えてくれと言ってましたよ」
大下真琴「いやぁ今回も大変でした」





シミジミと事件を振り返る真琴と港署の刑事たち






大下真琴「ジャッキーさんたちもお疲れ様でした」
彼らは本当に強くなったのよ、すごいわ    
アンディー・ラウ「ハイ、他们是真的强哟了、哇!」
タァメンサイズェンダキュアンギュリィ、ジングレイ
     私もそう思いました
ユン・ピョウ「我也那样思念」
ワイエナァヤンスーニィアン
   ありがとう
大下真琴「谢谢」
    シェシェ




と、真琴が手を合わせて会釈した。
それを見てアンディー・ラウとユン・ピョウがニッコリと笑った。




ジャッキーチェン「私たちはしばらくは日本にいます」
家吉「本当ですか!じゃまたうちに泊まって下さい」
里菜「いいでしょ、パパ」
徳川吉之「いいよ、うちでよければリフォームもしたし」





そうゆうことでしばらくの間ジャッキーチェンたちは徳川家で暮らすことになった。
彼らが徳川家に泊まるのは二回目です。
反双子門を潰したことで香港も平和になった。
悪の根っこを絶ったものの弟子たちも全員殺されてしまったため再建は困難だと言う。
しかしいつの日にかまた双子門が甦る日を我々は待つことにしよう。




つづく。

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