2013年1月24日木曜日

ごちゃ混ぜアニメ53話


              『焼き鶏講座』



頼光を倒し再び平和が訪れた皿屋敷市。
この日、飛影は指令を片付け山岡と合流した。




山岡士郎「ヨォ!待っていたぜ」
飛影「それでこれからどこへ行くんだ?」
栗田ゆう子「まだ決まってないの、あなたに決めてもらおうと思って」
飛影「いいのか?」





自信あり気に答える飛影に期待を膨らませる山岡と栗田。





飛影「ついて来い」




ヒュンケル・鬼宿と別れると飛影は山岡と栗田を『居酒屋とんちゃん』の店の前で止まった。





飛影「ここだ」
栗田ゆう子「居酒屋とんちゃん、へぇ~」
山岡士郎「よくここに来るのか?」
飛影「二回だけ、マヤと幽助たちと来た」





整理しますと、まず幽助たちと来たのが一回目で二回目にマヤさんと来たのです。
飛影はもし山岡と行くならここにしようと決めていたのだ。
店に入るとカウンター席10個と8名が座れる畳の個室が二つありました。
栗田を真ん中にしてカウンターに座りました。
メニューを見てまず飲み物から注文した。






店主「おや、今日は奥さんは一緒じゃないのですかい?」
飛影「こいつらは仕事仲間だ」
山岡士郎「どうも初めまして、山岡です」
栗田ゆう子「栗田です」





山岡と栗田はあいさつすると飛影のことを尋ねた。





山岡士郎「彼はよくここへ来るんですか?」
店主「ああ、最近の常連さんだよ、妖怪だと聞いた時はびっくりしたがな」
飛影「まだ二回しか来てないぜ」
店主「二回も来てくれりゃ充分さ、いつもの盛り合わせね」






店主は冷蔵庫からアルミ板を取り出してラップを外して焼き鶏を炭火で
焼き始めました。





店主「飛影スペシャル、レバー以外はすべて塩です」
栗田ゆう子「塩!へぇ~」
山岡士郎「いただきます」






山岡と栗田はハツとつくねをそれぞれ食べました。





飛影「ふむ、やはり美味いな」






飛影は砂肝が好きらしい。





栗田ゆう子「砂肝が好きなの?」
飛影「ああ、いけないか?」
栗田ゆう子「いいえ、コリコリして美味しいわよね」
飛影「フフン♪そうだな」





山岡は飛影の方を見つめている。





山岡士郎「飛影、焼き鶏のメニューって言えるか?」
飛影「焼き鶏のメニュー・・・言えるぞ、モモ・かわ・ハツ・レバー・つくね・ねぎま・ぼんじり・砂肝だろう、サイドメニューは銀杏とかあるが・・・」
山岡士郎「ふむ、まぁそんなとこだな、焼き鳥は安く早く美味いが売りで利用客も多いのさ」
飛影「なるほど」





ここで山岡の焼き鶏講座は終った。
飛影は店主にモツ鍋を注文しました。






店主「ハイ、モツ鍋ね、待ってな」
栗田ゆう子「モツ鍋って私初めて食べるかも」
飛影「ならいい機会だ、モツ鍋はコーラとやらがいっぱい入ってるらしいからな、マヤも好きなんだ」
栗田ゆう子「コーラ?それもしかしてコラーゲンのこと言ってるの?」
飛影「・・・それだ、こらぁげんだ」





近いながらも言葉を間違える飛影に山岡夫妻は爆笑している。





山岡士郎「そうか、マヤさんも好きなんだ、おっ来た来た」
栗田ゆう子「うわぁいい匂い!」
店員「砂肝とモツ鍋一丁」
飛影「フッ来たな」






飛影の大好物の砂肝が来た。





山岡士郎「このモツ鍋最高だな」
店主「ありがとうございます」
飛影「こいつが言うから確かだ」





店主はピースサインで答えた。
山岡は座り直すと飛影にヒュンケルとのことを聞いて来ました。





山岡士郎「ところでヒュンケルとお前、どっちが多く勝ってるんだ?」






山岡の問いかけに飛影はサラッと答えた。






飛影「4対3で俺の方が勝っている」
山岡士郎「てっことは七回はやり合っているのか」
栗田ゆう子「これからが楽しみね、ねぇライバルがいるってどんな感じなの?」
飛影「どう、とはどういう意味だ?」





ゆう子の質問に質問で返す飛影。
ゆう子はずっと聞きたかったと言うかのように続けた。






栗田ゆう子「ヒュンケルさんがいてあなたの生活がどう変わったか・・・とかお互いに相手のことをどう思ってる?」
飛影「ふむ、家も真向かいで任務の時も一緒だからな、意識はする」
栗田ゆう子「それはヒュンケルさんも同じだと思う?」
飛影「当然だ挑発して来るのはいつもヒュンケルからだ」
山岡士郎「へぇ~そうなんだ」






拳を握りしめる飛影。





栗田ゆう子「だとしたらヒュンケルさんも相当あなたをライバル視してるわね」
飛影「俺だって想いの強さならあいつには負けないぜ」
山岡士郎「そこがライバル同士のおもしろいところなのさ、お互い認め合って刺激し合って、でも同時に仲間でもある」
飛影「俺はただ、俺以外の奴に負けてほしくないだけだ」
栗田ゆう子「それはヒュンケルさんの方も同じでしょ」






似た者同士、負けず嫌い、ふだんはクールに二人だが対峙するとどうしても相手を倒したくなる。
常にお互いを意識しているのだ。





山岡士郎「家が近いというのもあるんだろうな」






そう片方が修業を始めればもう片方も刺戟を受けて燃えて来る。





栗田ゆうこ「二人はいつも何を考えながら闘っているの?」
飛影「以前は勝つことしか考えてなかった、だがそんな時に限って負ける時の方が多いんだ、だから勝ち負けにこだわらず自分のすべてをぶつけることに専念するのさ」
山岡士郎「すべて・・・か少し分かる気がする」
飛影「勝つことを考えていると心ばかり先走って体がついて行かん、だから今持てる力でライバルにぶつかって行くんだ」






それが勝負を分けることになる。





栗田ゆうこ「無心でぶつかり合うのね、そうか」





でも勝ちたいと思っているからこそ闘う。
力を試してみたくなる、どちらが強いのかを・・・





山岡士郎「じゃ、今ヒュンケルは何をしていると思う?」
飛影「任務の後だからな家で休んでいるはずだ」
栗田ゆうこ「ふ~ん、でもあなたのことを考えてるんじゃない?」
飛影「だろうな、俺を倒す方法でも考えてるかもな」





涼しい顔で答える飛影に山岡と栗田は顔を見合わせた。





山岡士郎「いいのか?お前ここにいて」
飛影「どこにいたって同じさ」





確かに・・・今すぐ闘うわけじゃない。
それでも考えることはいつも同じ、
「負けたくない」「勝ちたい」
この二つだ。焼き鶏を平らげると飛影は千円札を二枚置いて先に帰ると言って店を出た。





栗田ゆうこ「やっぱり気にしていたんですね」
山岡士郎「フッ、これでまたしばらく会社には来ないかもな」
栗田ゆうこ「気まぐれな人ですもんね、あっ妖怪だったわね」






二人はクスクスと笑う。
一方、飛影は急いで家に帰って行きます。
家の近くまで来るとヒュンケルが向こうから歩いて来た。
ヒュンケルも飛影に気づく。





ヒュンケル「今帰りか?」





と、ヒュンケルの方から声をかけて来た。





飛影「ああ、お前は?」





聞き返す飛影を見てニヤリと笑うと・・・





ヒュンケル「修業から戻ったところだ」





と答えた。





飛影「ほぉ・・・それで?」
ヒュンケル「拳殺法も極められそうだ」
飛影「それで・・・?」






意外な答えにヒュンケルは飛影を睨みつけて答えました。





ヒュンケル「お前には負けない!次は俺が勝つ!」
飛影「勝負はやってみないと分からないぜ」
ヒュンケル「無論だ、だがお前には負けたくない」





初めてヒュンケルが本音をぶつけて来た言葉は飛影がいつも思っていることと同じだと分かった。
分かったと同時に飛影も熱い思いが込み上げて来る。






飛影「俺もお前には負けん、だから修業がんばれよ」
ヒュンケル「!・・・ああ、お前もな」






「頑張れよ」なんて初めてライバルから言われた。
それは認めている相手だから言えるのだ。
ここへ来て飛影も一皮剥ければ今以上に最大の好敵手になるとヒュンケルは感じた。
家に入るとシャワーを浴びて汗を流した。





ヒュンケル「あいつ変わったな」





独り言を呟いた。
一方、飛影も家に入って来るなり呟いていた。





飛影「あいつとは対等でいたい」
マヤ「あいつってヒュンケルさんのこと?」
飛影「ああ、そうしないと俺はあいつに一生勝てない」
マヤ「意地は張らず受け入れた上で負かしたいってこと?」
飛影「今までは劣等感ばかり持っていた、だから勝てなかった」
アーチャー「確かに認めてしまえばラクにはなる」






アーチャーを見てうなずくと拳を握り見つめた。






飛影「ヒュンケルをライバルと認めたからには受け入れるしかない、その上で勝ちたいんだ、あいつに」
マヤ「それでいいんじゃない」
アーチャー「ああ、お前はまだまだ強くなれる」
飛影「アーチャー」
アーチャー「フッ」





アーチャーの励ましもあって
飛影は自信を取り戻していた。
飛影とヒュンケルそれぞれ相手のことを考えて夜を迎えた。






ヒュンケル「飛影、俺も認めるぜ紛れもなくお前は・・・」
飛影「ヒュンケル、俺は決めたぜ勝つことにこだわらず持てる力をお前にぶつけるぜ、お前は・・・」
飛影&ヒュンケル『俺のライバル!』




つづく。

0 件のコメント:

コメントを投稿