2013年1月20日日曜日

デジモンアドベンチャー04 1話

                      『歌姫コンクール』


お台場高等学校に上がった太一たち。
一方、大輔たちも中学二年生になっていました。
今回は太一たちのお話。






麻矢「歌姫コンクール?」
ヤマト「麻矢出ない?歌上手いんだし、どうだ?」
空「麻矢なら優勝できるわよ、何たって小・中学校では無敵の女王だったじゃない」
麻矢「そりゃ歌は好きだけど・・・」






迷っている様子の麻矢。
廊下では何やら騒ぎ声がしていた。







太一「何だかすげぇ盛り上がっているなぁ」
トウヤ「あの子だよ、騒がれている主は」
ヤマト「うわぁすげぇ美人!」






廊下で数十人に囲まれている女の子いた。
髪を内巻きロールにした少女の名は時田紗織。
セントフェアリ中学から上がってきた少女で金持ちのお嬢様でプライドが高い。





紗織「あら・・・フッ」




紗織は麻矢に気づき近づいて来た。麻矢は目を逸らした。
トウヤとヤマトは腕組みしたまま二人を見守っています。





紗織「石井麻矢さんはどちらかしら?」
麻矢「私だけど、何か用?」





空は麻矢と紗織を交互に見つめている。
すると紗織は・・・






紗織「私、時田紗織よ、よろしくあなたもコンクール出るんでしょ?」
麻矢「さぁね、まだエントリーしていない」
紗織「出るわよね、絶対」






紗織は麻矢を真剣な目で見つめて言う。





太一「でっ出るよな麻矢・・・」
紗織「あなたは黙ってて、どうなの麻矢さん?」





麻矢は拳を握りしめた。 
そして・・・







麻矢「出るよエントリーする」





答えを聞いて紗織は納得した顔で離れると・・・






紗織「どちらが歌姫に選ばれるか楽しみにしているわ」





麻矢を指差して紗織は言うと取り巻きたちと去って行きました。






ヤマト「強力なライバル登場・・・だな」
麻矢「くだらん、あんたとトウヤじゃあるまいし」






そう言うと組んでいた腕を外して教室に入って行ってしまった。






トウヤ「ヤマト、おもしろくなりそうだな」
ヤマト「ああ、でも時田ってあの雰囲気はガラスの仮面の姫川亜弓みたいだな」
空「私もそう思った」
太一「俺も思った」






その日の放課後、大輔たちと待ち合わせでパソコンルームに集まった。






光子郎「みなさん集まってくれてありがとうございます」
京「泉先輩、準備できました」
光子郎「京さん、ごくろうさまです」
麻矢「パトロールならさっさと行こう」





大輔たちは麻矢を見てゾクッとした。





賢「何かあったんですか?麻矢さん」
トウヤ「ちょっとな、あまり気にするな」
京「デジタルゲートオープン選ばれし子供たち出動」





それから一週間後の土曜日。
歌姫コンクール当日。
エントリーしたのは10人
その中には麻矢と紗織の姿もある。
校庭の真ん中にステージを造ったのだった。
審査するのは10人の先生たち。
100点満点ずつ点数をつけて総合した点数が一番多かった者が優勝というわけだ。





紗織「あなた中学のコンクールで優勝したんですって? ここに書いてあるわ」
麻矢「コンクールたってお祭りみたいなものよ、大したことじゃない」
友里「自信があるみたいね、まぁここにいる人はみんなそうだと思うけど」





星野友里。港陽中学校で三度の優勝経験がある実力者である。
時田紗織セントフェアリ学園、小・中等部のアイドル。
Jrコンクールで二回優勝している実力の持ち主でまさに音楽界のサラブレットである。
友里は5番目、紗織は9番目、麻矢は10番目でトリとなった。






司会者A「それではこれよりお台場高等学校第七回歌姫コンクールを開催します」




会場は盛り上がりました。






司会者A「参加者にはカラオケや独唱で好きな歌を歌ってもらいます。
司会者B「ジャンルは何でも構いません、フルコーラスで歌える曲ならOKです」
司会者A「一人4曲ずつ歌ってもらいます、曲目は自由です。そして審査員は音楽の川越先生他
10名に公平に審査していただきます」






先生たちが立ち上がり会釈をしました。




司会者B「それではエントリー№1野中優美でRUIで月の雫」






始まりました
客席には太一たちの姿もある






太一「麻矢は何番目に歌うんだろう?」
空「麻矢ちゃんはトリみたい」
ヤマト「マジ?大丈夫かなあいつ」
トウヤ「大丈夫、あいつならきっと」






と、トウヤが言うとヤマトもうなずいた。
その間もドンドン進んで行く。
野中優美の総合得点は459点、次は星野友里です。






司会者A「エントリー№5番星野友里で曲はZONEで~secretbase君がくれたもの~」





友里がマイクを持ってステージに立ちました。
その歌声は観客を魅了した。
ここで友里が447点とトップに立った。
ここまでは野中優美345点山本真弓348点藤田朱里434点
いよいよ時田紗織の番です。






紗織「麻矢さん、あなたには負けないから」







そう言うと紗織はステージに出て行きました。





司会者「それではエントリー№9番、セントフェアリ学園の歌姫、時田紗織で曲は酒井法子の青いうさぎ」






紗織がステージに立つと会場がざわついた。
麻矢は控え室のモニターで見ていた。






ヤマト「自信あるだけあって、上手いな」
空「うん、麻矢ちゃん勝てるかしら?」
太一「う~ん麻矢に優勝してほしい!」





トウヤは腕組みをしたままただ黙ってステージを見つめている。
ここまでの最高得点は星野友里の447点である。
紗織の二曲目は月の雫、RUIの歌です。
紗織はその歌唱力を生かして歌います。







空「悔しいけど、彼女上手いね」
ヤマト「うん、次は麻矢だろ、緊張するなぁ」
トウヤ「もうすぐ終わるな、麻矢なら大丈夫。本気出せば時田など相手じゃない」







時田紗織の歌が終わった。







司会者「それでは時田紗織さんの点数をどうぞ」







先生たちが点数をつけて行きます。







司会者「出ました640点、断トツのトップに立ちました!」
紗織「ウフフフ♪」
太一「げぇ!640点!、麻矢はあの点を越えられるのか?」
トウヤ「あいつの歌唱力を信じるしかない」






会場は紗織の歌に圧倒されて静まり返っています。
紗織は勝ち誇ったかのように胸を張って降りて来ました。
歌い終えた人は客席で見学することになっています。






司会者「それではエントリー№10番お台場のアイドル石井麻矢で曲FOREVERDREAMどうぞ」






麻矢が出て来るとイントロが流れた。
一曲目は松田樹利亜のFOREVERDREAMを歌います。






ヤマト「上手いな、それに心が籠っているから、周りの空気も穏やかになって行く」
太一「ああ、見ろよ、さっきまで盛り上がっていた客が静かになったぜ」







曲は2番に入りました。
司会者も審査員の先生たちも聴き入っていた






紗織「何よこの空気は!?」
友里「私たち、あの子の前座だったみたい、こんなに空気が変わるなんて・・・」







他の女子たちも静まり返っている。





トウヤ「フッ、まさかここまでとはな・・・」






そして2曲目のWingも静かな中で麻矢の歌声だけが響き渡っていた。
いよいよ得点が出ます。







司会者「それでは石井麻矢さんの点数をどうぞ」





先生たちが点数をつけて行きます。
そして結果は・・・






司会者「な、なんとすごい760点、時田紗織より120点も上回りました!」
トウヤ「120点差、あいつやりやがった」
空「スゴイスゴイ!やった~!」
紗織「そんな!この私が負けるなんて…」






クィーンの座は麻矢が取ったのです。






友里「レベルが違いすぎるわ!」





そしてコンクールは終了しました。
麻矢が控え室から出て来ると、トウヤたちが待っていた。






太一「おめでとう」
麻矢「サンキュー優勝できるとは思ってなかったけどね」
トウヤ「よく言うぜ、こいつ」






その時背後から麻矢を呼ぶ声が…





紗織「石井麻矢さん」





振り返ると紗織が取り巻きの女子たちと立っていた。





麻矢「時田・・・」
紗織「優勝おめでとう、さぞかし、いい気分でしょ、私に勝って」
麻矢「そりゃ優勝できたのはうれしいけど、別にあんたに勝ったことなんてどうでもいい」
紗織「なんですって!」
麻矢「あんたが私をどう思っていようが勝手だけど、それを私に押し付けないで迷惑。それに眼中ないし」
太一「キッツ~」






後ろで太一がしゃべっている。






紗織「何よ、いい子ぶらないでよ!」
麻矢「うるさいな!そっちが勝手にライバル視してるだけだろ、迷惑なんだよ💢」






そう言い捨て麻矢は歩き出した。





麻矢「行くよ」





麻矢に言われて太一たちも後を追いかけた。
ヤマトたちも声をかけられずにいる。
紗織たちも悔しそうに帰って行きました。

太一たちは中学のパソコンルームに寄りました。
大輔たちはすでに集まっていました。
すぐに京がデジバイスを画面に掲げて





京「デジタルゲートオープン選ばれし子供たち出動!」





デジタルワールドに着きました。






ヤマト「分かれて行くか?」
トウヤ「麻矢、一緒に来い」
麻矢「ああ」






トウヤと麻矢は森の中を探索しました。
それぞれにブラックウォーグレイモンとセラフィモンに進化して行ってしまいました。
ヤマトは太一たちと行動することに・・・






麻矢「トウヤ、どこまで行くの?」
トウヤ「黙ってついて来い」
麻矢「ハイハイ」





一方ヤマトたちは・・・





ヤマト「太一、トウヤの様子気にならなかったか?」
太一「ちょっとな、でも麻矢が一緒だし平気だろう」
ヤマト「だと、いいが・・・」





大輔は口を挟めないでいた。
するとヤマトが振り返って大輔に言った。





ヤマト「悪いけどここからは俺たちで行かせてくれ」
伊織「二人で行くと言うんですか?」
太一「ああ、別にお前たちを仲間ハズレにするわけじゃないんだけど」
ヒカリ「分かったわ、お兄ちゃん」
太一「ああ、悪いな」







そう言うと太一とヤマトはアグモンとガブモンをワープ進化させて
トウヤたちの後を追いかけました。






伊織「行ってしまいましたね」
大輔「太一先輩、ヤマトさん」







一方、トウヤと麻矢は森の奥の洞窟に入って行った。





ブラックウォーグレイモン「感じる!この先にいる」
セラフィモン「俺も感じるぞ」






二体はピタリと止まりました。
辺りは静かで何も聴こえません
だが次の瞬間・・・






マクラモン「フフフ・・・フフフ」





暗闇から不気味な笑い声が響いて来ました。





麻矢「どこにいる?」
トウヤ「姿を見せろ!」
マクラモン『フッ威勢がいいな』





闇から姿を現したのはサルの顔をしたデジモンだった。






トウヤ「お前・・・デジモンか?」
マクラモン「そう神に一番近い、我が名はマクラモン」
麻矢「私たちはこの先へ行きたいの通してくれない?」






マクラモンはチラッと麻矢を見た。





マクラモン「お前、私と一緒に来い」
麻矢「へっ?ちょ、いや~」
トウヤ「待て!」






マクラモンはいきなり麻矢の手を掴むとそのまま奥へ飛んで行ってしまったのです。






セラフィモン「待て、どこへ連れて行く気だ!?」






セラフィモンたちもマクラモンの後を追いました。







トウヤ「あいつ一体なんのつもりだ?」
Bウォーグレイモン「俺たちも追いかけるぞ」
セラフィモン「俺が油断したせいだ」





ようやく終着点に辿り着きました。
そこにはマクラモンに抱えられている麻矢の姿があった。




トウヤ「麻矢!」
セラフィモン「麻矢を返せ!」
マクラモン「安心しろ、この娘の持つ紋章が必要なのだ」





セラフィモンとトウヤは麻矢を見た。
麻矢は壁の紋章を見つめていた。





麻矢「正義の紋章、どうしてこんな所にあるんだ?」





すると壁の紋章が反応したのか光り出した。





マクラモン「デジバイスをかざして扉を開くのだ、私の案内はここまでだ」
セラフィモン「待て!」





麻矢はマクラモンの言った通りにデジバイスを扉の紋章にかざしました。
するとデジバイスも光り出したのです。





トウヤ「この先に何があるんだ?」
麻矢「行くよ、トウヤ」




麻矢はデジバイスかざしたまま進んで行きました。
そこへ太一たちとヤマトも追い着いて来ました。





太一「お~い!」
トウヤ「太一、ヤマト!」
太一「やっと追い着いたぜ」





ウォーグレイモンとメタルガルルモンも飛んで来ました。





ヤマト「さっきの変なデジモンはどうした?」
トウヤ「俺たちをこの扉の前まで案内して消えた」
麻矢「開いた!」





4人とそのパートナーデジモンは進んで行きました。




セラフィモン「みんな油断するな」





中に入ると二つの岩がありました。
よく見ると闘志と正義の紋章が描いてあります。
すると今度はトウヤのデジバイスが光り出しました。





トウヤ「デジバイスが・・・」
太一「あれ何か書いてある」





紋章の描いてある下に文字が書いてあった。






セラフィモン「デジタル文字だ」
ヤマト「セラフィモン、読めるか?」





セラフィモン「ああ、正義と闘志の紋章を持つ者よ、二つを共鳴させよ、さすれば伝説のデジモンが現る」
Bウォーグレイモン「俺とセラフィモンがジョグレス?」
セラフィモン「試してみるか?」





伝説のデジモンの名前のとこは文字が摺れていて読めなかった。
トウヤと麻矢も迷っている。





ヤマト「伝説のデジモンが現る、か・・・どうする?二人とも」
トウヤ「試してみるか?」
麻矢「この光・・・やってみよう」






太一とヤマトは少し離れたところから見守りました。






トウヤ「行くぞ、闘志」
麻矢「正義」
トウヤ&麻矢『心を一つに』






“カァ~✨”





トウヤ&麻矢『うわっ!』
ブラックウォーグレイモン「体から力が湧いて来る」
セラフィモン「ブラックウォーグレイモン、俺を信じろ」






セラフィモンを見てブラックウォーグレイモンもうなずいた。
二体は飛び上がり地上に出ました。






ブラックウォーグレイモン&セラフィモン『ジョグレス進化』
セイントモン「セイントモン」





セイントモン、大天使と竜人が異例の合体で銀色の鎧に身を纏い天使の羽を広げたデジモンが誕生した。
セイントモンは二人を見た。





セイントモン・天使と竜人が合体し異例の天竜人型デジモンが生まれた。
必殺技は光の剣・ライトニングセイバーで敵を切り裂くヘブンズストラッシュとトワイライトレボリューションだ。





麻矢「すごい、セイントモン」
ヤマト「トウヤ、麻矢」
太一「ジョグレス・・・か、でもどうしてこんな所にそんなヒントが書いてあるんだ?」
セイントモン「闇が迫って来ている」





外に出ると辺りは暗くなり夜になっていた。





トウヤ「今日は戻ろう、大輔たちも待ってるだろう」
ヤマト「そうだな」





セイントモンは退化した。
太一たちはテレビから現実世界に戻って来ました。
するとパタモンとブラックアグモンに戻っていました。
麻矢はヤマトを見つめていた。ヤマトも麻矢の視線に気づいて・・・





ヤマト「どうした?」
麻矢「何でもない」






トウヤには麻矢の気持ちが分かっていた。
でも気づかないフリをしている。





パタモン「何か疲れた・・・休みたい」
ブラックアグモン「フン、ジョグレスごときでもう疲れたのか?柔な奴だ」
パタモン「なに・・・!」
麻矢「まぁまぁパタモン落ち着いて」
パタモン「フン! でもこれからもよろしく」
ブラックアグモン「俺の方こそ、よろしくな、お前となら乗り越えて行ける、そんな気がする」
パタモン「ああ、俺もだ」




二匹は見つめ合いました。





トウヤ「フッ、麻矢帰ろうぜ」
麻矢「うん、じゃ私たちは先帰るね」
ヤマト「俺も帰る」





太一もカバンを持ってトウヤたちを追いかけた。




太一「待てよ」




今日は大輔の出番はほとんどなし、そしてヤマト・トウヤ・空・麻矢の四角関係が始まるのです。
麻矢はヤマトがトウヤは麻矢が空はヤマトと両思い・・・なのだが
02では描かれなかったオリジナルのエピソードが盛りだくさん。
04で高校生になってまた一つ大人に近づいた太一たちを主に大輔たちも加わり
更に二年の間で変わり果てたデジタルワールドはこの先どうなるのか? 
お楽しみに!

0 件のコメント:

コメントを投稿