2023年10月10日火曜日

スーパーあぶない刑事51話

 

                   『凄技』  

 

これはまだ真琴が5歳の頃のある日のこと

 

 

 

真山薫「少し背が伸びたね」

真琴「うん」

 

 

 

 

父・勇次が真琴の頭を撫でる

鷹山が買い物袋を下げて戻って来た。

自分の机に戻ると引き出しを開けて袋の中身を缶の中に入れた。

実はお菓子が大好きな鷹山は嬉しそうに机を閉めた。

そこを透が見ていた。

 

 

 

 

町田透「先輩なんか嬉しそうですね」

鷹山敏樹「まぁね」

 

 

 

 

と、言いながらチラッと真琴の方を見る鷹山、視線に気づき真琴も鷹山の方を見ると

鷹山は真琴に手招きをした。

 

 

 

 

真琴「なぁに?

鷹山敏樹「いい物を見せてやるから」

 

 

 

真琴は首をかしげながら行ってみると鷹山が自分の机の一番下の引き出しを開けて

見せた。

中には駄菓子がいっぱい入っていた。

 

 

 

 

大下真琴「わぁ!すごい」

鷹山敏樹「2000円分買って来たから当分は楽しめるよ」

大下真琴「うん、ありがとうごどいます」

吉井浩一「駄菓子2000円分!?信じられん」

 

 

 

 

鷹山は真琴の頭を撫でた。

勇次はそれを見て真琴に言った。

 

 

 

 

 

大下勇次「よかったな、真琴」

真琴「うん」

 

 

 

 

真琴はうれしそうにうなずいた。

そこへ松本本部長と緒方刑事部長が港署にやって来た。

緒方刑事部長はアタッシュケースを持っていた。

 

 

 

 

松本本部長「真琴くん失礼します」

近藤卓造「これは本部長と緒方刑事部長、今日は何用で?

緒方雄一「真琴くんにプレゼントを持って来ました」

大下真琴「もう届いたんですか?

緒方雄一「ああ、どうぞ開けてごらん」

 

 

 

 

緒方刑事部長が真琴の前にアタッシュケースを置いた。

真琴が蓋を開けるとスミス&ウェッソンのショーティ40がの黒が一丁と替えのマガジンが一個入っていた。

真琴は教えられたわけでもないのに慣れた手つきでマガジンをショーティに差し込みました。

 

 

 

 

“カチャンジャキ

 

 

 

 

緒方雄一「よく分かったね」

真琴「はい」

緒方雄一「これは替えのマガジンが入っています、えっと全部で1000個はあるかな」

真琴「ありがとうございます」

 

 

 

 

 

ダンボールが一つかなり重そうです。

 

 

 

 

 

松本本部長「真琴くんがこの銃を正しいことに使うって信じています、だから持たせることにしました」

大下真琴「はい約束します」

松本本部長「いい子だ頼みますよ」

大下真琴「はい」

 

 

 

 

この日から真琴とショーティ40の長い付き合いが始まります。

本部長たちは県警に戻って行きました

真琴たちはパトロールに出た。

302号車に乗っています。

適当に走らせる大下勇次

ブティックが並ぶ通りに出たところで銃声がしました。

 

 

 

 

“バァン💥

 

 

 

鷹山敏樹「勇次、あっちだ」

大下勇次「OK、バックするぞ」

 

 

 

 

と言って猛スピードでバックした。

すると真琴の様子がおかしくなった

 

 

 

 

大下真琴「き、気持ち悪い・・・」

鷹山敏樹「マジかよ!待て!ここで吐くなよ」

大下真琴「ん~うぷ」

鷹山敏樹「勇次まだかよ、真琴がヤバイ!

大下勇次「ドア開けたら吐いていいよ」

 

 

 

 

 

302を止めた。

真琴はすぐに飛び出して目の前の店に入りトイレに駆け込んだ。

しかしその後すぐにシャッターが閉じてしまった。

鷹山と大下は目の前まで来て入れなかった。

 

 

 

 

大下勇次「タカ、真琴が一人で入って行ったよ」

鷹山敏樹「ごめん置いて行かれちゃった」

大下勇次「タカァ~真琴一人にしたらマズイぜ」

鷹山敏樹「課長に報告する?怒鳴られそうだけど」

大下勇次「しかたない」

 

 

 

 

 

、言って勇次が無線を取った。

 

 

 

 

近藤卓造「なんだって!強盗!しかも中に真琴くんがいる?!なんでそういうことになるの!?

大下勇次()『だって車の中で吐きそうで、それでブティックの前に止めたら一目散に入って行っちゃったんですもん』

 

近藤卓造「分かった吉井たちを向かわせる」

大下勇次()『了解』

 

 

 

 

課長がため息をついて出て来ると吉井たちが集まって来ました。

 

 

 

 

吉井浩一「課長、大下たちがどうかしたんですか?

近藤卓造「署長が車に酔って入ったブティックに強盗が入ったんだ」

田中文男「えぇ!そんなバカな、でっ署長は?

近藤卓造「分からん、大下たちはシャッター閉まった入口の前で待機している、すぐに向か

ってくれ」

 

吉井浩一「分かりました、おい行くぞ」

 

 

 

 

一方、ブティックの奥のトイレにいる真琴は泣きながら嘔吐していた。

 

 

 

 

大下真琴「ウェ、ウェウァ~ン(д; )

 

 

 

しかし犯人たちに気づかれてはいなかった。

 

 

 

 

強盗犯A「斉木から預かっている物があるだろう出せ!

店長「奥の部屋にあります」

強盗犯B「取りに行け」

 

 

 

 

もう一人の犯人に拳銃を突き付けられながら奥へと進んで行く

途中トイレに差し掛かりました音はなくシーンとしていました。

真琴は個室の中で殺気を感じて息を潜めていた。

幸いいつものショルダーバッグを下げているため拳銃も武器も揃っている

トイレも流した後なので気づかれることもありませんでした。

トイレからそっと出ると店長と強盗犯のいる所へ近づいて行った

 

 

 

 

強盗犯A「金は?あるはずだぞ」

店長「金庫の中です」

強盗犯B「開けろ」

店長「はい、お待ち下さい」

 

 

 

 

 

鍵の束を手にして金庫に近づいて行くと右横に隠れている真琴と目が合った。

真琴はメモを見せた

 

 

 

 

真琴『僕はこれでも警察官です、犯人は何人いますか?

 

 

 

すると店長は鍵を開け扉を開くと指で『4』と示した。

犯人たちには気づかれずやり過ごせた

犯人たちは目の前の金をバッグに詰めていた

真琴はうなずくとジェスチャーで人差し指を口元に当てて合図をすると店長も

瞬きで応えました。

真琴は裏口のドアをそ~っと開けて外に出た。

 

 

 

 

大下勇次「突入するしかない、中に真琴がいるんだぞ」

鷹山敏樹「落ち着けって、あの子なら上手くやるさ」

 

 

 

 

と、言った大下たちの背後から真琴が現れた。

 

 

 

 

大下真琴「あ~スッキリした!

大下勇次「びっくりした!お前どうやって出て来たんだよ?

大下真琴「裏口から普通に出て来たんだけど」

田中文男「強盗がいたでしょ中の様子はどうなっていました?

大下真琴「犯人は4人組、今金庫の中の金を必死で詰めているよ」

鷹山敏樹「よしパパたちはここにいて俺たち3人で行く、署長案内しろ」

大下真琴「そのつもり着いといで」

吉井浩一「待った!俺たちは?

大下真琴「待機だ、万が一強盗犯が出て来たら逮捕しろ」

吉井浩一「了解、気をつけて」

 

 

 

 

 

真琴・勇次・敏樹の三人は拳銃を手にして裏口から入って行きました。

中に入って真琴を先頭に進んで行きます。

 

 

 

 

大下真琴「この先だ」

 

 

 

 

ここに来て真琴の目つきが変わった。

念のために言っておきますが真琴は5歳児です。

そんな真琴の変化に鷹山と大下勇次も気づいていた。

すると奥の方から金庫の鍵を回す音が聴こえて来ました。

犯人たちが必死で金庫を開けようと悪戦苦闘しているところだ

敏樹や勇次とアイコンタクトを取ると犯人たちに声をかけた。

 

 

 

 

大下勇次「そこまでだ、金庫から離れろ」

 

 

 

 

 

と、勇次が言うや否や強盗犯の一人が発砲して来たのです。

 

 

 

 

 

“バン💥バン💥バン💥

 

 

 

大下勇次「あらら、随分気の短いこと」

大下真琴「警察だ、手を挙げろ!

鷹山敏樹「ムリムリ利くわけないって」

 

 

 

 

その矢先にまた犯人の一人が発砲して来ました。

 

 

 

大下真琴「あぶねぇ!当たるかと思った」

強盗犯C「あん?ガキの声がすんぞ」

強盗犯B「おい、開いたぞ」

 

 

 

扉を開け強盗犯A・B・Dが中の金をボストンバッグに詰めた。

強盗犯Cが威嚇射撃をして来た

もちろん大下たちも応戦します。

真琴は撃つ度に転がっていた。

 

 

 

 

 

大下真琴「う~痛い!

鷹山敏樹「真琴、お前大丈夫か?

 

 

 

 

鷹山は流れ弾に当たらぬよう真琴の右足首を掴むと引き寄せてくれました。

 

 

 

 

大下勇次「おきゃがれこぼしみたいだなコロンコロン転がって」

大下真琴「ありがとうタカさん」

鷹山敏樹「勇次、何としてもここから出すわけにはいかないぞ」

大下勇次「ああ、ここでキメルしかないよな」

大下真琴「やるなら一気にやろうぜ、俺手が痺れて来ちゃった」

 

 

 

 

 

一気に・・・さすが勇次の息子だけあって言うことも同じだ。

 

 

 

 

鷹山敏樹「そうだなマコの手が動くうちにやるか」

大下勇次「OK!行くぞ」

 

 

 

 

3人は物陰から飛び出すと一人ずつ仕留めて行きました。

BとCは勇次が撃ちました、そこへ吉井たちも拳銃を持って乗り込んで来た。

 

 

 

 

 

町田透「先輩、署長大丈夫ですか?

大下真琴「うん、手が痺れちゃって腕までジンジンする」

田中文男「無事でよかった」

 

 

 

 

 

強盗の一味を逮捕して連行しました。

覆面パトカーに乗って署に戻ると分かれて取り調べを始めた。

 

 

 

 

近藤卓造「みんなお疲れ、よくやった署長もお疲れ様です」

大下真琴「いえ、ありがとうございます」

 

 

 

 

と言って真琴はペコリと頭を下げました。

それから真琴は報告書を書きました。

松本本部長に提出するためです。

真琴は幼稚園児なので近藤課長が代筆してくれました。

 

 

 

 

 

 

近藤卓造「これでどうですか?

大下真琴「はい、ありがとうございます」

 

 

 

 

真琴は原稿用紙を丁寧に畳むと封筒に入れました。

 

 

 

 

 

大下真琴「二人とも一緒に行ってくれる?

鷹山敏樹「OK!行くよ」

 

 

 

 

そう言うと鷹山はサングラスをかけて立ち上がった。

勇次もコーヒーを飲み干して立ち上がりました。

覆面パトカーで県警まで行ってくれました。

玄関の前では緒方刑事部長が立っていた。

 

 

 

 

緒方雄一「やぁ、待ってたよ私が案内するからついて来なさい」

大下真琴「はい」

 

 

 

 

エレべ―ターに乗ると緒方刑事部長が声をかけて来た。

 

 

 

緒方雄一「そんなに緊張しないで食べられるわけじゃないんだから」

大下真琴「はい、すいません」

緒方雄一「フッかわいいね、素直で良い子だ」

 

 

 

大下と鷹山は一階のロビーで待つことにした。

二人とも真琴のことを心配していた。

 

 

 

 

大下勇次「あいつ大丈夫かな?

鷹山敏樹「かなり緊張していたからなぁ吐くかも」

大下勇次「どうしよう怒られちゃうぜ」

鷹山敏樹「まぁ緒方さんも一緒だから平気だろう」

 

 

 

 

 

その頃、真琴は松本本部長のオフィスの中に通されていました。

 

 

 

 

大下真琴「こんにちは、報告書を持って来ました」

松本本部長「こんにちは、よく来たね、さぁどうぞ」

大下真琴「失礼致します」

 

 

 

 

緒方刑事部長も松本本部長のとなりに座りました。

 

 

 

 

 

大下真琴「これが報告書です、近藤課長に代筆してもらいました」

松本本部長「そっかまだ字は書けないか、分かりました」

 

 

 

 

封筒を受け取り中身を取り出して目を通す。

一枚読み終わると緒方刑事部長に渡して読むように促した。

緒方刑事部長も頷いて受け取ると目を通しました。

 

 

 

松本本部長「強盗犯を捕まえたのかホシは4人いたんだね」

大下真琴「はい、でも捕まえました」

松本本部長「うん、よくやってくれました」

大下真琴「取り調べが終わったら検察へ送ります」

松本本部長「いいでしょう私の方から検察には連絡しておきましょう」

大下真琴「ありがとうございます」

松本本部長「それより仕事には慣れましたか?なにか不自由なことはあるかな?

大下真琴「仕事は楽しいです、みんなも優しくしてくれます」

松本本部長「それはよかった困ったことがあったらいつでも相談してくれていいからね」

大下真琴「ハイ、えっと、とってもうれしいです」

 

 

 

 

 

真琴は今の気持ちを正直に伝えた。

すると緒方が質問して来た。

 

 

 

 

 

緒方雄一「君はサンドウィッチを踏まれたから怒ったんだよね?

大下真琴「はい、そうです」

緒方雄一「うん」

 

 

 

 

緒方刑事部長は真琴がキレタ原因を知ると納得したようにうなずいた。

 

 

 

 

松本本部長「誰だって食べていた物を踏みつけられたら怒っちゃうよね」

大下真琴「それも俺の目の前でメチャクチャにされたので・・・つい」

松本本部長「分かるよその気持ち」

 

 

 

すべてを読み終えると本部長は言いました。

 

 

 

 

松本本部長「また次も期待しています、頑張ってね」

大下真琴「はい、では失礼致します」

 

 

 

 

 

1階のロビーでは大下と鷹山が待っていました。

真琴の姿を見るとホッとした様子で立ち上がった。

 

 

 

 

大下勇次「お帰り、お疲れ」

大下真琴「うん」

 

 

 

“タタタッ”と走って来て勇次の腰に抱き着く真琴。

 

 

 

 

 

大下真琴「ジュース飲みたい」

大下勇次「よし、コンビニに寄ろう」

 

 

 

 

 

大下は途中セブンイレブンに寄ってくれました。

真琴は籠を持つと、じゃが塩バター4つ、モロッコヨーグルト2つ、ココアシガレット1

すこんぶ1箱、キャベツ太郎1袋、よっちゃんイカ2つ、わたパチ2つ、ハイレモン1

プリッツ、チップスター、マーブルチョコ、じゃがりこじゃがバター、ファンタぶどう

うまい棒のチーズ・コーンポタージュ・ピザ・やさいサラダ・牛タン塩・たこ焼味を1個ずつ買いました。全部で24品です。

真琴は5歳、今のところはまっすぐに育っています。

 

つづく。

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