2015年1月5日月曜日

スーパーあぶない刑事45話

     『変化』真琴とあの人の共通点



次の日、港署では特に事件もなくヒマであった。
しかしそこに真琴の姿はない。
米軍基地に来ていた。





カレン「makoto、この間はすまなかった」
大下真琴「いえ、聞けてよかったです、それにカレンさんとは違うけど俺にも他人には言えない
悩みっつうかトラウマがありますから」
ハンナ「よかったら、聴かせてくれないか?他人の方が話しやすいってこともある」







CALLENもSAMも日本語が上手くなっている
真琴は迷いながらも二人の顔を見て話すことを決心した。







大下真琴「笑わない?そんなことで?とか言わない?」
サム「言わない、約束する」






SAM・HANNAの真剣な目を見て真琴はうなずいた。






大下真琴「俺、幼稚園の頃、年長組入ってからはいつも先生に怒られてた、ひどい時は教室に閉じ込められた」
カレン「そんな問題児だったのか?」
大下真琴「さぁ、変わっていたからじゃない? みんなと違う行動を取ると怒られるんだ」
ハンナ「そんな・・・ひどい先生だな、違っていて当たり前なのに!」
大下真琴「俺もそう思います、でも卒園するまでそんなことが度々ありました」






CALLNとHANNAは交互に真琴を抱きしめた。






カレン「俺も辛かったからマコトの気持ち分かるよ」
大下真琴「ありがとう、それからは小学校でもいじめられるようになった」
サム「分かった、もういいそこまで聞けば充分だ、よ~く分かったよ」






二人は真琴が刑事になるまでの生い立ちをすべて理解したようだ。







カレン「昔からそうだ、人と違うところがあるといじめが起きる差別をしたり仲間外れにしたりする、アメリカでも同じだ」







それからはいつもの訓練で汗を流すと兵隊さんたちと別れた。







大下勇次「お帰り、どうだった?」
大下真琴「いい話ができた」
大下勇次「ふ~ん、乗れ」
大下真琴「うん」







勇次は黙って署に向かって車を走らせた。
署に着くまで会話はなかった。
署に戻るとみんないつも通りの様子だった。






青木順子「お帰りなさい、どうでした?」
大下真琴「ハードでしたよ、いや疲れました」
松田香苗「コーヒーでも飲みますか?」
大下真琴「はい、お願いします」






香苗がブラックコーヒーにミルクと砂糖を入れて持って来ました。





松田香苗「はい、カフェオレどうぞ」
大下真琴「ありがとう」







勇次は鷹山と本城のいる所へ行った。






本城慎太郎「ずいぶん明るいじゃない、なんかあったのか?」
大下勇次「それは本人から聞いた方がいいかもよ」
村木拓「そうします、ねぇ署長」
大下真琴「なんでしょう?」
村木拓「なにかいい事でもあったんですか?表情が明るくなってるから」
大下真琴「まぁ、なにみんな聞きたいんですか?」
みんな『聞きたい』
芝夏美「最近、署長が変わったって、みんなで話していたんです」
大下真琴「気づいてたんだ」






真琴はみんなを見つめたまま少し考えた。
そして・・・






大下真琴「米軍基地で俺が入ったチームの兵隊さんがよくしてくれるんだ」
海堂進二「それだけですか?」
大下真琴「カレンさんという隊長さんとハンナさんという副隊長さんがいるチームだったんだけど、カレンさんの方が俺とちょっと似ているところがあって意気投合して仲良くなったんだ」
芝夏美「そうだったの」
大下真琴「お互いのことをいろいろ話した、それだけ」






それ以上は誰も何も聞きませんでした。
真琴は自分の席で資料の見直しをやり始めた。
数時間後、電話が鳴り副署長が出ました。







近藤卓造「はい、港署捜査課、なに!立て籠もり?!ああ、よし分かった」






と、言って電話を切ると・・・






近藤卓造「スーパーで強盗グループが人質を取って立て籠もったそうだ」
大下真琴「分かりました、行くよ」
みんな『はい』






真琴のスイッチが切り替わり刑事の顔つきになりました。





徳川治樹「強盗グループって言ってたな」
大下真琴「ああ、ということは少なくとも5・6人はいると考えていいね」
徳川宗明「あとは人質の数だな、多ければ多いほどリスクも大きくなる」






早速真琴はあらゆる可能性を考えて戦略を練った。
現場に着くと制服警官に状況を聞いた。






大下真琴「ごくろう様、状況は?」
巡査A「犯人グループは我々に中へ入るなと要求したきりなにも言って来ません」
徳川宗明「人質の数は?」
巡査B「少なくとも10人はいると思います」
大下真琴「分かった、策を練る」






真琴・大岡・遠山の三人は話し合いました。
しかしその矢先にスーパーの中から大下たちに向かって発砲して来たのです。






“ダダダダッ💥”






マシンガンをぶっ放す犯人たち窓ガラスを割って撃ちまくっている。







木葉聡「これじゃ近づけないぞ」
田中文男「かと言ってここからじゃ我々の銃じゃ奴らのところまでは届かない」
吉田春彦「どうしますか?打つ手なしですよ」
徳川吉之「三人とも策は浮かばないのか?」
大岡忠利「もう少しです」






大岡が答えた。
すると真琴は覆面パトカーのトランクからライフルと防弾ベストを取り出した。
三丁持って来ると一丁を鷹山にもう一丁を治樹にベストと一緒に手渡した。






大下真琴「俺たちで突破口を作るから後からついて来い」







三人は防弾ベストを装着してライフルにマガジンをセットした。







“カチャン⚡️カチン⚡️”







大下真琴「行くぞ、二人とも」






鷹山と治樹はうなずいた。
三人はスーパーの入口まで一気に走って行きます。
犯人たちが気づいた時にはすでに入口に到着していた。







犯人P「入って来たぞ」
犯人リーダー「いつの間に!なんで見張ってねぇんだよ💢」






犯人グループの中の三人が真琴たちに発砲して来ました。







徳川治樹「人質を確認した、これからどうする?」
大下真琴「中に入ってからことを何も考えてねぇ!」
鷹山敏樹「構わない状況は常に変わる」






真琴は気配を探りながら注意深く歩いた。
合図をして分かれて進んだ。
そしてホシの一人を見つけた。
拳銃を向けると真琴は迷わず発砲した。






“ズダダダッ💥”






犯人O「うぁっ!痛って」
徳川治樹「真琴もう一人いるぞ!」





“バババン⚡️”





犯人G「うぐっ!」
鷹山敏樹「二人とも無事か?」
大下真琴「ああ、おかげで助かったぜ」






そこへ大下たちも突入して来た。






大下勇次「みんな無事か?」
大下真琴「人質を解放しろ、勇次と敏樹は裏へ回れ、治樹と宗明と慎太郎と秋夫は俺と来い、吉之、跡は頼む」
徳川吉之「引き受けた、気をつけて行け」
大下真琴「ああ、みんなは人質と脱出しろ、合図したら行け」
青木順子「はい」
犯人リーダー「人質を殺せ!一人残らずだ」
大下真琴「そうはさせるか、順子行け!」
青木順子「外に出て下さい」







悲鳴を挙げながら脱出しました。
村木・原田・谷村・吉田も出て行きました。







大下真琴「よし、残ったのは俺たち六人だけだ、宗さんは慎太郎と行け、分かれて行く」
徳川宗明「了解、治さん署長のことを頼むぜ」
徳川治樹「ああ、任せておけ、気をつけて行けよ」







二人ずつに分かれて潜入した。
犯人たちの姿は見えない。
その時、車の発進音が聴こえて行ってみると一台のワゴンが地下駐車場から飛び出して来ました。
真琴たちもすぐに外に出て追いかけました。






本城慎太郎「おい、追うぞ、大下、吉井さん」
吉井浩一「中さんとワゴンを追跡しているところだ大桟橋に向かって進行中」
大下勇次「ナイス、パパすぐ行く」
大下真琴「横浜税関から回り込む、治ちゃん」
徳川治樹「挟み撃ちかOK、捕まっていろ」






治樹はアクセルをベタ踏みしてスピードを挙げた。
真琴はライフルを置いてシグ・ザウエルのマガジンの弾の数を確かめると拳銃にセットして靴を脱いで
立ち上がりサンルーフを開けて準備した。
宗明が後部座席で真琴の体を支えた。






徳川治樹「正面に出るぞ、準備はいいか?」
大下真琴「いつでも、ぶっとばせ」
犯人C「おい!前からも来ているぞ!」








気づいた時には時既に遅し、真琴が狙いを定めていた。





“バン⚡️ポス⚡️キキィ~💨”





見事タイヤに当たった。







犯人B「クソ!うおっ」







倉庫街に犯人グループの車が入って行く





大下勇次「この辺りだ、真琴、どこにいる?」
大下真琴『前だよ、左に曲がれ』







本城たちも次々に集まって来ました。
そしてある倉庫の前にワゴンが止まっているのを確認した。







谷村進「あれだ、署長」
大下真琴「止めよう」





気づかれないように覆面パトカーを止めました。
拳銃を手にすると分かれて倉庫に近づいて行きました。
扉が少し開いていたので中を覗いてみた。
暗かったので真琴は懐中電灯をカバンから出して点けた。






徳川宗明「準備いいね」
大下真琴「みんな持ってないの?」
本城慎太郎「残念ながら持ってねぇな」
大下真琴「欧米じゃ当たり前のように備えているよ」
本城慎太郎「うわっ!リアルだ、ごめんね」







ため息をつくとついて来いと治樹たちに合図をした。
治樹たちも着いて行く、真琴は気配を探りながら歩いて行く。
しばらく進むと奥の方で音がした。
その時、真琴が上に銃を向けて発砲した。





“バン⚡️バン⚡️バン⚡️”






犯人C「うおっ!あ~」






一人仕留めた。
裏口から入って来た勇次たちと合流した。
敏樹が奥を指したのでうなずきで応えて奥へと進んだ。






徳川宗明「話声がする、そこだ」
犯人B「こいつでモールをふっとばす爆弾テロを起こしてサツの目をテロに向けてさせて、その隙に高飛びする」
犯人A「それで突破するしかねぇな」
村木拓「とんでもねぇ計画を立てていやがる」
大下真琴「だが失敗で終わる、行くぞ」





真琴が指で3・2・1とカウントした。






本城慎太郎「あ~おはずかしぃったらありゃしない、ペラペラと計画をしゃべっちゃうなんてさ」
原田実「港暑だ!」
犯人B「バカな!いつの間に?」
大下勇次「注意力が足りないぜ、簡単に侵入できた」
鷹山敏樹「チェックメイトだ」







勇次と敏樹も銃を向けながら姿を見せた。






大下真琴「カーチェイスで逃げたつもりだろうが残念だったな」
徳川治樹「これでモールをふっ飛ばす計画もパァだな、観念しろ」
犯人D「やっちまえ!」





“バン⚡️バン⚡️バン⚡️”






ホシたちが銃を向けた瞬間、勇次たち全員同時に発砲してホシたちを仕留めた。





犯人たち『うわぁ!』
徳川吉之「愚か者め、この人数に勝てるとでも思ったのか?」
大下真琴「フッ、いいねぇ」





萩原も駆けつけて来たが






萩原秋夫「俺の出番がなかった」





犯人グループの腕や肩を打ち抜いて全員に手錠を掛けて連行しました。
署に戻ると真琴は報告書を書いた。
作文用紙に細かい作戦実行のところまで書いています。
提出に行くと・・・






緒方雄一「ご苦労様、最近変わったことはないかい?」
大下真琴「なにも、問題ありません」
緒方雄一「よろしい、行っていいですよ」






会釈をして出て行きました。
次は大原刑事部長のところへ・・・





大原功一「よくテロ計画を未然に防いでくれました」
大下真琴「俺もホッとしました」
大原功一「ところで最近はどうかね?」
大下真琴「特に変わったことはありません」
大原功一「よろしい、次も期待してるよ」
大下真琴「はい、失礼します」






オフィスを出ました。
真琴は首をかしげた。






徳川治樹「どうかしたのか?」
大下真琴「ちょっとね」






最後は浅見刑事局長のオフィスです。
部屋の前でノックをしました。





浅見陽一郎『どうぞお入り下さい』
大下真琴「失礼します」





中へ入りました。






浅見陽一郎「報告書ですね、待っていましたよ」





真琴は封筒を手渡した。
浅見刑事局長は中身を取り出して目を通した。
読みながら真琴にこんな質問をして来ました。






浅見陽一郎「最近、変わったことはありませんか?」
大下真琴「フッ、なぜそう思うんです?」
浅見陽一郎「質問に答えてくれるかな」
大下真琴「特にないですね、次は俺の質問にお答え下さい」





浅見刑事局長は書類を机に置いて言いました。





浅見陽一郎「キミは心の病に掛ったろう、それでみんな心配してるんだ」
大下真琴「そうでしたか、大丈夫です、ご心配なく」
浅見陽一郎「それならいいんだ、困ったことがあったらいつでも連絡して下さいよ」
大下真琴「はい、ありがとうございます」







真琴はみんなが自分のことを心配してくれていることを知った。
その上で明日からも頑張ろうと思ったのです。
本日はここまで



つづく。

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