2015年1月1日木曜日

スーパーあぶない刑事44話


  『戻って来た敵』




今日、東京拘置所から一人の男が釈放された。





坂巻「お世話になりました」





殺人鬼・坂巻祐一31才が横浜に戻って来た。
横浜港暑。
電話が鳴り真琴が出ました。






大下真琴「はい港署捜査課、あっ本部長、はい、それで今日は・・・?」
緒方雄一『今日、東京拘置所から坂巻が釈放されました、真琴くん充分気をつけて下さい』






緒方の話を聞いて真琴の顔色が変わったのをみんなが見ていました。






大下真琴「はい、ありがとうございます、失礼致します」





電話を切った。






鷹山敏樹「署長、どうしたんですか?本部長はなんて?」
大下真琴「今日、東京拘置所から坂巻が釈放されたって、それで俺に充分気をつけろと言われた」
大下勇次「坂巻ってあの6年前にお前が逮捕した、あの坂巻か?」
大下真琴「ああ、7才の頃、初めてデカイヤマだった、殺人鬼、あの坂巻だ」







近藤副署長も吉井たちも無言のままである。
すると大岡が資料室へ行って坂巻の捜査資料を探して持って来ました。






大岡忠利「山下町・関内などで大手会社の社長が暗殺された事件」
田中文男「石川町のマンションや歩道橋からも白昼堂々暗殺する凄腕だったよ」
鷹山敏樹「銀星会からの依頼が多く、対立していた組の幹部を殺したりなんでもやってた」
大下勇次「すげぇあぶない奴、恐らく保釈金を出したのは銀星会だろう」
鷹山敏樹「狙いは・・・」
敏樹&勇次『復讐』







タカとユージの声が揃った。






谷村進「一番ヤバイのは署長じゃないですか、坂巻撃って手錠掛けたのは署長でしたから」
吉井浩一「あ~そうだったな」






と、みんなが真琴の方を見た時にはすでに真琴の姿がなかった。







萩原秋夫「あれ、消えちまったぞ?今までいたのに」
町田透「署長を一人にしたらマズイですよ」
宮本謙「見つけてガードしてくれ」






大下たちも出て行きました。
真琴はショルダーバッグを下げて歩いていた。






徳川吉之「真琴は囮になるつもりだ」
徳川宗明「もうなってるよ」






宗明に突っ込まれ苦笑いをする吉之だった。






青木順子「まだそう遠くへは行っていないはずです」
本城慎太郎「よし、散ってくれ」







手分けして真琴を探すことにしました。






大月半蔵「これは探すのは一苦労だな、どっちへ行ったのか?」
十文字隼人「では俺と皐月はあっちを探します」
大月半蔵「頼む、散り散りに探そう、園子」
倉田園子「はい、早く見つけなくちゃ」








忍び組も分かれて探すことに・・・
その頃、真琴はPOLESTAR近くを歩いていた。






マスター「いらっしゃい、おや今日はお一人ですか?」
大下真琴「うん、梅ソーダ下さい」
マスター「承知しました」








マスターは何も聞かず梅ソーダを作って出してくれました。
真琴はカウンターの角で思い詰めた顔をしている。
そこへドアが開いて大下・鷹山・治樹・宗明が入って来ました。







大下勇次「やっぱりここにいた、マスター俺ソーダ」
マスター「はい、すぐに」
大下真琴「チッ!もう見つかっちまったか」
鷹山敏樹「すぐにここだと思ったよ、ここなら狙いやすいからな」
徳川治樹「水臭いじゃないか、俺たちを置いて行くなんて、なぁ宗さん」
徳川宗明「そうだよ、俺たち仲間じゃないか」
大下真琴「今回は危険すぎる俺一人で坂巻を逮捕する」
大下勇次「逮捕?殺すつもりだろ」








勇次の一言で真琴の顔つきが変わった。
目が据わっている








大下真琴「どっちにしろ同じだ、俺が囮になるしかあるまい?」
鷹山敏樹「それは違う、確かに6年前坂巻を撃ったのはお前だ、しかしそれは銃撃戦の末そうなった」
大下真琴「でも本部長は俺に気をつけろと言った」
大下勇次「お前だけじゃない、俺たち三人にだ」







珍しく勇次が感情的になっている
治樹と宗明は三人のやり取りを見ていた。







鷹山敏樹「治樹さん、宗明さん、今回は俺たち四人で真琴を守る、いいですね?」
徳川治樹「ああ、そうしよう」
徳川宗明「異議なし」








真琴はシブシブ了承した。
その矢先のこと、赤いレーザーが真琴の胸に当たったのを見た治樹が真琴を抱えて伏せた。







徳川治樹「あぶない!真琴」







“パン⚡️パリン⚡️ポス⚡️”






弾は真琴が座っていた椅子に当たった。
タカとユージが窓から見上げたところにライフル銃を構えている男の姿が見えた。







大下勇次「タカ!真琴はここにいろ」






と、言うと勇次と敏樹は店を飛び出して行きました。







徳川治樹「ケガはないか?」
大下真琴「大丈夫、庇ってくれてありがとう、ハルさん」






治樹は真琴の頭を撫でながら笑顔でうなずいた。







徳川宗明「しかし、白昼堂々狙って来るとは、それも確実に真琴の心臓を撃ち抜けるところに撃ち込むとは・・・」





一方、狙撃者のところへ向かっている勇次と敏樹は向かいのビルの階段を上がっていた。







大下勇次「なんでエレベーターがねぇんだよ💢」






やっとのことで屋上に辿り着いた勇次と敏樹だったがすでに狙撃者の姿はどこにもなかった。
周りを見回っていると屋上から下に向かって長いロープが垂れ下がっていることに気づいた。
二人は下を見下ろしてみると・・・男がロープを伝って降りて行くところだった。







大下勇次「坂巻!これじゃ届かねぇ」







拳銃で狙うも届かないと判断しやめた。
下に降りると男は大下たちの方を見上げて勝ち誇ったかのように笑って車に乗り込んで逃走した。
鷹山と大下は悔しい顔つきで店に戻って来た。






徳川宗明「ダメだったのか?」
鷹山敏樹「はい、逃げられました」
大下真琴「気にしないで想定内だから」







と、真琴が言うと勇次は目線を真琴に合わせて言いました。







大下勇次「お前のことは俺たちが守る、だからムチャなことは考えるなよ」
大下真琴「リョーカイ」







と、真琴も応えました。
ところがこの後、真琴がブチギレル事態が次々と起きる。
里菜と家吉が学校から帰る途中突如ゴミ置き場が爆発。
幸い里菜が腕に擦り傷を負った程度で済んだ。
病院から菜美の知らせが入り吉之が出た。







徳川吉之「爆発で里菜が怪我をした!?」
大下真琴「えっ!」
菜美『幸い腕を擦りむいた程度で、家吉は大丈夫よ』
徳川吉之「よかった、すまないが里菜を頼む」
菜美『ええ、真琴さんに心配しないでと伝えて』
徳川吉之「ああ、また連絡する」








吉之も携帯電話を持っていた。






大下真琴「吉之さん、里菜の容体は?」
徳川吉之「心配ない、擦り傷で済んだ、爆発もそんなに大きくなかったそうだ」
大下勇次「ゴミ置き場が爆発したのと里菜ちゃんがそれで怪我をしたのは偶然だと思うか?」
大下真琴「ヤツの仕業だ狙いは俺を動揺させることだろう」





そこへ宮本課長から連絡があった。







宮本謙「宮本です、署長、今、坂巻から電話があって近くの公衆電話にトランシーバーがあるから取りに行けと指示がありました」
大下真琴「近く?あそこか、了解、俺が行く」
萩原秋夫「俺も一緒に行く、いいよな?」
大下真琴「ああ」







と、言って真琴と秋夫は覆面パトカーから降りて公衆電話へ向かった。
扉を開いて本体を調べると電話の下裏に茶封筒がガムテープで付けられていた。
ガムテープをはがして中身を取り出すとトランシーバーが入っていた。
それを手にするトランシーバーから坂巻の声がした。








坂巻祐一『久しぶりだな、6年前より逞しくなっているな』
大下真琴「テメー狙いは俺への復讐だろう、関係ない奴を巻き込むな!」
坂巻祐一『私の復讐は始まったばかりだ、しばらくはつき合ってもらうぞ』
大下真琴「そうはさせない、守ってみせる」
坂巻祐一『止めたければ捕まえるしかないぞ、お前にできるかな?』
大下真琴「お前は俺が捕まえる首洗って待ってろ」
坂巻祐一『フッではゲーム開始だ』






そこで電話が切れた。
公衆電話から出ると治樹の覆面パトカーに乗りました。







徳川治樹「坂巻はなんだって?」
大下真琴「ゲーム開始だって、んっ?なにか入ってる」






真琴は封筒から紙を取り出した。







徳川宗明「どっかの地図みたいだな」
大下真琴「山下公園だ、治樹行ってくれ」
徳川治樹「分かった」
大下勇次『待て、真琴、俺とタカが行く』
大下真琴「ダメだ、三人は署に連絡しろ、治樹」






治樹はうなずくと車を発進させました。
一足違いで本城たちが応援に来ました。







青木順子「すいません遅くなって、署長は?」
鷹山敏樹「治樹さんたちと山下公園へ向かった」
吉井浩一「坂巻の昨日の行動が分かったぞ、ガンショップで拳銃2丁と弾を4箱買っていた、38口径のリボルバーとベレッタ96FS15+1発の弾を持ってる」







吉井の報告を聞いて大下と鷹山と萩原は真琴があぶないと感じ山下公園へ向かいました。
その頃、坂巻はビルの屋上から山下公園にライフル銃を向けていた。
一方、山下公園に着いた真琴・治樹・宗明は周りを見回した。







大下真琴「奴はこの中にいるはず」
徳川宗明「手分けして探そう、気をつけろよ」
大下真琴「宗さんたちも」






それぞれ一人になって坂巻を探した。
その坂巻はビルの屋上からライフルで真琴に狙いを定めていた。
そしてUターンして山下公園に向かっていた大下と鷹山もすぐ近くまで来ていた。







鷹山敏樹「勇次、治樹さんの覆面パトカーだ」
大下勇次「間に合ってくれよ」







すぐ後ろから萩原、本城、青木、芝、村木の覆面パトカーも到着した。






本城慎太郎「よ~し探すぞ、散ってくれ」
徳川吉之「しかし三人を見つけても肝心の坂巻を見つけられなければどうしようもないぞ」
原田実「その通りです、坂巻を先に見つけないと」
藤村亮「きっと近くから見ているはずだ」






すると夏美が公園内にいる真琴を見つけた。







芝夏美「いたわ、署長よ、あとは坂巻ね」







藤村はとあるビルの屋上から光っている物を見つけた。
それが山下公園に向けられていることに気づいた。






藤村亮「本城さん、あそこあのビルの屋上にいる男、坂巻じゃないっすか?」
本城慎太郎「あん?やべぇ!署長のところへ急げ!」
萩原秋夫「ライフルがあれば阻止できるんだが」





そして一発の銃声がした。






“パン⚡️”






その音で大下たちも振り返った。
治樹と宗明はうずくまっている真琴を見つけて駆け寄った。






徳川治樹「署長!撃たれたのか?」
大下真琴「大丈夫、間一髪だったけど」
大下勇次「真琴、無事か?」
本城慎太郎『お~い、あのビルにいるぞぉ!』







本城の声に気づいて見上げると坂巻がライフルをしまうところだった。







大下勇次「あのヤロウ💢」
大下真琴「先に行く、車を回せまた逃走するかもしれない」
大下勇次「分かった、気をつけて行けよ」
大下真琴「ああ」







治樹たちも覆面パトカーに乗り込みました。
真琴がビルの前に着くと地下駐車場から一台の車が飛び出して来ました。
運転席には坂巻が乗っていた。







大下真琴「坂巻、うわっ!」







危うく引かれそうになったがとっさに避けた。
おかげで当てられずに済んだ。
そこへ勇次の覆面パトカー港301が止まった。






大下勇次「乗れ、息子」
大下真琴「よっしゃ!」







後部座席に乗り込むと・・・






大下真琴「俺が許す、ぶっとばせ」
大下勇次「OK、しっかりシートベルトを締めろよ」







勇次はアクセルをベタ踏みして猛スピードで坂巻の車を追った。






徳川宗明「あら、パパの方の車に乗っちゃった」
徳川治樹「宗さん掴まってて」






治樹と秋夫も覆面パトカーで大下たちを追いかけます。
すると大岡から無線が入りました。






大岡忠利「署長、くれぐれも冷静に坂巻の思い通りにならないように」
大下真琴「忠利さん、そうだったありがとう」







今こそデカIQ250の実力を見せる時です。







大下真琴「勇次、車を止めろ、作戦を練る、しばらく待ってくれ」
大下勇次「了解、署長」







タカも真琴を見た。






鷹山敏樹「それにしても坂巻の奴、いつから知能犯になったんだ?前は勇次みたいな奴だったのに」
大下勇次「俺みたいにとはなによ、まるで俺がなにも考えてないみたいじゃないの」
鷹山敏樹「ほぼそうだろう一気の勇次なんだから」
大下真琴「コラコラ、集中できねぇだろうが」
勇次&敏樹『すんませんでした』






再び集中して考える真琴。






大下真琴「なぁ、坂巻の狙いは俺への復讐だよな」
大下勇次「俺たちへのね、だとしたら何だ?」
      ・・
大下真琴「ふつうなら俺たちの弱点を突いて来るよな」
鷹山敏樹「ふつうに考えればな、だがそうすると弱い立場の者を狙うはずだ、薫は署にいるし」
大下勇次「里菜ちゃんたちか・・・いや、しかし、う~ん」
大下真琴「車を出せ」
大下勇次「オーライ」







覆面パトカーを発進させる勇次
またしても里菜と家吉に危険が迫るのか?
坂巻の次の狙いは・・・パトロール中の薫だった。
薫は鈴江とともに署に戻って来たところだった。







大下薫「まぁ、ワルガキもあ~やって見るとかわいいもんだよね」
鈴江秀夫「そうだね、ちゃんと謝ったもんな」








その時、署内に赤いスコープが照らされた、スコープは薫の胸元で止まったことに気づいた鈴江が
薫を庇って覆い被さって来た。






武田英彦「薫くんあぶない!」







“パン💥キン⚡️パン💥”








山路瞳「キャ!」






瞳のことは近藤副署長が庇った。
薫のことは武田が庇った。






武田英彦「怪我はないか?薫くん」
大下薫「はい、ありがとうございます」







薫が狙撃されたことは真琴の耳に入った。






大下真琴「お母さ・・・いや薫が襲われた?やったのは坂巻ですか?」
宮本謙「そうです、武さんが庇ってくれたから無事ですよ」
大下勇次「連絡ありがとうございます」
大下真琴「あのクソヤロウ💢」







その時、真琴の携帯電話が鳴った。
坂巻からであった。







大下真琴「大下だ」
坂巻『さっきは俺を捕まえそこなったな、チャンスだったのに、俺は遠慮なくお前の大切な者を殺るぞ、今度は確実にな』
大下真琴「お前の狙いは俺だろう、だったら直接俺のところに来いよ」
坂巻『これが最後のゲームだ、俺が捕まるかお前が死ぬか?舞台は赤レンガ倉庫だ』
大下真琴「お前にとってはゲームかよ、なら二度とシャバに出られねぇようにしてやる」








と、言って携帯電話を切った。
そしてすぐに勇次に赤レンガ倉庫に向かうよう指示した。







大下勇次「でっ策はあるのか?」
大下真琴「いい質問だな」
大下勇次「その顔、ヤバイ事を考えてんだろう」








鷹山は黙っていたが真琴を見て口を開いた。
真琴は赤レンガ倉庫に着いてからのイメージを膨らませていた。







鷹山敏樹「お前の気持ちはよく分かる、だから一緒に戦おうぜ」
大下真琴「トシくん、ありがとう」
萩原秋夫『俺がいるのを忘れんなよ』
大下勇次「分かってますって」






その頃、治樹と宗明は署に戻ってくつろいでいた。







本城慎太郎「薫ちゃんは無事でよかったけど、いいんですか?相棒をほったらかしといて」
徳川治樹「いざという時の備えはできてるよ、署長の性格はよく分かってるからな」
徳川宗明「そうそう、今はお父ちゃんたちに任せておけばいいの」
原田実「そういうもんですかね」
近藤卓造「鷹山と大下とが署長についてるのが心配だ、頼りは萩原さんだ」








近藤副署長が頭を抱えていた。







宮本謙「大下たちはともかく署長はバカなマネはしないだろう」
大下薫「分かってないですね、署長が一番あぶないんですよ、なんたって大下さんのDNA受け継いでるんだから」
本城慎太郎『コワイね、今は待つしかない・・・かぁ』






その頃、真琴たちは赤レンガ倉庫に着いたところだった。







大下勇次「行くか、タカ、俺真琴についてるわ」
鷹山敏樹「OK、俺たちがついてる思いっきりやれ」






タカはそう言って真琴の頬に触れた。
真琴は黙ってうなずいた。
シグザウエルを抜いて歩き出した。
勇次も拳銃を抜いてついて行った。







大下真琴「坂巻、出て来いよ、ケリをつけようぜ」







すると離れた所から坂巻の声がした。






坂巻『久しぶりだな、あの時のガキが大きくなったじゃねぇか』
大下真琴「リボルバーにライフル、随分装備したもんだ」
大下勇次「息子を逆恨みするとは確かに6年前最後にお前を撃ったのは俺の自慢の息子だが、元々てめぇの捲いた種だろうが」
大下真琴「父さん話したってムダだ」
坂巻「あんな小さいガキに捕まるとは俺もヘマしたもんだぜ」
大下真琴「ヘマ?そうかもな、だが今回は違うぜ」
坂巻「ああ、そうだ老若男女、おれに関わった奴はすべて殺す、それが俺のルールだ」
大下真琴「俺は殺されない」
坂巻「フッ父親が守ってくれるからか?」
大下真琴「いいや、俺がお前を撃つからだ、殺さない程度にな」








“バン⚡️バン⚡️”







坂巻が発砲して来た。






大下勇次「おっとあぶねぇ」
鷹山敏樹「勇次、真琴伏せろ!」






“バンバンバン⚡️”






別の方向から二人の男が発砲して来た。
すると真琴は・・・







大下真琴「二人であのザコどもを黙らせてくれ」
鷹山敏樹「OK、萩原」
敏樹&秋夫『セーノ』






“パン⚡️パン⚡️パン⚡️”






坂巻「うっ、このガキ💢」
大下真琴「チェックメイトだ坂巻」
坂巻「射撃の腕を挙げたのか、なんてガキだ」
大下真琴「サバイバルは米軍基地で身につけた射撃は元々得意でね」







しゃべりながら坂巻に手錠をかけた。







坂巻「6年前にさっさと殺しておけばよかった」
大下真琴「お前には無理だ」






右足の踵で坂巻のお尻を軽く蹴って立たせた。
坂巻の二人の仲間も連行しました。
取調べは田中と武田がした。
共犯者はすぐに自供したが坂巻は黙秘している。







田中文男「ハケ・・・ハケ・・・ハケ」







いつもの田中の脅しにも動じない、それとごろか涼しい顔をしている
田中は首を振ると取調室から出た。






田中文男「なにも言わん」
大下真琴「だろうな、そうだと思ったよ」
本城慎太郎「俺が代わりますよ」
大下真琴「慎太郎でも無理だよ」
本城慎太郎「じゃ署長が行ったらどうよ?」
大下真琴「いずれ話すことになる、だが今はその時じゃない」
大下勇次「そうかも、じゃ俺行くよ」







と言って勇次が交代で中に入った。
椅子に座って坂巻を見つめる。







大下勇次「一つだけ聞きたい、なぜ復讐する相手が俺の息子だったんだ?」
坂巻「6年前、俺を撃ったからだ、それまで撃たれたことがなかったし」
大下勇次「それだけか?本当にそれが動機か?」
坂巻「ああそうだ、それに頭がキレルと噂で聞いたんでな」
大下勇次「挑戦したつもりか?」
坂巻「そうだ、復讐と挑戦だが天才署長によってまた捕まった」






大下はそれだけ聞くと取調室を出て来ました。







鷹山敏樹「何かしゃべったか?」
大下勇次「ああ、あいつお前に挑戦したかったらしい」
萩原秋夫「モテモテじゃない」
大下真琴「うれしくねぇよ」
大下勇次「話せ、あいつはお前と話したがっている」
大下真琴「分かったよ」






ため息をついて立ち上がると取調室に入って行った。






坂巻「やっと本命が来たか」
大下真琴「チョコレートでもくれるのか?」
坂巻「冗談も言えるんだ、クールな真琴くん」






真琴は椅子に座ると腕を組んだ。







大下真琴「俺に話したいこととはなんだ?」
坂巻「なぜトドメを刺さなかった?チャンスだったのに」
大下真琴「俺はデカだ、私情は挟まない」
坂巻「答え方もクールだな」
大下真琴「どうも」






まるで真琴の中に別の誰かが入ってるかのようである。






坂巻「俺を殺さなかったこと、後悔するぜ」
大下真琴「殺せば俺の負けだ、挑発しても無駄だ、お前は殺さない生きて苦しめ」






坂巻は黙り込んだ。
狙いが外れたからである。







大下真琴「お前を裁くのは俺じゃない法律だ」







そう言うと立ち上がりドアを開けた。







大下真琴「終わったよ、連れて行け」
町田透「はい、立て坂巻」







町田と村木が留置所へ連れて行きました。
となりの取調室から本城たちが出て来ました。







原田実「かっこいい!」
遠山金之助「『お前を裁くのは俺じゃない法律だ』だってクールだよな」
十文字隼人「俺も震えちゃいましたよ、『俺はデカだ私情は挟まない』もシビレました」
本城慎太郎「くぅ~!たまんねぇ」
大下真琴「おいおい、しょうがねぇなまったく」






しかし署内では真琴が変わったとみんな言っている。






大岡忠利「最近、署長変わりましたよね?」
徳川吉之「ああ、俺もそう思う」
徳川宗明「俺はまだつき合いが浅いからなぁ」
萩原秋夫「俺も、何を考えてるか分からないところがありますね」
徳川治樹「その辺り、父親としてはどうなんだ?」






急に話を振られて目を丸くする大下勇次だったが・・・






大下勇次「まぁ強いて言ったらクールさが増したってとこかな」
徳川宗明「それいつ頃からだ?なんで?」
大下勇次「米軍基地に行くようになってから」






そこまで言うと真琴が口を開いた。






大下真琴「そこまでだ、父さんしゃべるな」






真琴の方を見るとみんな凍りついた。
目が据わって今にも暴れそうな雰囲気だった。






芝夏美「怖い!どうしちゃったの?」
大下勇次「やっぱあの人のことは禁句なんだ」






と、勇次が呟くと・・・






鷹山敏樹「勇次」







と、タカにも首を振られた。
勇次の言うあの人とは?
米軍基地で一体何があったのか?今はまだ謎のままである。
真琴は報告書を書き終えると





大下真琴「治さん、宗さん行こう」
徳川治樹「おぅ、行って来る」
大下勇次「行ってらっしゃい」
大下真琴「絶対しゃべるなよ」
大下勇次「言わないよ、あの人とお前の共通点のことは」
大下真琴「全部だ!」
大下勇次「ハイハイ」






勇次を睨みつけたまま出て行きました。






本城慎太郎「恐いね」





課長たちも顔を見合わせて首をかしげた。





青木順子「直接本人から聞いた方がいいかもね」
木葉聡「米軍の人となにかあったのかな?」
芝夏美「共通点て何かしら?」





みんなで勇次の方を見る。
勇次の口は鷹山が両手で塞いでいた。





吉井浩一「あらまぁ、そこまで?」




知っているのは勇次と鷹山と薫の三人だけです。
署長が帰って来るまで言いませんでした。



つづく。

0 件のコメント:

コメントを投稿