2014年5月25日日曜日

スーパーあぶない刑事37話

 『警視庁から来た男』



香港から帰って来た、真琴・里菜・家吉は大下・徳川たち、それぞれの親の元へ帰って来ました。




大下真琴「ただいま父さん、トシさん」
鷹山敏樹「お帰り、荷物持ってやるよ」
大下真琴「ありがとう」
徳川吉之「真琴、二人が迷惑かけなかったか?」
里菜「ひっど~い、パパ💢」
大下真琴「ううん、楽しかったよ」
家吉「ジェイシーとも仲良くなったもんな」
大下真琴「こっちは変わりない?」
大下勇次「あ~いやそのことなんだけど・・・」






勇次が言い難そうにしていると・・・






大下真琴「誰か死んだの?」
徳川吉之「みんな生きてるよ、そうじゃなくて新しい刑事が入ったんだ」
大下真琴「聞いてねぇぞ!」
大下勇次「言ってないもん」
大下真琴「なんで?どういうこと?」






港署に戻ると大原刑事部長が待っていました。






近藤卓造「あっ署長お帰りなさい、大原部・・・」
大下真琴「どういうことか説明してもらえます?」
大原功一「怒ってるね~」
大下真琴「刑事部長💢マジメに聞いてるんです、ただし返答次第じゃただじゃ済まさねぇ!」
大原功一「トレードだよ、南刑事とね、急に決まったことだから説明するヒマがなくてね」
大下真琴「増えるんじゃなくてトレード?つまり南さんを警視庁に呼んで別の人がうちに来たってことですか?」
大原功一「よくできました、その通りです、それならいいでしょ?」






真琴は落ち着きを取り戻し一息ついた。






大原功一「いろいろ面倒見てやってくれ、息子さんと二人暮らしで苦労しているそうだから」
大下真琴「分かりました、怒りに任せて失礼なことを言いました、お詫びします」
大原功一「怒らせたのは私だ気にしないで、じゃよろしくね」
大下真琴「はい」







大原は副署長たちに会釈をして帰って行きました。
振り向くと彼の方からあいさつをして来ました。







萩原秋夫「萩原秋夫38歳巡査部長です、よろしくお願いします」
大下真琴「署長の大下真琴です、13歳、階級は警視長です、よろしくお願いします」
宮本謙「新しく入った人はまず署長とコンビを組むことになっています」
大下真琴「えっ!そんな決まりあった?」
宮本謙「お願いしますよ~」
大下真琴「アイヨー、じゃみんなパトロール行こっか」
みんな『オイッス!行って来ます』






全員出動。
覆面パトカーに乗ると・・・





萩原秋夫「署長と呼んだ方がいいですか?」
大下真琴「真琴でいいです、みんなそう呼んでますから」
萩原秋夫「ふ~ん、行きますか」






覆面パトカーを走らせた。
パトロールでひと回りするとYCCに入りました。
YCCに入ると大下と鷹山がいました。






大下真琴「二人も来てたんだ、禁煙しろって言ったろう、まったく」
大下勇次「ごめん、腹減ってないか?」
大下真琴「うん、なにか食べたい、萩原さんは?」
萩原秋夫「何があるの?メニュー見せて」






鷹山が萩原にメニュー表を渡した。







大下真琴「俺、ハムエッグとサンドウィッチ、飲み物はコーヒー牛乳」
マスター「ハイヨー、坊ちゃん大きくなったね~いくつになったの?」
大下真琴「おかげ様で13歳になりました」
マスター「そっか、あっ、そちらさんは?」
萩原秋夫「ホットドックとミルク」
マスター「アイヨ、ゆっくりしてって」






真琴は勇次と敏樹にズバリ尋ねた。






大下真琴「それで二人は誰を待ってんだ?」
大下勇次「なんのこと?モーニングを食べに来ただけ」
大下真琴「トボケたって無駄だ、今朝釈放された銀星会の幹部を追ってるんだろう?」
鷹山敏樹「どうしてそれを!?」
大下真琴「小さい頃から見て来た俺をみくびるなよ、確か名前は北村だったよな」
大下勇次「そう、でっ目をつけたのがあの窓側の席に座っている女、北村の女だ」







納得した顔で腕を組む真琴。
そこへマスターがお盆を持ってやって来ました。






マスター「ハムエッグとサンドウィッチ、それとそちらさんにホットドックとミルク」
大下真琴「これこれ、いただきます」





萩原もホットドックにかぶりついた。
マスターがミルクとコーヒー牛乳を置いて行った





マスター「ごゆっくり」
大下真琴「ありがとう」
萩原秋夫「美味い、けっこういけるな」






入口の公衆電話が鳴った。
若い店員が出ると客の方を見た。






店員A「飯塚様はいらっしゃいますか?」
女「ハイ、私です」
店員A「お電話です」
飯塚香「ありがとう、ハイ私よ」






女はしばらく話し込んでいた。
すると勇次が赤いスコープがタカを狙っているのを見て叫んだ。







大下勇次「タカ!」






“バン💥パリン⚡️”






銃声がして窓が割れた。
真琴は皿とカップを持ってカウンターの裏に隠れた。
かまわず食べている






“パンパン⚡️パリィン💥”






マスター「うわぁ、助けてくれ」
大下真琴「伏せてろ」
萩原秋夫「暢気に食ってる場合いか!」
鷹山敏樹「いつもこうなんだ、さっさと食え奴らが来るぞ」
大下真琴「ヘェ~ヘェ~」







返事をしながらもマイペースに食べ続けている。





大下勇次「女を消しに来るなぁ」







真琴はようやくサンドウィッチを平らげコーヒー牛乳を飲み干した。







大下真琴「あ~食った食った」






鷹山は香を庇って銃を構えています。
と、そこへ北村が乗り込んで来ました。が・・・





“バン⚡️バン⚡️バン⚡️”






真琴が発砲した。
予想外の方向から反撃を受けた北村はテーブル席に飛び込んだ。






萩原秋夫「いつ銃を抜いた?」
大下真琴「ボヤボヤするな、次が来るぞ」






すると裏口から入って来たのかもう一人厨房から発砲して来た。






“バン⚡️バン⚡️”




男「うっ!」





萩原が発砲してその男は負傷した。
しかし北村はまだテーブルの陰に隠れている。






大下勇次「タカ、そっちから見えるか?」
鷹山敏樹「ダメだ、丸いテーブルにすっぽり隠れてやがる」
萩原秋夫「これじゃ埒があかないぞ」
大下真琴「しょうがねぇな、狙いつけとけよ」






と言うと真琴は拳銃を捨てて手を挙げて立ち上がった。






大下真琴「北村、女は保護した諦めて出て来い」
北村「ガキ?フン、一端の口を利くじゃねぇか」
大下真琴「デカが張っているのが分かっててなぜ乗り込んで来た?利口な策とは思えないが、ふつうなら外で待ち伏せするもんだろう」
萩原秋夫「大原さんの言った通りだ」
北村「急いでるんだ、女を渡せ」
大下真琴「会長の指示で動いてるわけじゃないはずだ、それとも秘かに動く理由でもあるのかな?」
北村「さっさと女を渡せ💢」
大下真琴「断る、お前の事情なんか知るか」
北村「このガキ💢」





“バン⚡️”






北村「うあっ・・・チッ」





勇次が北村の聞き腕を撃った。
真琴は素早く北村を押さえつけて手錠をかけた。






大下真琴「お前バカか、デカが四人もいるところに銃を向けるなんて、敏樹もう一人連れて来い」
鷹山敏樹「ハイ」







真琴は北村を覆面パトカーに乗せた。
萩原は笑みを浮かべてから覆面パトカーに乗った。






萩原秋夫「それにしても肝が据わってますね、銃撃戦中によく涼しい顔してメシ食ってられますよね」
大下真琴「怒ってるの・・・?」
萩原秋夫「まさか感心しました、あんた気に入ったよ」
大下真琴「だんだんやかましくなるとブチギレて暴れちゃうんですよ」
萩原秋夫「不思議な気分だな、今まで他人のことなんか関心なかったのに・・・」
大下真琴「私情に入り込まれるの嫌なタイプでしょ、萩原さんも」
萩原秋夫「その通り、でもあんたには興味がある」
大下真琴「フッ、興味ね~」







署に戻るとすぐに取り調べが始まった。







大下真琴「文ちゃん出番だよ」
田中文男「待ってました」
大下真琴「どんなことをしても口を割らせろ、どうしてもダメな時は俺が代わる」
田中文男「心強い、まぁ私めにお任せあれパパ!」
吉井浩一「ハイハイ、行って来ます」







田中たちのやり取りを見て萩原は大下に聞いた。







萩原秋夫「なぁ、署長っていつもあんな感じなのか?」
大下勇次「刑事の時はあんな感じです、普段は違うけど」
本城慎太郎「さ~て次はあんたの番だ、お嬢名前は?」
飯塚「私は被害者なのよ、なにもしてないのに」
大下真琴「狙われる理由に心当たりは?」
飯塚香「だからないって!なんなのこの子?!」
原田実「署長ですよ、信じられないかもしれませんが」






女性は驚いた表情で真琴を見た






大下真琴「いいリアクションだ、次はあなたの番だ」
飯塚「飯塚香」
村木拓「なんで北村みたいな奴とつき合ってんだ?」
飯塚香「なりゆき、でもまさか殺そうとするなんてね」
本城慎太郎「あんたに心当たりはなくても奴らにはある、今外に出ればまた狙われるよ〜」
飯塚香「そんな!冗談じゃないわよ」
大下真琴「守ってもらいだければ知ってることを全部話せ、どんなことでもいい」






みんなが真琴の方を見た。






町田透「署長、帰国してから変りましたよね?」
青木順子「うん、私もそう思った」
大岡忠利「海外の刑事ドラマに出て来る刑事みたいだ」
遠山金之助「身柄を保護する代わりに捜査に協力しろって言うよね」
松田香苗「言い方もストレートだし」






飯塚香は頭を抱えて迷いながらも口を開いた。






飯塚香「二週間くらい前に北村が組からシャブを持ち出したのよ」





回想シーン。





北村『香、これ預かっといてくれ』
飯塚香『なによこれ?』
北村『中身は知らない方がいい、とにかくお前のとこに隠しておいてくれ』






戻って・・・





鷹山敏樹「なんで組から持ち出したのか聞いたか?」
飯塚香「知らない聞いてない」
大下真琴「今、それ持ってるのか?」
飯塚香「家に隠してある」
大下真琴「敏樹と勇次で彼女の家へ行って回収して来い、連中に先を越されるな」
大下勇次「了解、タカ行こうか」







大下と鷹山は飯塚香から鍵を預かると彼女のマンションへ向かいました。






徳川治樹「真琴、北村はなんで自分の女である香を殺そうとしたんだと思う?」
大下真琴「いい質問だ、誰でも尻に火が点けば動きが大胆になるものだ」
徳川宗明「それ答えになってるの?」






宗明の質問に微笑みで答える真琴に
治樹と宗明は顔を見合わせた。
答えに気づいたのは武田だった。






武田英彦「もし北村の持ち出したことが組にバレたとしたらどうだ?」
谷村進「当然、北村を捕まえて吐かせるでしょうね」
吉田春彦「拷問して口を割らせようとする、でっ追いつめられた北村は女に預けたと言う」
木葉聡「でっ奴らなら、女から取り戻すついでに口を封じろと言うだろうな」
徳川宗明「なるほど尻に火が点くってそういうことか」
大下真琴「だが、これはまだゴールじゃない、ここからが肝腎だ」
海堂進二「何か考えがあるんですね?」
大下真琴「二人が無事に戻ってからだ」






今は待つしかないのである。





遠山金之助「署長、現時点でどこまで考えてるんです?」
大下真琴「そう慌てるなって」






北村の取調べが終わって田中と吉井が取調べ室から出て来ました。






吉井浩一「北村が自供しました、銀星会からシャブを持ち出して女に預けたこと、でっ組にバレて女を消す代わりに助けてくれと言ったそうです」
田中文男「脅されて女を殺すことにした、女のために持ち出したと言って命乞いしたそうです」
徳川宗明「署長の推理通り!」
大下真琴「俺は尻に火が点けば大胆な行動に出ると言っただけだ」
徳川吉之「それがすべてを物語っているじゃないか最初から全部見抜いてたんだろう」
大下真琴「買被り過ぎだよ」






みんなで真琴を見つめています。
真琴は耐えきれなくなって・・・





大下真琴「寝る」






と、言ってソファに横になった。
その頃、飯塚香のマンションに着いた勇次と敏樹は管理人に鍵を開けてもらって中に入りました。
しかしすでに部屋の中は何者かによって荒らされていました。






大下勇次「先手を打たれたな」
鷹山敏樹「ああ、だがまだ見つけたとは限らない探そう」






二人は部屋の中を捜し始めた。
しかし見つかりません。





大下勇次「家の中に大切な物を隠す時、タカならどこに隠す?」
鷹山敏樹「ソファの中とか、あとは・・・」






二人はベランダに置いてある洗濯機に目を付けた。
鷹山がフタを開けて内蓋も開けた。
中には黒いビニール袋が入っていた。
中身を確認すると・・・







鷹山敏樹「勇次、あったぞシャブだ」
大下勇次「急いで署に戻ろう」







鷹山と大下はビニール袋を持ってマンションを出ました。
大下が無線で報告を入れた。






大下勇次「俺だ、北村が隠していた物を回収した、これから署に戻る」
宮本謙「了解、気をつけて戻って来いよ」
大下勇次『そのつもりです』






覆面パトカーに乗り込み大下と鷹山は署へと急いだ。
ところが離れた所から銀星会の人間が二人の様子を見ていた。
車に乗って大下の覆面パトカーを尾行して来た。
その頃、真琴は次の指示を出していた。






大下真琴「慎太郎・実・拓・亮二人を迎えに行ってくれ尾行されてるはずだ」
原田実「どうして分かるんです?」
本城慎太郎「しゃべる前に考えるクセつけな大下たちにブツを見つけさせて奪うつもりなんだよ~」
村木拓「なるほどね」
藤村亮「署長の推理力半端ねぇな!」
原田実「本城さんもね」







四人が迎えに行くと港301が見えた。
その後ろから黒い車が見えた。
助手席の男が大下の覆面パトカーに発砲している。






本城慎太郎「タ~ク、二人を援護するぞ」
村木拓『了解』







本城のミニと村木は大下の覆面パトカーが通り過ぎると行く手を塞いで覆面パトカーを止めた。
透かさず実と亮が銀星会の車に発砲した。






“パン💥パン💥パン💥キキ~🌪”






予想外の銃撃をくらい銀星会の車はUターンして走り去って行きました。






藤村亮「奴ら俺たちが来るとは思ってなかったみたいだな」
原田実「ああ、次どう出るかだな」
村木拓「署長がどこまで読んでいるかだ」
本城慎太郎「相当先まで読んでいるぜ、あいつ」






大下と鷹山は覆面パトカーから降りて来ました。





鷹山敏樹「助かりました」
原田実「署長がお二人を迎えに行けって言ったんで」






六人は無事署に戻って来ました。
タカが持って来た袋を机に置いた。






鷹山敏樹「かなり重いぞ、本当にシャブか?」
武田英彦「開けて確認してみろ」





袋から出すと新聞紙とガムテープでグルグル巻きになっていた。
それをすべて外して中を開くと透明のビニールの中に白い粉状の物が入っていた。






徳川吉之「五キロ以上あるな、これだけでザッと500人くらいにバラ撒けるだろう」
大岡忠利「量を調節すればもっと行けますよ」







その時、署の電話が鳴り武田が出ました。






武田英彦「はい、港署捜査課・・・署長!」
大下真琴「出ます、もっしも~し」
男A『よくも先回りしてくれたな』
大下真琴「シャブはこっちにある、欲しけりゃ取りに来いよ」
男A『あまり舐めた口利くと痛い目に合うぞ』
大下真琴「デカを脅す気か?北村も女も保護してる、その上シャブも俺たちが持っている、お前らに取引する材料なんてないだろう」
男A『学校もうすぐ終わるな、また電話する』






そう言って電話が切れてしまった。






萩原秋夫「学校ってどういう意味だ?」
大下真琴「まさか、里菜と家吉」
倉田園子「すぐ向かいます」
徳川治樹「吉之、俺たちも行くぞ」
徳川吉之「ああ、行って来る」






忍び組と吉之・治樹・宗明は里菜たちの中学校に急行しました。
丁度下校時刻です。






大下真琴「頼む間に合ってくれ」





その頃、中学校では下校時刻の時でした。
里菜と家吉は別々に友達と門から出て来ました。






美佳「ねぇ香港でどんな修業していたの?」
里菜「ひたすら組み手をしてアドバイスもらってって感じ」
千絵「空手より強いと思う?」
里菜「私はカンフーが強いと思う、でも合気道には負けるかも」
美&千『え~なんで?』
里菜「だってセガールさんの映画を見ちゃったから」






と、そんなやり取りをしながら歩いていた。
一方、家吉の方も友達と話しながら昇降口から出て来ました。






裕大「なぁ、ぶっちゃけ妹と、どっちが強いわけ?」
家吉「口でも腕っ節でも里菜が上」
浩明「フリじゃなくて?」
家吉「うん、気の強さは母さん譲りだけど」





門の所まで来ると園子・半蔵・吉之・治樹・宗明が門の所に立っていた。







家吉「あれ?父さんたちだ」
里菜「パパ、みんなどうしたの?」
徳川宗明「よかった、早く乗りなさい訳は後で話す」
千絵「里菜のお父さん?」
里菜「パパと伯父とその同僚たちよ、分かった乗るよ、ごめんまた明日ね」
美佳「うん、バイバイ」
徳川吉之「家吉も早く乗りなさい」
家吉「ああ、じゃあな」






友達と別れて里菜と家吉は覆面パトカーに乗り込んだ。
園子たちは周囲を警戒しながら車を走らせました。
里菜は腕組みをして問い詰めた。






里菜「どういうことか説明してくれる?」
徳川吉之「銀星会がお前たちを狙っているからだ」
家吉「またぁ?まったくもう」
徳川宗明「北村という銀星会の男が組からシャブを持ち出して女の家に預けたんだ」
徳川治樹「でっ北村と奴の女を逮捕しシャブを回収したのはいいんだが、奴ら署長が電話に出た時こう言ったらしい『学校がもうすぐ終わるな、また連絡する』と言って切ったんだ」
里菜「じゃ私たちの帰りを狙ってるってこと?」
徳川吉之「そう、真琴は瞬時にそれに気づいて俺たちを迎えに行かせたってわけ」
家吉「そういうことか・・・しかし迷惑な話だ」
里菜「まったくだ」






先手を打つのに成功した吉之たち。
知らせを受けた真琴たちは安堵した。
しかし油断はできません、次に連中がどんな手を打って来るか?
真琴・大岡・遠山が考えていました。






大岡忠利「藤村と芝は菜美奥様の所へ、吉田と谷村は佳南子さんの所へ行って護衛してくれ」
吉田春彦「分かりました」





谷村たちはすぐに向かいました。





宮本謙「さて、敵はどう出るかな・・・署長、次、我々はどうしますか?」
大下真琴「銀星会の動きを待つ、必ず動き出すはずだ、そうだろ敏樹」
鷹山敏樹「ああ、俺たちは待てばいい」





と、いうわけで本城・原田・大下・鷹山・真琴・萩原・青木・村木・町田・吉本たちは五台の覆面パトカーで銀星会の動きを見張るため事務所の張り込みを開始した。






萩原秋夫「いくつ先まで考えてる?」
大下真琴「俺にその質問の仕方は間違いだ」
萩原秋夫「じゃ何通り考えてる?」
大下真琴「五つくらいかな」
萩原秋夫「それって相手がどう行動するかを予想してるんだよな?」
大下真琴「そうだよ、今までの経験から計算して考えています」
萩原秋夫「常にそんな風に考えて行動しているのか?」
大下真琴「俺が読み間違えたら作戦がパァになるからな」
萩原秋夫「13才にはずい分責任の重い仕事だな」
大下真琴「もう慣れた、7才の頃からやってますから」






萩原は改めて真琴がすごいと感じていた。
同時に感心していた。






大下勇次(声)『真琴、出て来たぞ』
大下真琴「確認した、幹部の岡崎と下っ端の奴だな」
本城慎太郎(声)『俺と実で尾行する』
大下真琴「OK、状況報告を忘れるなよ」
原田実(声)『了解、原田が報告します』






本城の覆面パトカーが発進した。





村木拓「ダブル会長の松本と遠山が出て来ました」
遠山金之助「俺と同じ名字なんて最悪💢」
大月半蔵「確かに親戚だったらもっと最悪ですね」
遠山金之助「俺にヤクザの親戚なんていねぇよ」
大月半蔵「そうですよね、失礼しました」
大下真琴「じゃ金さんたちが尾行して」
遠山金之助「そうしよう、半蔵、車出せ」
大月半蔵「了解」





遠山・大月ペアが尾行に付きました。






徳川治樹「しかし奴ら特に慌てた様子もないな」
大岡忠利「ええ、なにか引っかかりますね」







すると吉之が無線を掴んで藤村たちに聞いた。






徳川吉之「おい町田、そっちの様子はどうだ?」
町田透「三人出て来ました」
徳川吉之「裏口から、じゃ今までの奴はダミーか」
大下真琴「吉之さん落ちついて、拓・順子尾行開始」
村木拓「了解、ドンピシャだな」
青木順子「ええ、拓しっかり掴まってな」







青木は覆面パトカーを走らせた。







大下真琴「敏樹、会長を追いたいだろ順子たちと行け」
鷹山敏樹「感謝するぜ、署長」
大下真琴「谷村さんたちは俺たちと待機、パパもね」
吉井浩一「了解、これだけ残っていれば大丈夫ですよ」
大下真琴「その筈なんだけどね」







ところがその後、事態はとんでもないことに・・・
待機している真琴たちの元に無線が入りました。





大岡忠利『署長、こっちはダミーです』
大下真琴「アイヨ~トシ本物はそっちだ尾行を続けろ」
鷹山敏樹『了解、真琴応援に来てくれよ』
大下真琴「そのつもりシャブと一緒に向かうよ」






しばらくして本城たちの尾行していた車がすべてダミーと分かった。
本城たちは真琴たちに合流するためUターンした。






本城慎太郎『本城、真琴そっちは今どこにいる?』
大下真琴「倉庫街だ遠回りしやがって、早く来ないと先に暴れちゃうよ」
本城慎太郎「す~ぐ行く待ってなぁ」






真琴・萩原ペアは鷹山・大下と合流した。






大下勇次「四人だけか、まっしゃ~ないか」
徳川吉之「いや、七人だ無線を聞いて直行して来た」
萩原秋夫「これなら何とかなりそうだ」






そして一台、また一台と合流して来ました。






吉井浩一「敵は何人いるかな?30人?40人?」
田中文男「これだけ広い倉庫だからもっといるだろう」
大下勇次「そうですね、ブツを運ぶ人手もいるから100人近くもっといるかも」
徳川治樹「おっ来た来た、全員揃ったな、署長策はあるんだろ?」
大下真琴「進二・香苗・実・順子・進・春彦は裏口からあとは中に入ってから分かれる進二たちは裏口付近で待機してくれ」
海堂進二「了解しました」
徳川宗明「ブツも押さえないといけないから慎重に行かないと」
鷹山敏樹「分かってます、行きましょう」







全員拳銃を手にして倉庫内に入りました。
配置に着いたところで真琴が名乗った。





大下真琴「港署捜査課だ違法薬物運輸の現行犯で逮捕する」
松本会長「薬物?どこにそんな証拠があるんです?」
大下真琴「今見せてやるよ、聡・早希」
木葉聡「はい、署長」





聡は箱の中のビニール袋を一つ持って来た。





大下真琴「早希、試験管持ってて」
桐原早希「はい、まさかここで実験するの?」
大下真琴「立証するだけさ、この液体を数滴入れると」
大岡忠利「赤くなった、ということは覚醒剤ってことだ、これが証拠だ」
松本会長「クッソ~💢ブッ殺せ!」
十文字隼人「パターン通りだ」
大下真琴「一人も逃がすな、行くぞ」
全員『オ~!』






そしてこれもまたパターン通り銃撃戦になりました。






鈴村皐月「まったく私たちから逃げられると思ってるのかしら?」
松田香苗「全員とはいかなくても会長だけでも逃がそうとするんじゃない?」
吉井浩一「香苗ちゃんに同感、逃げられればだけど」





すでに真琴の指示で外は封鎖されています。
つまり全員に手錠を掛けないと彼らも出られないのです。







大下真琴「敏樹・勇次・慎太郎・亮は会長らを追え、俺たちはブツを抑える」
大下勇次「OK、行こうぜ」






勇次たちは会長と組員たちを追って行きました。





大下真琴「治樹、吉之こいつでフタを開けろ」






真琴はバールを治樹と吉之に渡した。
二人は蓋をこじ開けて中身を確かめました。







徳川吉之「間違いないこれもシャブだ」
徳川治樹「こっちも同じだビッシリ詰まってる」
萩原秋夫「おい、まだザコどもが残ってるぞ」
大下真琴「全員捕まえる、行くぞ」
吉井浩一「署長、手錠が足りません」
大下真琴「あるよ、これ使え」






真琴は麻の布袋を投げ渡した。
吉井が中身を確認する






吉井浩一「さすが署長!」
谷村進「備えあれば憂いなしですね」
田中文男「ああ、そうだな」







吉井たちは捕まえた者たちに次々と手錠を掛けて行った。






萩原秋夫「やめとけ、お前らに勝ち目はねぇぞ」
大下真琴「時枝、戸村、神谷、せっかくシャバに出たのに務所に逆戻りだな大人しくしてりゃいいものを」
神谷「噂は本当だったんだな」
大下真琴「あっ?」
神谷「大下真琴は父親よりもいや港署一のキレ者だって、みんなビクビクしてるぜ」
大下真琴「フン、煽てたってダ~メ!だがもっとビビらせてやるよ」
村木拓「コ~ワ!ホラ来い」
大下真琴「治ちゃん宗さん、タカたちのとこ応援に行くぞ」
徳川宗明「待ってました!」







その頃、鷹山たちは会長たちと撃ち合っていた。






大下勇次「しぶとい奴らだな」
本城慎太郎「ぶっとびだな」
松本(会長)「しつこい奴らだ、今のうちに殺しておこう」
黒木「そうですね」
大下真琴(声)『そうはさせないぜ』





“バン💥”





黒木「う・・・っ」
大下真琴「俺の部下は一人も殺させない、敏樹チャンスだ会長をヤレ」
松本(会長)「このガキ💢」





“バン💥”





と、銃声が響き渡りました。
撃ったのは鷹山です。
真琴を助けたのです。






大下真琴「お前の負けだ松本、敏樹よくやった」
鷹山敏樹「はい」






鷹山の念願が叶った瞬間であった。
松本に手錠を掛けて連行して行きました。






萩原秋夫「署長、終わったな」
大下真琴「ああ、けぇるぞ」






ブツを押収して署に帰りました。
そして・・・





青木順子「萩原さんどうでした?署長と組んでみて」
萩原秋夫「ふしぎな子だ捜査中の時のカンロクと今とのギャップが・・・」
青木順子「そうでしょう、でもすぐに慣れますよ」
萩原秋夫「だといいけどな」
大下真琴「だから冷蔵庫に入れとけっつたろバカ!クッセ~とっとと捨てろ」
大下勇次「だってゼリーだよ、腐るのが早いよ」
大下真琴「アホか!机の中に一カ月も放置してりゃ腐るに決まってんだろ💢嗅ぐなっちゅうの」
原田実「まるっきりコントだな、ありゃ」
風間明「ああ、親子コントだな」
大下真琴「やめろバカ💢捨てちまえ!」
大下勇次「えぇ~」
大下真琴「腹下しても知らねぇぞ」
萩原秋夫「親子逆じゃない?」
鷹山敏樹「いつもあんな感じ」






親子コント?じゃなくて二人のやり取り見つめる一同だった。
銀星会&竜神会は会長・幹部・下っ端のチンピラを一掃して
ほぼ息の根を止めた形となった。
この日、港署の検挙率が99.9%になりました。






緒方雄一「ええ、やはり彼を署長にして正解でした、はい伝えます、では」






緒方本部長は大原刑事部長と電話で話していました。





大原功一「大下くん、想像以上だあの子は・・・フフ♪」





そして浅見刑事局長も真琴を評価していた。






浅見陽一郎「今の警察には彼のような刑事が必要だ、全警察官を彼に育ててもらいたいくらいだ」
浅見光彦「そうですね、兄さん」






今やみんなが13歳の刑事に希望を持っていた。
警察組織を根元から変えてくれそうだから
強くて、優しい、正義を貫いて官僚の脅しにもバズーカーでふっとばしてしまう
大胆なブッ壊し屋の真琴が必要なのだ。





浅見陽一郎「彼の頼みならどんなムチャでも利いてあげたい」
浅見光彦「兄さんがそんな風に言えてしまうくらいなんですね、彼は」
浅見陽一郎「大原さんや緒方さんの目に狂いはなかった」





画面は港署に戻って・・・





大下真琴「あ~あ、もう知~らない」
大下勇次「いいもん今度は箱買いしてやる!」
大下真琴「好きにしろ、今度は腐らすなよ」
吉井浩一「どっちが親なんだか・・・」



つづく。

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