2014年5月25日日曜日

スーパーあぶない刑事38話



『署長の非番』




今日、真琴は非番である。
久しぶりにリュックを背負って登校しました。






里菜「真琴、署にいなくていいの?」
家吉「リュック背負ってる、体はもう大丈夫なのか?」
大下真琴「うん、今日非番だから」
生徒A「へぇ~非番って休みってこと?」
大下真琴「そうだよ」






すると生徒たちが真琴の周りに集まって来ました。





生徒B「なぁなぁ、署長ってどんなことすんの?」
生徒C(女)「真琴くん拳銃撃つの?」
大下真琴「えっと・・・一人ずつにしてくんないかな」






真琴はクラスメイトの質問に一つずつ答えて行きました。
担任の坂野先生が入って来ました。






坂野先生「はい、みんな席に着け」
生徒D(男)「先生、真琴が来たんだよ」
大下真琴「幽霊生徒で~す!」
坂野先生「ハハハ!よく来たな気楽にしろよ」
大下真琴「は~い」






この日真琴はふつうの生徒として授業を受けてふつうの生徒として友達と遊びました。
休み時間には外でみんなとドッヂボールをして遊んだ。






家吉「やっぱドッヂボールも強いな」
大下真琴「元々好きだから」
家吉「そうか」






その頃港署では・・・





谷村進「署長、今頃勉強してるかな?」
青木順子「そりゃするでしょ、でっ友達と遊んだりしてエンジョイしてるんじゃない」
村木拓「だけど本当、休まない人ですよね、署長って」
原田実「事件のことしか考えてないもんな」







久しぶりに真琴が子供に戻ってみんなもうれしそうである。







武田英彦「ホラ!署長がいないからってダラダラするな!捜査に行け」







武田に尻を叩かれてみんな捜査に出て行きました。
一方、正門の近くにあるアスレチックでは山崎・辻本・高木・中谷の四人が遊んでいた。






辻本「大下、今日来たな」
高木「ああ、子供バージョンになって無邪気に遊んでるぜ」
山崎「なぁ、あの車朝から止まってるぜ」
中谷「向かいに用がある人が止めているんだろ」
山崎「でも誰も車から降りて来てないぜ」







山崎はずっと見ていたのだ。
それに窓が透明ではないので乗ってる人物の顔が見えないのだ。
四人は顔を見合わせると門を飛び越えて不審な車に恐る恐る近づいて行く。
四人の行動を離れた所から見ている生徒がいた。






中原和彦「真琴、あれ」







クラスメイトの玉手くんが指す方を見る真琴たち。





大野将平「山崎たちだよなあれ、なんで外に出てんだ?」






真琴が南門に近づくと車から黒ずくめの男三人が出て来て山崎らを押し込もうとしていた。







大下真琴「しまった!」







真琴は走って行き投げた小柄が男の一人に“グサ⚡️”と刺さる音がした。
が、もう一人の男が山崎たちを車の中へ押し込んで・・・





謎の男「乗れ」





と、もう一人に声をかけて車で走り去って行ってしまった。
走り去る窓越しから山崎たちが助けを求めている姿が見えた。






大下真琴「なんてこった、和彦、先生に知らせろ」
中原和彦「分かった」






真琴は教室に戻ってランドセルから携帯を取り出して署に連絡した。







吉井浩一「はい港署捜査課、あっ署長、学校の方はどうです?」
大下真琴『それどころじゃないよ、クラスメイトが誘拐された』
吉井浩一「なんですって!」
大下真琴「車の№は控えた、品川つの7544、緊急配備を頼む」
吉井浩一『了解、署長すぐ迎えに行かせます』
大下真琴「よろしこ」






真琴は帰る支度をした。
そこへ担任が来ました。







坂野先生「大下、中原から聞いた、山崎たちが誘拐されたって?」
大下真琴「はい、あいつら門を出て変な車に近づくから捕まっちゃうんだ」
坂野先生「何分前だ?」
中原和彦「五分くらい前、あっとゆう間だったよな」
大野将平「俺たちも見てたもん」
坂野先生「それで刑事さん、どうするんだい?」
大下真琴「今、署に連絡して犯人の車を緊急手配しています」
坂野先生「そうかさすが手際がいいな」






そこへ里菜と家吉が来た。






里菜「山崎たちがいなくなったって?」
家吉「真琴お前デカだろ、行け、シャクだけど、あいつらを助けてやってくれ」
大下真琴「もちろんだ、跡頼むぞ」
里菜「早く行きな、いいよね?先生」
坂野先生「ああ、よろしく頼む」






真琴は微笑むとリュックを背負い会釈をして出て行きました。
南門を出て迎えが来るのを待った。
迎えに来たのは本城だった、村木も乗っています。






本城慎太郎「署長、乗れ」
大下真琴「早かったな、和彦、将平、じゃあな」
大野将平「がんばれよ~」
中原和彦「頼んだぜ」






中原たちは手を振って真琴を見送った。





里菜「真琴なら必ず助けてくれるよ」





里菜が言うとみんなもうなずいた。





村木拓「しかし白昼堂々誘拐するなんて、おったまげですね」
大下真琴「あいつらも悪いんだ、学校抜け出して不審な車に興味本位で近づくから」
本城慎太郎「それで連れて行かれたのか、しょうがねぇ悪ガキ共だな」
大下真琴「しかし助けないわけにもいかねぇからな」






止むを得ず早退しデカに戻ったのだ。






村木拓「署長、預かっていた拳銃とショルダーバッグです」
大下真琴「サンキュー」







真琴は拓から銃を受け取り腰に装着した。
署に戻るとすでに山崎たちの親が来て大騒ぎになっていた。






山崎(母)「ですから早く息子たちを助けて下さいと申し上げているんです」
近藤卓造「今、署長がこっちへ向かっていますから、もうしばらくお待ち下さい」
辻本(母)「あんな子供が本当に署長なんですの?私たちをバカにしてるんでしょ!責任者をお出しなさい!」
宮本謙「バカになんてしておりません、あっ来た、署長!」
武田英彦「丁度今来られましたよ」
大下真琴「武さん、ちょちょっとすいません通して下さい」
高木(母)「あ~!あなた」
大下真琴「ちょっとすいません」






真琴が保護者をかき分けて入って来ました。





大下勇次「悪いな迎えに行けなくて」
大下真琴「あ~いいって慎太郎が来てくれたから」
近藤卓造「署長、みなさん静粛にお願いします」






副署長の近藤が大声で叫ぶと静になった。





近藤卓造「署長、話は聞いてますよね?この方たちにこれからどうするか説明して下さい」
大下真琴「了解、保護者の方々こちらへどうぞ」






山崎たちの母親はソファに通され腰掛けました。





山崎(母)「あなた一体・・・」





と、山崎の母が言おうとすると真琴は座るようジェスチャーで示した。






大下真琴「彼らは俺の目の前で連れ去られました、俺の話を聞いて下さい」





大人らしい対応を取る真琴に母親たちは顔を見合わせた。





高木(母)「息子は休み時間に校庭で山崎くんたちと遊んでいました」
辻本(母)「その時に不審者によって連れさらわれたのですわ」
宮本謙「おかしいですね、校内にいてなぜ攫われるんでしょう?」
山崎(母)「そんなことこっちが聞きたいわよ!」
大野将平「なら教えてやるよ!」
大下真琴「和彦、将平どうしてここへ?」
坂野先生「大下、この二人がどうしてもって言うから連れて来た」






中原と大野は山崎たちの母親に近づき睨みつけた。






大野将平「これは自業自得なんだ、あいつら三人休み時間をいいことに学校の前にずっと止まっている車に近づいて行ったんだ」
中原和彦「そしたら中から黒ずくめの男が三人出て来てあっという間に山崎たちを車の中に押し込んで走り去って行ったんだ」
吉井浩一「それは本当かい?」
中原和彦「ああ、ほとんどの生徒が一部始終見ていたから大騒ぎになったんです」
大下真琴「俺も遠くから見ていた駆けつけた時にはもう犯人たちの車が走り出すとこだったんです」
大野将平「玉手の言う通り自業自得だよ、そんな車に近づかなきゃ誘拐されずに済んだのに」
大下真琴「よせ、三人は俺たちが必ず助ける」
中原和彦「あんな目にあったのにか?」
大下真琴「俺はデカだ公私混同はしない、従って私情も挟まない」







それを聞いて中原と大野は微笑んだ。






大野将平「里菜と家吉の言うことが分かった気がする、お前デカだよ、俺もお前を信じる」
中原和彦「俺もシャクだけど山崎たちを助けてやってくれ」
大下真琴「ああ、任せておけ」






これにはさすがに山崎の親たちも黙ってしまった。
高木(母)「ほ、本当に息子たちを助けてくれるのね?」
大下真琴「ええ、必ず」
宮本謙「うちの署長をどうか信じて下さい」







宮本課長と近藤副署長も立ち上がって山崎達の母親に頭を下げた。





山崎(母)「分かりました」






大下たちは山崎家で犯人からの電話を待つことにしました。
逆探知の準備をします。






吉井浩一「よし、電話が鳴ったら出て下さい、くれぐれも落ち着いて」
山崎(母)「はい」






準備してから5分後電話が鳴った。
4コール目で出た。





山崎(母)「はい山崎でございます」
犯人(声)「お宅の息子を預かっている返してほしければ2千万用意しろ」
山崎(母)「孝博、お願い声を聴かせて!」






再び犯人が電話に出ました。






犯人(声)「いいか2千万だぞ、サツにタレ込んだらガキを殺す!」






と、言うと電話が切れた。
それと同時に山崎母は泣き出した。





山崎(母)「孝博ぉ・・・ううっ」
吉井浩一「逆探は?」
吉田春彦「ちょっと待って下さい、伊勢佐木モール内からです」
原田実「よっしゃ、行きましょう」
大下真琴「待った、そう慌てるなって」
劉警部「マコトサン、ドウシマスカ?」







劉警部・・・そうそう彼らもちゃんと捜査に加わっていますよ。
ここんとこ出番なかったけど・・・






大岡忠利「署長ゆっくり作戦を練って下さい、我々は山崎さんたちと身代金の用意をします」
大下真琴「うん、お願い」






真琴は身代金の受け渡しの時のシミュレーションを頭の中で考えていた。
そして木葉たちに指示を出した。







大下真琴「聡・早希、二人はホシが身代金を受け取ったら尾行してくれ、二人は忍びの末裔だから気づかれずに尾行できるでしょ」
木葉聡「ええ、任せて下さい」






すると真琴は発信機を木葉に渡して言いました。






大下真琴「もしもの時のためにこれホシの車につけておいて」
桐原早希「捲かれた時を想定してのことですね、お任せ下さい」






真琴は笑顔でうなずいて・・・






大下真琴「じゃ頼みます」






と、真琴が言った。
数時間後、身代金の準備が整った。
再び犯人から電話が来た。






犯人A『金の用意はできたか?』
山崎(母)「はい、どちらへお持ちすればよろしいですか?」
犯人A『横浜のエアターミナルのコインロッカーに入れろ目印をつけておく』
山崎(母)「はい、分かりました」







山崎・高木・辻本の母親たちは犯人の指示通り横浜のエアターミナルに向かいました。
タクシーを拾ってトランクにお金の入ったボストンバッグを積みました。
大下・本城・徳川治樹は覆面パトカーを止め真琴たちを乗せ先回りしました。
その頃、ホシの一人がpapaJOSBARから出て来ました。
吉井・町田・田中・谷村・吉田は母親たちの乗ったタクシーを尾行している






町田透「順子さんフォローをお願いします」
青木順子「了解、見失うんじゃないわよ」
町田透「了解、吉田さん」
吉田春彦「任せろ」





横浜エアターミナルに到着。目印があるロッカーを見つけると
お金の入ったバッグを入れて戸を閉め辺りを見回してから去って行きました。





藤村亮「今、奥さんたちがバッグをコインロッカーに入れて行きました」
大下真琴『OK、変わったことない?』
藤村亮「今のところはなし」






大下たちは周りに注意をはらっているとジャンパーを着た二人組の男が、
コインロッカーからお金の入ったバッグを取り出して走り去って行きました。





大下真琴「見失うな、勇次たちは車の準備しろ」
大下勇次「オーライ、すぐ行く」






タクシー乗り場に仲間が乗った車が待っていた。
二人組の男が乗り込むと走り去って行きました。





徳川治樹「署長、乗れ」




真琴は治樹の覆面パトカーに乗りました。





本城慎太郎「人質がいることを忘れんなぁ、しかし奴らどこへ行くつもりなんだ?」






成田の標識が出て来た。






藤村亮「成田から高飛びするつもりですかね?」
本城慎太郎「行き先はどこだぁ?」






成田の駐車場へ入って行く。大下たちも覆面パトカーを止め空港内へ入りました。






青木順子「ホシを確認しました」
本城慎太郎「行き先を確認しろ、署長たちは他に仲間がいないか見張っていてくれ」
大下真琴『配置についているよ、金さん秦奔刑事も一緒だ』
秦奔刑事「鷹山サン、あそこの男拳銃モッテマス」
鷹山敏樹「本当だ、真琴銃を持っている奴が四人いる」






しかし、山崎・高木・辻本らしき三人の姿がありません。






谷村進「妙だなぁ、子供たちはどこにいるんだ?」
大下勇次「まさか殺して来たんじゃねぇだろうな?」
萩原秋夫「いや、そんなリスクは犯さないだろう」

徳川吉之「空港内に監禁したのかもな探そう」





真琴・本城・藤村・徳川治樹はホシたちを見張るため残りました。
劉警部と秦奔刑事も一緒にいます。
芝夏美と倉田園子が受付に成り済ましていました。
そこへ一人の女が現れました。
ここまでは麻生ナオミの時と同じです。
女はパスポートを四つ差し出して来ました。
夏美が確認した。






芝夏美「丹野陽平様、佐伯こずえ様、須王真也様、若林直樹様、行ってらっしゃいませ」
佐伯こずえ「ありがとう」






三人の男と合流するといつの間にか山崎たちが連れて来られていた。





徳川治樹「治樹だ、子供たちを発見、奴らといる」





身代金のバックを一人の男が持っていた。






大下真琴「あのバッグだ、間違いない逮捕に行くぞ」





気づかれぬよう慎重に近づいて行く。
山崎たちは人目につかぬよう椅子とバッグの影に押し込まれていた。
逮捕に踏み出そうとした時片方の男が
真琴たちに気づき更に囲まれていると分かると子供たちに拳銃を突きつけた。







須王真也「動くな!一歩でも動いてみろ、ガキの頭をふっとばすぞ!」
鷹山敏樹「お前らに勝ち目はない、人質を放せ」
大下勇次「タカ、伏せろ!」






別の方向から佐伯こずえが発砲して来た。




“パァン⚡️”





一発の銃声で空港内はパニックになった。





山崎・高木・辻本『たすけてぇ、たすけてぇ』





泣きながら山崎たちが訴える。





大下真琴「三人を解放しろ」
丹野「ほぉ、お前が噂の大下だな」






劉警部と秦奔刑事も銃を構えます。





高木「真琴、助げでぐれよぉ」
大下真琴「日頃の行いが悪りぃからだよ、今助けてやっからビービー泣くな」






とはいえ丹野たちまでの距離は遠い。
夏美と順子は他のお客さんを誘導していた。






遠山金之助「あんな密着していたら狙いが定まらないぜ」
須王真也「道を開けろ!ガキ共をぶっ殺すぞ!」
吉井浩一「人質を解放しろ!」





“バン⚡️”





吉井が交渉しようと前に出るが佐伯こずえに発砲され吉之に引っ張られ間一髪
弾に当たらずに済んだ。






徳川吉之「説得しても無駄だ、撃ち殺されるぞ」
吉井浩一「すいません」
大下真琴「いや、パパ説得を続けてくれ」
大岡忠利「なにか企んでますね?」






大岡に見抜かれ真琴は微笑むと本城と勇次に言った。






大下真琴「三人でかき回す、必ずスキを造るからその間にあいつらを救出して下さい」
原田実「分かりました。俺たちが援護します」
大下勇次「OK、頼んだぞ」







原田・村木・青木・町田・木葉・海堂たちの援護で真琴たちは飛び出して行きました。




遠山金之助「よし、何とかなるかもしれない」






三人は山崎たちを押し倒して庇った。





山崎「真琴、お前」
大下真琴「動くな、頭ふっとばされたくなかったら伏せてろ」






しかしいつ流れ弾に当たってもおかしくない状態である。
勇次と慎太郎はそれぞれ高木・辻本を抱えて柱の陰に隠れていた。





大下勇次「真琴、急げ!」
大下真琴「山崎、体育のマット練習だと思って横に転がるんだ、行くぞ」






もう真琴を信じるしかないと感じた山崎は黙ってうなずいた。
真琴は山崎を庇いながら転がり何とか柱の陰まで辿り着いた。






大月半蔵「二人ともお怪我は?」
大下真琴「大丈夫、半蔵・園子姉さんこいつら頼みます」
倉田園子「お任せを署長、気をつけて下さいね」
大下真琴「うん、みんな準備はいいな?」
全員『オイッス!』
大下真琴「今だ、姐さん半蔵さん、行け!」






今度はいっせいに飛び出して行きました。
佐伯こずえたちは空港の外へ出て行った。





村木拓「あいつら、なにをする気だ?」
徳川宗明「とにかく追うぞ」






本城たちも追いかけて行きました。
駐車場まで来て見失ってしまいました。






松田香苗「見当たらないわ」
鷹山敏樹「この辺に潜んでいるはずだ」
大下真琴「車のミラーを見ろ、動きが見えるはずだ」






真琴の助言でみんなミラーを見ながらホシの動きを確認した。






十文字隼人「確かに動きがよく見える」






“パン⚡️”






丹野「うあっ!」
藤村亮「ハイ、みぃっけ!」






“バァン⚡️”






若林「うぐっ・・・」






あと二人。須王と佐伯だけです。
タカが囮になって動くと須王が姿を現した。
金の入ったバッグも須王が持っていた。





“バン⚡️”






勇次が仕留めた。






須王「うおっ・・・」
大下勇次「あとは女だけだ」
大下真琴「女は俺がやる」






と言うと真琴は歩き出した。
しかし女は弾切れだったのか後ろから真琴の後頭部殴り突けて来た。






“ゴツン💥”






大下真琴「イッタ!うおっ」





かろうじて二撃目は避けられた。






劉警部「あの女、格闘技でやる気らしい」
佐伯こずえ「坊やカンフーの使い手なんだろ、私を倒してごらん」
高野小次郎「あの女自信があるようただな」






真琴は拳銃をしまうと構えた。






大下真琴「この間見た映画でサモ・ハンさんがこう構えていた」
佐伯こずえ「ふ~ん面白いじゃん」






佐伯こずえも構えた。
佐伯こずえは遠慮なく向かって来た。
それを上手く避す真琴
そして蹴りがぶつかり合ってから真琴が自ら体を後ろに倒しながら右足で佐伯こずえの足をはらい倒した。






“ドタン💥”






佐伯こずえ「うっ」





バランスを崩したところで素早く両腕を取り後ろに締め上げた。





佐伯こずえ「アタタタ!」
大下真琴「お前の負けだ」






と、言って手錠を懸けた。






秦奔刑事「お見事です、マコトサン」
大下真琴「謝謝、オラ立て」






立たせて連行して行きました。





大下勇次「あの女もなかなかだが、うちの真琴の敵ではなかったな」





これで一味全員逮捕できました。
山崎たちも無事親の元へ返されました。






大下真琴「あ~あ、俺今日非番だったのになぁ、結局仕事しちゃったし」
大岡忠利「ハハハ!では本部長に頼んで休暇をもらったらどうです?」
大下真琴「それいい考え、忠利さんありがとう」






報告書を提出に県警に行きました。





緒方雄一「休暇届け?」
大下真琴「ダメですか?」
緒方雄一「いいよ~、でも長い休暇になるねぇ」
大下真琴「と、言いますと?」
緒方雄一「ザッと一年半だね」
大下真琴「そんなにあるんですか?!」
緒方雄一「キミどんだけ働くの?少し羽根を伸ばすといい」
大下真琴「それはいわゆる有給休暇というヤツでしょうか?」
緒方雄一「そうだね、仕事は忘れてゆっくり休みなさい」
大下真琴「ありがとうございます」






次に大原刑事部長にも同じことを言われた。






大原功一「真琴くん有給が溜まっているんだけど休む気ない?」
大下真琴「先ほど緒方本部長にも同じ事を言われました」
大原功一「それで?」
大下真琴「休ませていただけるなら留学したいと考えております」
大原功一「ふむ、それは自由に決めなさい、キミの休暇なのだから」
大下真琴「はい!ありがとうございます」






素直に喜んで礼を言う真琴に大原もつい微笑み返してしまった。
そして最後は浅見刑事局長のところです。
オフィスに入ると報告書を提出した。
刑事局長は封を開けて目を通した。






浅見陽一郎「ほぅほぅ、いつもながら手際のいいこと」
大下真琴「あの僕、有給がかなり溜まっているそうなんです」
浅見陽一郎「ええ、知っていますよ、一年半ほど」
大下真琴「やっぱり留学したいと思っているんですけど・・・」
浅見陽一郎「もしかして香港に?」
大下真琴「えっ、どうして分かったんです?」
浅見陽一郎「いや、あなたが行くとしたら香港だろうと思っていました」
大下真琴「本格的にカンフーを習おうと思いまして・・・」




浅見刑事局長はうなずいた。
どうやらすべて見抜かれていたようです。






浅見陽一郎「一つ聞いていいですか?」
大下真琴「はい」
浅見陽一郎「香港へは刑事として行くのですか?それともあくまで個人としてですか?」
大下真琴「両方です、でもせっかくの休暇ですから、子供に戻ろうと思います」
浅見陽一郎「いいでしょう、子供に戻って羽根を伸ばして来て下さい」
大下真琴「ありがとうございます」







あいさつをして治樹と署に戻って来ました。






徳川吉之「真琴、うちのカンフー娘と息子も一緒にいいかな?」
大下真琴「勿論、師匠も久しぶりの母国に帰るからね」
近藤卓造「署長の留守は私と宮本さんと武田さんで守ります」
宮本謙「ご安心下さい」
大下真琴「よろしくお願いします」






ジャッキー・チェンとサモ・ハン・キンポーは快く三人を預かりますと言ってくれました。
飛行機のチケットを取り準備はOKです。
あとは自分たちの用意をすればいいだけです。
その日の夜、真琴・家吉・里菜はそれぞれ出発の準備をしました。





菜美「おこずかい10万ずつね、あとは自分たちで上手く使うのよ」
里菜「えっ、これ三人分?」
菜美「お祖父様からよ、真琴さんにはいつも守ってもらっているからって」
家吉「へぇ~いつも厳しいのに」
里菜「いいとこあるじゃん貴康」





その頃、真琴も・・・





大下真琴「よし、トランクなんて初めて」
大下薫「修業頑張れよ」
大下真琴「うん」



つづく。

0 件のコメント:

コメントを投稿