2013年6月4日火曜日

スーパーあぶない刑事32話


 カーディアン
『小さな守護神』




今日は真琴と里菜と家吉の誕生日。
しかしそんな日でも仕事はある。
港署に一人の女性が来た。





女性「あの、すいません」
武田竜「はい、どうしました?」
女性「変な男につけられてるんです、助けて下さい」






昔の武田なら適当に追い払っていたのだが・・・







武田竜「中へどうぞ詳しい話は捜査課の者が伺います」





と、言って捜査課まで女性を案内した。





武田竜「署長」
大下真琴「はい」
武田竜「この方が変な男につけられたと言って来たのですが」
大下真琴「ハイハイ、どうぞこちらへ、武田くんありがとう」





武田は会釈をして持ち場へ戻って行きました。





芝夏美「じゃ詳しく聞かせてもらえますか?」
女性「はい、でも・・・」
大下真琴「どうかしましたか?」
女性「私をここまで通して下さったのはここが初めてです」





女性は他の署では話すらまともに聞いてもらえなかったと始めに話してくれた。






大下真琴「申し訳ありませんでした。同じ警察官としてお詫び致します」
青木順子「ここは別です、安心して話してください」






順子の優しい言葉で女性は今までどんな恐ろしい思いをしたのかを
事細かに話してくれました。





森川由香「私は森川由香21才です、事務の仕事をしています」





真琴はうなずいた。
森川さんはそのまま話を続けた。





森川由香「10日前から帰宅途中に誰かにつけられている気がしてました。5日前からは自宅に無言電話がかかって来るようになって・・・」
芝夏美「無言電話、恐かったでしょう」
森川由香「それと一番恐ろしかったのはこれです」







と言って小さな茶封筒を差し出した。






大下真琴「拝見します」






真琴が茶封筒を開くと中から大量の写真が出て来た。






大下真琴「これって隠し撮りじゃん!」
芝夏美「家の中の様子まで鮮明に撮ってる」





すると真琴は立ち上がって・・・





大下真琴「行きましょう、森川さんご自宅に僕たちを連れてって下さい」
森川由香「あ~はい」







近藤課長から無線でみんなに呼びかけてもらって森川さんの住んでいる
マンションに集まってもらいました。






本城慎太郎「このアングルだと・・・斜め40度のあのマンション辺りだな」
徳川吉之「進二・香苗、あのマンションからこの部屋が見えるか試して来てくれ」
進二&香苗『はい』






海堂と松田はホシが森川さん宅を覗いていたと思える建物へ向かいました。






松田香苗『松田です、このマンションに間違いありません、写真のアングルと一致します』
海堂進二「この窓から見てたんだな」
松田香苗「ええ、それで彼女の日常生活を見て行動パターンを研究してたのね」






二人は顔を見合わせてうなずいて元の現場に戻りました。
すると真琴が家の中を歩き回っていた。






海堂進二「署長は何をしてるんですか?」
大岡忠利「盗聴器をさがしてるんだ」
鷹山敏樹「どうだ反応あるか?」
大下真琴「おっ反応してる、リビング内だ、これはこの辺りだな」





吉井たちも着いて歩く
すると・・・
台所の換気扇の前に立ったところで強い反応があった。





大下真琴「この辺りだ、探すよ」






換気扇はもちろん、辺りをなめるように探って行く
すると・・・換気扇の裏の網のついている部分を辿って行った時
小型機械の感触があったので外して見てみると・・・







大下真琴「あったマイクも付いてる」
遠山金之助「よくやるぜ、これからどうする?」
大下真琴「慎太郎、何人か連れて進二たちが見つけた部屋を徹底的に捜索してくれ」
本城慎太郎「任せなァ、ハイ亮、カ〜ズ、透行くよ」





本城たちはホシが使っていた部屋へ行って捜索しました。






町田透「本城さん、来て下さい」







透のいる部屋へ行くと・・・
赤いシートを張った部屋中に何枚もの被害者の写真が貼ってあった。







本城慎太郎「おいおい、ぶっとびだなこりゃ!」
吉本和彦「うわっ気持ちワル!これ全部森川さんですね」
町田透「ええ、それとこれ」







と言って透が見せたのはパソコンで書いて印刷した紙に『俺はいつもお前を見ているぞ』とあった。





藤村亮「よし、透、この部屋借りてる奴の身元を洗うぞ」
町田透「はい、行って来ます」
本城慎太郎「行って来~い、カ~ズ部屋中調べるよ」
吉本和彦「はい、俺あっちの部屋を調べます」








本城と吉本は引き続き部屋の中を捜索した。
するとバスルームから受信機とスピーカーが出て来た。
見つけたのは吉本刑事。
吉本は本城を呼んだ。






吉本和彦「本城さ~ん、来て下さい」
本城慎太郎「おぅ、どうした?」
吉本和彦「これ見て下さい」







吉本が見つけた物を見て本城も驚いた。
ホシの部屋に真琴たちを呼んで来てもらった。







鷹山敏樹「おい、これマジかよ」
大下勇次「これがホシのお風呂セット?」
吉井浩一「風呂に入りながら盗聴してたのか」
田中文男「それできっと彼女と一緒に入っている気分を味わっていたんだろうな」






田中の言うことにその場にいる全員が納得した。






原田実「それで森川さんの生活リズムが分かると無言電話までかけるようになった」
徳川治樹「確か五日前から無言電話が来るようになったと言ってたよな」
青木順子「そして脅える彼女を見て楽しんでいたのね」






順子と夏美は怒りを顕にした。





南旬一「署長、こいつは必ずエスカレートして、もっと過激な行動に出るかもしれませんよ」
高野小次郎「俺も同感だ、もしかしたら彼女の部屋に押し掛けて来るかもしれないぜ」
大下真琴「だとしたら一人で家にいるのは危険だわな」






南たちがうなずく・・・
真琴が出した答えは






大下真琴「じゃ俺がボディーガードになる」
大下勇次「うん、よく言った」
徳川宗明「まぁ署長が守ってくれるなら恐い者ないわな」
徳川吉之「なんたって港署最強のデカだもんな」





誰がそんなことを?






芝夏美「でもいくら署長でも一人じゃ危険じゃないですか?」
大下真琴「大丈夫、ストーカーの一人や二人」






というわけで今夜から森川さんの家に泊まってボディーガードをすることになりました。






武田英彦「署長がボディーガードをやる?!」
近藤卓造「ピッタリかもしれないな、相手が子供ならホシも油断するでしょうし」
武田英彦「そりゃまぁ確かに・・・」
徳川宗明「心配でしたら吉之の双子ちゃんも付けましょうか?」
徳川吉之「おいおいうちの子供たちを商品のおまけみたいに言うなよ」
徳川宗明「そんなつもりで言ったんじゃないよ、三人揃えばそれこそ無敵じゃない」
大岡忠利「それもそうですね」






吉之は二人に持たせた携帯にかけてみた。






里菜「はいもしもし、あっパパ、どうしたの?・・・ボディガード?誰の?うん、へぇ~」
家吉「ねぇ何の話?」
里菜「シー待って、うん別にいいけど場所は?うんいいよランドセル置いたらそのマンションに行くよ」
徳川吉之「ああ、じゃ任せるよ、よろしくな」






本当に双子に依頼しちゃったよこの人。
家吉と里菜は家に帰ってランドセルを置くとリストバンドを嵌めてステンレスの警棒
と小柄に煙硝玉をバックに積めて真琴のいるマンションに行きました。
真琴はドアを開けてビックリ!







大下真琴「お前たちどうしてここに!?」
里菜「ボディガードだよ~ん」
家吉「父さんに頼まれて来たんだよ」
大下真琴「吉之さんが?どうして?」
家吉「うん、三人なら無敵だろうって」
大下真琴「マジかよ!なに考えてんだ、まったく」
里菜「あっ師匠たちも昨日こっちに帰って来たから連れて来たよ」
大下真琴「あんだって!サラッと言うなよ」
里菜「大丈夫だよ、隣空き家でさ宮本課長の電話一本で協力してもらえることになったの」
大下真琴「電話って?誰に?」
里菜「このマンションの管理人だよ、いざという時のためにさ」







勿論その中には劉警部と秦奔刑事も含まれています。





ジャッキーチェン「マコト~ゲンキ?」
大下真琴「師匠、いつ日本に来たんですか?」
ジャッキーチェン「今朝着キマシタ」
家吉「うちのジイジが車出して成田まで迎えに行ったんだ」
大下真琴「どうやってこの人数乗せたの?」
里菜「リムジンだから全員余裕で乗れたわよ」
大下真琴「リムジン?マジかよ!?」






家吉と里菜はニコニコ顔でうなずいています。






里菜「徳川家よ、そのくらい楽勝よ、ねっ」
大下真琴「おめぇらが大金持ちのお坊ちゃんお嬢ちゃんだってこと忘れてたわ」







真琴は苦笑いして言う。






大下真琴「待て、さっきとなりが空き家だと言ってたな、どういうことだ?」
家吉「あ~さっき管理人から聴いた、だから張り込みってことで使わせてもらえることになったんだって」
大下真琴「誰が話を通したんだよ⁈」
里菜「だから宮本課長だよ、師匠たちにはとなりに居てもらうから」






真琴はまだ話が呑み込めていない様子。






里菜「もしストーカー野郎が現れても私たちだけの手に負えなかった時のために控えて居てもらってるの」
大下真琴「あ~そういうこと・・・」
家吉「もちろん劉警部たちも一緒だから百人力だろ」
大下真琴「フゥ・・・まぁそうだな」







森川さんは真琴たちの会話を聴きながらお茶を入れてくれました。






森川由香「みんな仲がいいのね、どうぞ」
里菜「わぁ~ありがとうございます」
大下真琴「すいません騒がしくって」
森川由香「いいんです、それにしてもあなたたちよく似ているわね、もしかして三つ子?」






森川の質問に里菜が説明した。





里菜「いいえ、私とこの子は双子の兄妹で彼はよく似ていますが私たちと血のつながりはありません」
家吉「最初はお互いびっくりしたけどな・・・」
里菜「真琴は家吉に会った時、気絶しちゃったくらいだもんね」
森川由香「そうか、無理もないかも」






他愛のない会話で盛り上げ由香さんを和ませた。
その頃、大下たちは覆面パトカーの中で張り込んでいました。






鷹山敏樹「いくら真琴が強いからって言ってもいざという時のためにすぐ動けるようにしとかねぇとな」
大下勇次「ホシが森川さんを襲うのに失敗して逃走した時のために俺たちがいるわけよね」
村木拓「でも劉警部たちもとなりの部屋でスタンバイしてるなら俺たち必要ないんじゃないですか?」
本城慎太郎「だからいざという時のためにこうしてるんだよ~♪」





マンションの前と裏に張り込んでいます。
窓に立って真琴が大下たちがいるのを確認した。






大下真琴「みんな・・・心強いよ」






と呟くと・・・





里菜「心強いって何が?」
大下真琴「別にこっちのこと」





夕食は森川さんが手料理をごちそうしてくれました。
となりの部屋からジャッキー・サモハン・ユンピョウも呼んで大人数で楽しく食べました。






森川由香「じゃ香港でカンフーを習ったの?」
里菜「はいパパに頼んで行かせてもらったんです」
家吉「ジャッキーを捕まえて修業させてほしいってね」
森川由香「捕まえてってどうやって?」
里菜「日本の大使館から香港の大使館を通してジャッキーと連絡が取れるようにしてもらったんです」
家吉「もちろんコネなんてないから連絡を取るのは大変だったらしいんですけど」
森川由香「へぇ~大下さんもですか?」
大下真琴「いえ、でも向こうで二人が事件に巻き込まれて助けに行った時、俺もカンフーを習ったんです」
森川由香「すごい!でも学校は?」
里菜「あ~パパが先生に頼んで休学させてもらったんです」






森川由香は目を丸くした。
徳川家はコネも財力もある。
そして夕食の後、真琴はまた窓の外を眺めていた。
森川さんには各部屋の窓の鍵を閉めるよう指示した。






里菜「ストーカー現れるかな?」
大下真琴「俺はリビングのソファで休むけど二人はどうする?」
家吉「森川さんにとなりの部屋を用意してもらったからそこで待機する」
大下真琴「いいだろう」





森川さんの寝室は玄関入ってトイレの向かいにある。





大下勇次『署長、下は異常ないぞ』
大下真琴「了解、引き続き張り込んでくれ」
大下勇次『了解』






PM8時半森川由香はテレビを見ながらビールを飲んでいます。






家吉「いいの?狙われてんのにビールなんか飲んで」
大下真琴「彼女にはいつも通り過ごすよう言ったんだ」
家吉「ふ~ん、でも緊張感が足りないんじゃない?」
里菜「私たちは由香さんを守るためにいるのよ、私たちがしっかりしてればいいんだよ」
家吉「そういうもんか?」






ジャッキーたちにはホシに悟られないようとなりの部屋で待機してもらっています。






森川由香「あの、家吉くんと里菜ちゃんよかったらお風呂入って」
里菜「いえ、そんなくつろげません、それにお姉さんを守るために来てますから」
大下真琴「なら由香さんと一緒に入れば?」
森川由香「私と・・・?でも」
里菜「そうだわ、いつ襲われるか分からないもの一緒に入ろうよ」
森川由香「刑事さんが言うならいいわ、女同士入ろうか」
里菜「はい!」
家吉「ごゆっくりぃ」





森川さんと里菜は脱衣所へ入って行きました。
風呂に入ると女同士会話が弾みます。






里菜「無言電話って女もするかも、由香さん誰かに妬まれてるとかってないですか?」
森川由香「ううん、思い当たらないわ、それに職場には男性の方が多いから」
里菜「数少ない女の中にいるかも・・・」
森川由香「なぜそう思うの?」
里菜「女って、あの人羨ましいって思うと憧れから妬みに変わるから、妬むって字は女偏でしょだから」
森川由香「なるほど・・・里菜ちゃん頭いいわね、あっごめんなさい馴れ馴れしかったね」
里菜「いいえ、里菜でいいです、由香さん」
森川由香「フフ♪ありがとう」







そう言ってから森川由香はなにか考え込むように黙り込んだ。






里菜「あの背中流しますよ」
森川由香「あっありがとう」






その頃、家吉と真琴はベランダに出て忍び込めそうな所に罠を仕掛けていた。
森川さんの部屋は二階の202号室なので仕掛けた罠は見えずらく気づかれにくい
物が壊れない程度に仕掛けておいた。







家吉「このギザギザに挟まれたら痛てぇよな」
大下真琴「普通なら、こんなんされたら逃げ帰るよ」
家吉「俺なら二度と来ない」







ベランダの足場に仕掛けてカーテンを閉めた。
念のため由香さんの部屋にはベランダから入ったところに撒菱をばら撒いていた。





大下真琴「これでよし、子供騙しのような罠だが充分だろう」
家吉「由香さんに窓には近づかないよう言っとかなきゃね」
大下真琴「うん、でも油断はできねぇぞ」
家吉「分かってる、夜は長げぇからな」





そこへ風呂から上がった森川と里菜が来ました。





里菜「二人でコソコソ何してんのよ?」
家吉「由香さんが安心して眠れるように罠を仕掛けてたのさ」
大下真琴「ベランダにも強力なのを仕掛けておいたんだが万が一部屋に入って来られた時のためにこいつをね」
森川由香「なんか痛そう」
大下真琴「ベランダから入る時に一番最初に踏み込むところだから」
里菜「へぇ~撒菱(まきびし)か、やるじゃん」
大下真琴「これでもデカIQ250ありますから」






カーテンを閉めて電気を消した。
午後10時半、由香が寝室に入って眠りについた。
真琴たちは持って来たペンライトを点けた。
家吉と里菜も夜更かしには馴れている。
そして11時過ぎになって外にいる本城から無線連絡が来た。






本城慎太郎『今男が一人ベランダにロープ掛けてよじ登ってるよ~』
大下真琴「了解、ストーカーヤロウが下から来るって」
里菜「本当に来たんだ、そのバカ」
大下真琴「俺たちがいることに気づいつねぇんだよ」
家吉(シィ~来たぞ)






と、その時ベランダの戸が開いた。
しかし・・・





“グサ💥”






犯人「痛てっ!」





部屋に入ろうと靴を脱いで足を踏み込んだ所に撒菱がありピンポイントに刺さったようだ。
犯人は一瞬怯んだものの足場を探って部屋に入って来ました。






里菜(チッ、めげない奴)






ソファーの裏に隠れている里菜・家吉・真琴はホシの動きをジッと見つめていた。
ふと窓の方を見るととなりのベランダからジャッキーたちが移って来たのが見えた。
劉警部と秦奔刑事は下にいる本城たちに上がって来るよう合図を送った。





風間明「合図だ行くぞ」






ストーカーは由香さんの部屋に忍び込んだ。
ナイフを手にゆっくりとベッドに近づいて行く。
ストーカーがナイフを振り上げた瞬間、
真琴が声を掛けた。





大下真琴「ハイそこまで、お前かストーカー野郎は・・・本当に来るとはな」
ストーカー「だ、誰だ?」     
            ガーディアン
大下真琴「俺たちは由香さんの守護神さ」
ストーカー「ガーディアンだと?ガキじゃねぇか」
里菜「そう、ガキだよ」







寝室のドアが開いて里菜と家吉が腕組みをして立っている






家吉「けど、ナメてると怪我するぜストーカーさん」
ストーカー「ふざけんな💢」






キレたストーカーはナイフを真琴めがけて振り下ろして来た。





“キン⚡️”





しかし真琴は持っていたステンレスの警棒でストーカーのナイフを弾き返した。
ストーカーは素早く距離を取った。






里菜「ふ~ん少しはできるみたいだね」






家吉と真琴は里菜を挟んで横に立った。







ストーカー「空手小僧か」
里菜「カンフーだ、まぁ空手の段も持ってるけどね」
ストーカー「カンフーね、だが大人相手に勝てるとでも?」
家吉「そう思うなら試してみるか?」






里菜と家吉の挑発に怒ったストーカーは三人に殴りかかって行きました。






大下真琴「あらら、キレちまってるよ」






ストーカーが思っていたよりも三人が強かったらしく顔色が変わって来た。
廊下の扉の向こうからはいつでも助太刀に入れるようジャッキー・サモハン・キンポー
そして劉警部に秦奔刑事がスタンバイしていた。





      また強くなってる
リンワイ・ティエン,ダチャンタァ
サモハン・キンポー「另外,变得强大」





劉警部も口笛を吹いた。



    すごい!
    ジンチェン
劉警部「ヒュ~惊人!」






しかし犯人もしぶとい、何とか由香さんを殺ろうと押し退けて行こうとするが里菜に足を掛けられて
また格闘が始まる。
廊下まで押し出されて行った。






由香「ハッ!誰?」
大下真琴「シー大丈夫、すぐ逮捕しますから安心して眠って下さい」
由香「はい、お願いします」






由香はまた横になって眠りに付いた。
真琴はそっと布団をかけて出て行きました。





家吉「この!いい加減諦めろっつうの!」
ストーカー「うるせぇ💢そこをドケ!」
大下真琴「ストーカーごときが逆ギレしてんじゃねぇよ、タコ💢」
ストーカー「てめぇら何者だ!?」
大下真琴「言ったろ、由香さんのガーディアンだと」
ストーカー「ボディーガードにこんなガキ使ってんのか?!」
家吉「彼は刑事だよ、それも港署最強の刑事さ」
ストーカー「デカだと!笑わせんな!」
本城慎太郎「ホントだよ~、あ~おはずかしぃったらありゃしない」
大下真琴「ヨゥ、ナイスタイミング」
ジャッキー・チェン「ハーイ手伝イニ来タヨ」
里菜「師匠、由香さんをお願いします」






サモハン・キンポーが由香の前に守るように立った。





家吉「うわっ!イッテェ」
里菜「キャ!やったなぁ💢」
ストーカー「死ねクソガキ!」






“ドカ💥” と蹴りの音がした。





ストーカー「ぐぅ・・・ち、くしょう」






やったのはサモハン・キンポーだった。






サモハン・キンポー「AreyouOK?」
里菜「Ⅰ.m OK」






サモハン・キンポーはストーカーを押さえたまま本城に引き渡した。





大下勇次「おっ本城さん、署長、里菜ちゃんたちケガはないかい?」
里菜「はい、ちょっと尻モチを突いちゃいましたがサモハンさんが助けてくれました」
大下真琴「由香さん、もう大丈夫ですよ」
森川由香「ありがとうございました」






真琴は森川由香に戸締りをしっかりするよう言って部下たちと署に帰りました。






宮本謙「そうですか、よかった」
武田英彦「ただいま戻りました」
大下真琴「ごくろう様です」
武田英彦「ストーカー男こと中川ワタルを引き渡して来ました」
村木拓「あいつ、そんな名前だったんだ」






武田はコートを脱いで自分の席に戻ると中川の供述内容を話した。





武田英彦「署長、森川由香さんは五日前から無言電話が来るようになったと言ってたんですよね?」
大下真琴「そうですけど」
武田英彦「おかしいな・・・」
風間明「何がです?」





武田の話によると、中川は盗撮写真を送ったり部屋の盗聴はしたが無言電話はしていないという話だった。





原田実「そんなのウソっぱちですよ」
武田英彦「いや、しかしな中川は森川由香さん宅の電話番号は知らないというんだ」
田中文男「そんなバカな・・・」






すると真琴が席を立った。






大下真琴「俺としたことが・・・由香さんがあぶねぇ!」
大下勇次「ちょちょ、待てよ俺も行く、タカ」






宮本の合図で本城たちも後を追いかけました。
そこへ森川由香が現れたのです。







大下真琴「由香さん!」
森川由香「よかった会えて、これエクレアなんだけど好きかな?」





会えたおかげでとりあえず無事だと分かりホッとする真琴だった。





大下真琴「ええ、エクレアなら食べられますけど」
森川由香「よかった、お礼に渡そうと思って買って来たの」
大下真琴「いいんですか?」
森川由香「小さなガーディアンくんに」






真琴は袋を受け取った。





大下真琴「ありがとうございます」
森川由香「双子ちゃんの分もあるから」
大下真琴「あ~喜びますよ、あいつら」
森川由香「それじゃ私、家に帰ります、本当にありがとう」
大下真琴「待って、逮捕した奴、本当のストーカーじゃなかったんです」
森川由香「えっ!どういうこと?」
大下真琴「犯人が他にいたんです」





真琴たちは森川由香を家まで送りました。
その道中で説明をした





大下真琴「あの男は盗撮写真を送ったり盗聴したことは認めたのですが無言電話はしていないと言ってるんです」
森川由香「そんな・・・!まさか」
大下真琴「おまけに犯人は由香さんの行動パターンを研究しているかもしれない」
森川由香「明日デパートに買い物に行きたいの」
大下勇次「一人で出歩くのは危険だ」
大下真琴「俺が一緒にいます、由香さんを守ります」






森川由香は真琴の目を見てコクンとうなずいた。






本城慎太郎「俺たちも行く、ただしホシに気づかれないように行く」
大下真琴「分かった、由香さん歩いて行きましょう」
森川由香「はい」
里菜「ちょっと待ちな、私と家吉も行くよ」
大下真琴「お前ら、分かった、来い」





次の日
森川由香と真琴たちは歩いてデパートに行きました。
数分遅れで大下たちが覆面パトカーで追いかけました。
真琴はショルダーバックに発信機を入れた。
受信機は大下の覆面パトカーの中にセットしてある。





大岡忠利「署長らしい、備えのいいことだ」






デパートに着くと目当ての服が売っている売り場に直行した。
由香は洋服売り場で服を何着か試着しようと選んでいた。






家吉「ここは里菜に任せるしっかりつくんだぞ」
里菜「任せといて」






里菜は由香の所へ行きました。






里菜「あの、私が見立ててもいいですか?」
森川由香「選んでくれるの?嬉しい」





由香のその一言で里菜は笑顔になり、
一緒に服を選びました。





里菜「この白いワンピースなんかどうです?」





里菜は白いワンピースに赤いハイビスカスの花が大きくプリントされているのを森川由香に見せた。





森川由香「あ~こういうの探してたの」
里菜「じゃ着てみて下さい、きっと似合いますよ」
森川由香「うん、早速試着してみるわね」






その時、真琴が赤外線スコープが森川由香に狙いを定めていることに気づいた。






大下真琴「二人とも伏せろ!」





“パン⚡️パリィーン💥”





客たち『キャ~!』
大下真琴「みんな動かないで、家吉二人を頼む」
家吉「分かった」






真琴が試着室のカーテンを開くとスコープだけが置いてあった。






大下真琴「ダミーか、くそっ!」





そこへ大下たちが騒ぎを聴いて駆けつけて来ました。





鷹山敏樹「署長、みんな無事ですか?」
大下真琴「ああ・・・俺としたことがダミーも見抜けなかったなんて・・・」
徳川治樹「気にするな、同じ状況なら俺も同じ行動を取っていた」






店の通路に出てエレベーターを蹴飛ばす真琴。





大岡忠利「気持ちは分かりますが落ち着いて下さい」
遠山金之助「ホシは恐らく、署長のことを試したんでしょう」
大下真琴「分かってんだよ💢だから腹立ってんじゃねぇか!」






怒鳴る真琴に驚く大岡と遠山、それを見て真琴は落ち着きを取り戻した。





大下真琴「あっごめんなさい」
大岡忠利「いいんですよ、我々も署長と同じ気持ちですから」






そこへ青木順子と原田実が店員に話を聞いて戻って来た。






青木順子「そうですか、ありがとうございます、署長、あの赤外線スコープですがいつからあそこにあったのか店員にも分からないそうです」
原田実「ただ、今朝夜勤の店員と交代して見回った時にはなかったと証言しています」
大下真琴「そうだろうな」






そこへ本城と風間が試着室にあった赤外線スコープの付いたライフル銃を持って来た。





風間明「本物です、弾は一発しか入ってませんでした」
本城慎太郎「よっぽどこの仕掛けに自信があったんだろうな、署長が気づいたせいでホシの計算が狂っちまったが」
吉井浩一「これでホシはきっと次はもっと荒い手を使って来るかもしれんぞ」







吉井の言葉に真琴は考えをめぐらせた。






大岡忠利「それに署長の存在が吉と出るか凶と出るか・・・」
村木拓「それどういう意味ですか?大岡さん」
大下勇次「署長が彼女のガードに付いていることが分かったホシが署長を試したんだぞホシは署長に挑戦状を叩きつけて来たってことさ」
徳川宗明「そうなりゃ、署長とホシの知恵比べだ、いかに彼女を殺すか?守り抜くか?」
大岡忠利「そういうことです」





真琴は必死に考えていた。





里菜「やっぱり連れ出したのがマズかったのかな?」
家吉「いや、どうだろう?」
森川由香「あの刑事さん、私はあなたのことを信じています」
大下真琴「由香さん」





すると真琴は何かひらめいたのか、順子と夏美を見つめた。






大下真琴「年かっこうは・・・ダメだ」
大下勇次「薫ならどうだ?」
大下真琴「あっ!よしすぐにこっちに来させて」
大下勇次「OK!」







真琴の考えを見抜いた父・勇次は真琴にウインクして公衆電話へ行き薫を呼び出した。





大下真琴「吉田さん、谷村さん、薫が来たら由香さんを誰にも気づかれないように連れ出して下さい」
谷村進「分かりました」





そして森川由香には・・・






大下真琴「由香さん今から母が来ます、到着したら母と服を交換して出て来て下さい」
森川由香「でも気づかれたら・・・」
大下真琴「大丈夫、俺を信じて下さい」





森川由香は真琴の目を見てニコッと笑うと・・・






森川由香「分かりましたあなたを信じます」





と言いました。
そこへ薫が店に到着・・・





大下薫「署長、大下さん」
大下真琴「よし、夏美さん順子さん、二人について試着室へ」
芝夏美「分かりました」






もうお分かりでしょうが二人を摩り替えるのです。



20分後。




着替えて来た二人が化粧室から出て来ました。





大下薫「私を呼び出すなんて捜査課も目が高いじゃない」





薫は浮かれている様子。





大下真琴「いいから、大人しくしててよ、奴らを騙して捕まえるんだから」
大下薫「分かってるわよ、しかしこの服ピッタシなのよね」
大下真琴「だから呼んだんだよ、よし風間さんと順子さんと俺で森川さんを署に送る」
風間明「はい」
大下勇次「薫は俺たちと来い」






薫は黙ってうなずいた。






里菜「私たちも真琴と行くよ」
徳川吉之「だってさ、どうする?」





真琴は耳をかいてから





大下真琴「OK、武器は?」
家吉「煙硝玉と小柄と刀」
里菜「そしてこれ」





と、里菜が拳を握って見せた。






大下真琴「フッ、よし明さん順子さん行こう」
風間明「乗って下さい」





そして大下たちも・・・





本城慎太郎「薫ちゃん帽子を深く被って」
大下薫「はい、よいしょっと」






それから真琴、里菜、家吉とデパートを出ました。
するとそこを狙っていたかのように一台の車が着いて来た。






里菜「あの黒い車、デパートを出てからずっと着いて来てる」
大下真琴「分かってる、いいから風間さん気にせず車を走らせて」
風間明「了解」





大下の覆面パトカーも真琴たちに着いて行きます。





町田透「先輩、あの車ちょっとゆっくり走りすぎてると思いません?」
鷹山敏樹「あれがストーカーかもな、本城さん一台の車が署長たちをつけてます」
本城慎太郎(声)『こっちからも確認したよ』
村木拓「本城さん、どうします?」
大下真琴「みんな、何とか奴らを誘い込んでくれ」
徳川吉之「分かった、ここで別れよう」
大下薫「気をつけるのよ」






真琴たちが乗った覆面パトカーは港署に向かいました。
しかし・・・






風間明「署長、どうやら気づかれたみたいです」
大下真琴「らしいな、由香さん伏せてて」
風間明「見破られました、今廃工場街に入ります」
大下真琴「しゃーねぇな」
大岡忠利『署長たちの方に行ったか・・・』
遠山金之助「ストーカーもバカじゃなかったってことだな」






風間たちは倉庫街へ入りました。
真琴が指示した倉庫の前で覆面パトカーを止めた。






青木順子「由香さん署長についてってください」
森川由香「はい」






里菜と家吉も続いて倉庫の中へ入って行きます。
風間と青木も倉庫へ入って行きました。
数分後、倉庫に七人の男が入って来ました。





リーダーA「デカもろとも殺せ」
犯人B「アイヨ、ショータイム」
青木順子「入って来ました」
風間明「女性一人にストーカーが多過ぎるだろう」
大下真琴「ストーカーじゃないのかも」





風間と青木は拳銃の弾を確かめて構えます。
同じ頃、大下・本城たちも倉庫街へ差し掛かりました。






吉田春彦「署長、どうが無事でいて下さい」





そう言う大下も覆面パトカーを飛ばします。






町田透「でも一体どこで気づいたんだろう?囮に出た時にすでに見抜かれてたってことですかね?」
鷹山敏樹「いや、途中までは付けられていた、多分薫の顔を確認したんだろう」
本城慎太郎「それで途中から尾行されなくなったんだ、ヤバイぜ」
徳川宗明「信号は俺が操作する、みんな全力で飛ばせ」
村木拓『了解、カッとびだ!』
原田実「ぶっとびだ!」





その頃、倉庫の中ではすでに銃撃戦が始まっていた。






森川由香「キャ~!グスングスン」
青木順子「由香さん頑張って、必ず守るから」
里菜「風間さん腕撃たれてる!」
風間明「掠り傷だよ、それより彼女を連れて奥へ」
大下真琴「分かった」
里菜「風間さんジッとしてて今応急手当しますから」
風間明「できるのかい?」
里菜「これでも一通りのことはできますから、家吉手伝え」
家吉「あいよ」







真琴と順子は森川由香の手を引いて倉庫の裏口まで走って行った。
しかし、由香を狙うストーカーが順子たちの方へ近づいて来ていた。
その時、外の方でサイレンの音が響いて来た。
その音が二台、三台と増えて行く。






大下真琴「フッ味方が助けに来た」
本城慎太郎「おっ銃声だ、どの倉庫だ?」






銃声の音を頼りに倉庫街を走らせた。





“バン💥”






藤村亮「本城さん、あそこから銃声が・・・」





本城が覆面パトカーを止めると真琴が飛び出して行きました。





鷹山敏樹「勇次、真琴だあの倉庫に向かってる」
大下勇次「オーライ、行くか」






タカとユージも覆面パトカーから降りて倉庫へ向かった。
一足先に治樹と宗明が到着した。
本城も追いついて来た。





青木順子「風間さん!」
風間明「順子は彼女の側にいろ」
大下勇次「風間さん、順子さん大丈夫? 真琴は?」
大下真琴「ここにいるよ」





銃声と共に勇次たちが駆けつけた。






青木順子「署長、由香さんをお願いします」
大下真琴「任せとけ、由香さん俺から離れないで」
大下勇次「真琴、ホッと敵は何人だ?」
風間明「確認できたのは五人だ、だが恐らくもっといるだろう」






本城と真琴が数えた。





本城慎太郎「八人だ囲まれてんぞ」
原田実「本城さん」






原田・村木・藤村・芝・谷村・吉田も駆けつけて来ました。





町田透「先輩、みんな揃ってたんだ」






透・劉警部たちも来た。






大下真琴「あとは・・・忍び組今どこにいる?」
木葉聡『上です、すぐに行きます』






その言葉と同時に屋根からロープが垂れ下がって来たと思ったら木葉たちが素早く降りて来た。






徳川吉之「聡たちを援護するんだ」







ストーカー男が聡たちに気づいた。






大下勇次「あいつら女一人に何人でストーカーしてやがるんだ?」
吉井浩一「もう始まってたの?」
本城慎太郎「忍び組が気づかれて已むを得ず援護に回ったんだ」
大下真琴「ボヤボヤするな分かれるぞ」
鷹山敏樹「OK、気をつけろよ」






鷹山の言葉にうなずく真琴。





大下真琴「慎太郎、行くよ」
本城慎太郎「OK、Igetit」
風間明「署長、こっちです」






風間の呼び掛けに気づき向かった。






大下真琴「二人ともこれ使って、替えの弾」
青木順子「助かりました」
風間明「弾切れ寸前だったんです」






風間と青木は急いで包装紙を剥いて
マガジンとスピードローダーをポケットに入れた





大下真琴「由香さん、あいつらに見覚えありますか?」
森川由香「いいえ、知らない顔ばかりです」






相手はストーカーで一方的に森川由香をストーキングしているとこの時は思ってた。
その男の顔を由香が知らないのも無理はない。
そこへ由香の身辺を調べていた治樹と宗明が駆けつけて来ました。







徳川宗明「あ~始まってるよ」
徳川治樹「宗さん早いとこ知らせないと」
徳川宗明「そうだな、裏から行こう」






治樹と宗明は拳銃を抜いて裏口へ回って倉庫内に潜入した。
これで全員揃いました。





大岡忠利「治樹さん、宗明さん」
徳川宗明「遅れてすまん、大変なことが分かったんだ」
遠山金之助「何です?」
徳川治樹「その前にうちのナイトはどこにいる?」
大岡忠利「あそこで本城さんたちといますよ」
徳川治樹「よし、二人も一緒に来てくれ」






四人は真琴たちのところへ駆け寄りました。





田中文男「これ全部由香さんのストーカーなのか!?」
徳川治樹「いや、真犯人に雇われた連中だよ」
大下真琴「治ちゃんたち遅いよ!」
徳川治樹「あ~ごめんごめん、お土産持って来たから許してよ」
本城慎太郎「なにか分かったんですか?」
徳川宗明「とんでもないことが分かったんだ」





宗明が前置きしてから治樹が話し出した。




徳川治樹「まず主犯閣はこの男、尾上等」
大下真琴「えっ!市議会議員の?」
徳川宗明「さすが署長、話が早い、そう黒幕はこいつでまず間違いない」






宗明が自慢気に言う、そこにタカが疑問を投げかけた。




鷹山敏樹「ちょっと待った、尾上はなぜ由香を殺そうとするんです?」
大下勇次「そうだよストーカーをさせ、彼女を怖がらす訳は?」
徳川治樹「それは本人に聞いてみるんだな」




と言って治樹たちは森川由香を見た。
森川由香は驚いた顔をしている。





大下真琴「由香さん、その顔は狙われる原因に気づいたのですね、話して下さい」
森川由香「いえ、私はただ・・・工事現場を通った時に数人の作業服を着た人たちを見ただけで」
鷹山敏樹「それだ、その現場どこか憶えてます?」
森川由香「ええ、近所ですから」
徳川吉之「そうか、尾上があなたを狙う理由がだいたい分かったぞ」
大下真琴「俺も奴らを片付けてから現場へ行こう」
家吉「でも奴ら気配を消してるからここから出るのは難しいぞ」





すると真琴がバズーカーを組み立て始めた。





原田実「まさかそれで燻り出す気じゃないでしょうね?」
大下真琴「そのまさかだよ」





サラッと答える真琴に原田は口笛を吹きました。





徳川治樹「後ろ支えてやるよ」
大下真琴「ありがとう、そんじゃ行くよ、みんな耳塞いで伏せてな」






“カチ⚡️ズドォン❗️ドカァ~ン💥”





村木拓「今ので奴らくたばってたりして」
大岡忠利「いや入口を破壊しただけだから生きてるだろう」
吉本和彦「でもかなりの衝撃を受けてるはずですよ」




すると咳をしながら数人の男が出て来た。
その中の一人が森川由香に気づいた。





犯人A「尾上さん、あの女がいます」
尾上等「殺せ、あの女に死体を隠しているところを見られているんだ」
犯人B「はい」






すぐに二、三人の男が由香を狙って発砲して来ました。





森川由香「キャ~!」
大下真琴「由香さん、頭を低くして伏せて下さい」
藤村亮「クソ!奴ら一人の女を消すためにそこまでやるかよ💢」
木葉聡「それほど後めたい物を埋めたってことかもな」




真琴は必死で由香を守っている




風間明「署長、上にもいますよ」
大下真琴「いるね、一人一人に発砲してたらキリがねぇや、治ちゃん」
徳川治樹「ハイハイ、OK、撃っていいよ」






“カチン⚡️ズドォン!!ドカァ~ン💥”






犯人たち『うわぁ!』
町田透「撃ちすぎですよ、あの子」
鷹山敏樹「いいじゃん、後がラクだし」
大月半蔵「しかし奴らもタフだよな、これで二発くらってるんだぜ」
桐原早希「そうですよね」





関心してる場合か!





大下真琴「依頼人は最後まで守り抜く」
徳川宗明「うん、俺署長のそう言うとこ好き」
大下真琴「アザース、よっしゃ一気に行くぞ」
大下勇次「待ってました!」





全員で総攻撃ドンドン手下たちを倒して行きます。





本城慎太郎「尾上、もう諦めなぁ、てめえの負けだ」
尾上等「それはどうかな?」
大下真琴「誰が彼女を守ってると思ってんだ?」
尾上等「この子供の声は、お前が大下Jrか?」
大下真琴「そうだ、彼女は俺が守り抜く」
尾上等「お前たちに私は捕まらん」





尾上は手下の後に隠れた。




徳川吉之「だそうだ、どうする?」





すると真琴は由香の手を握ると物陰から出て行った。





大下真琴「俺を信じて、由香さん」
森川由香「いいの、あなたとなら恐くない」
家吉「おい、どうする気だ?」
大下真琴「尾上は俺が逮捕する、後を頼む」
徳川治樹「分かった、頑張れよ、ずっと見てるからな」






治樹の言葉にうなずきで答えると由香の手を引いて歩き出した。
気配を察知して正確に一人一人撃ち倒して行った。





“バン💥バン💥バン💥”





十文字隼人「さすが、ダテにシティーハンターを見てないよな」
倉田園子「よく研究してるわよね」
高野小次郎「アニメを研究してあれだけできるんだもんな、あいつやっぱ天才だわ」





とうとう最後の一人まで来ました。






尾上等「殺せ💢女を撃て!」






“バァン💥”





手下A「うぐっ」
大下真琴「残ったのは貴様だけだ」
尾上等「うぅ撃つな!」
大下真琴「見苦しい💢ゲス野郎💢」






そう言うと銃の持ち手の所で尾上の頚動脈を打ち突けて気絶させた。





“トン⚡️”





青木順子「終わったみたいですね」
大下真琴「もう大丈夫ですよ、由香さん」





森川由香は涙を流して真琴に抱きついた。
そして涙声で「ありがとう」と言った。
真琴は笑って優しく抱きしめた。





里菜「パパ、こいつどうするの?」
徳川吉之「県警に引き渡すことになるだろう」
家吉「しかし、かっこよすぎだよね、アレ」





と、家吉が真琴を親指で指した。





遠山金之助「いいのいいの、港署のナイトなんだから」





尾上一味は全員逮捕されました。





森川由香「本当にありがとうございました」
宮本謙「また何かあったらいつでも相談に来て下さいね」
森川由香「はい、双子の兄妹にもありがとうって伝えて下さい」
大下真琴「はい、伝えます」
森川由香「それじゃ、これで失礼します」






全員で森川由香を見送りました。
真琴は報告書を提出しに出かけました。




緒方雄一「ご苦労様でした、ストーカーたちは今日中に東京地検に引き渡されます」
大下真琴「そうですか、よかった」
緒方雄一「よく依頼人を守ってくれました」
大下真琴「それが仕事ですから」






真琴の言葉にうなずく緒方。




緒方雄一「囮作戦を使ったんだね」
大下真琴「しかし見抜かれてしまったんです、そのせいで依頼人を危険な目に合わせてしまいました」
緒方雄一「そのようだね」
大下真琴「俺が甘かったんです、ホシをみくびってました」





治樹は横で黙って見守っていた。
下手に庇うようなマネはしなかった。





緒方雄一「裏をかかれたんだね、それはしかたがない、分かりました」
大下真琴「今度はもっとよく考えます」
緒方雄一「期待してるよ」
大下真琴「はい!では、失礼致します」





次は官房長に出世した大原のところへ





大原功一「大下さん待ってましたよ」
大下真琴「この度は官房長に出世されたそうで、おめでとうございます」
大原功一「固いあいさつはナシナシ入って入って」
大下真琴「失礼します、これ本日の報告書です」






真琴は封筒を手渡した。
大原は受け取って中身を取り出した。







大原功一「おおっ!枚数が多い」





それでもちゃんと最後まで目を通してくれました。





大原功一「そうか依頼人もさぞかし心強かっただろうね」
大下真琴「信頼はしてくれていました」
大原功一「ふむ、よく守りきってくれました、ご苦労様です」
大下真琴「ではこれで失礼致します」





大原が出世したせいか緊張している様子の真琴。会釈をしてさっさと出て行ってしまった。
最後は浅見刑事局長のオフィスです。
ノックをして中に入りました。






大下真琴「失礼します」
浅見陽一郎「どうぞ、さぁ入って待ってましたよ」
大下真琴「本日の報告書です」






封筒を手渡した。
刑事局長は受け取ってすぐに目を通した。






浅見陽一郎「尾上等、この男がストーカーだったのかい?」
大下真琴「いえ、実際は手下にストーカーをやらせていました、依頼人に死体を遺棄しているところを見られたことで彼女を消すよう腕利きの殺し屋を雇ったんです」
浅見陽一郎「しかし議員らしくない、ミスだよね、ふつう手下に処理を任せるだろう」
大下真琴「これは推測ですが、尾上は自分で見届けたかったのではないかと思うんですが・・・しかし運悪く帰宅途中の森川由香さんに見られてしまった」
浅見陽一郎「でも彼女は死体を隠しているとは思ってなかった」
大下真琴「ええ、最初はなぜ自分が命を狙われているのか分からなかったそうです」
浅見陽一郎「恐い世の中だね、ご苦労様でした」
大下真琴「本当ですよ、あっじゃこれで失礼します」
浅見陽一郎「はい、また待ってますよ」






真琴たちは会釈をしてオフィスを出ました。






徳川治樹「ふぅ、さて帰ろうか」
大下真琴「はい」





治樹と真琴は所に戻りました。





里菜「お帰り~」
大下真琴「いたのか」
家吉「うん、父さんと帰ろうと思って」
大下真琴「そうか、二人とも今回は協力してくれてありがとう」
里菜「水臭せぇなぁ、礼などいらん」





吉之は笑っています。





大下勇次「署長、まだ仕事あるの?」
大下真琴「今日はもうない」
大下勇次「じゃ帰ろうぜ」
鷹山敏樹「俺も一緒に帰る」






大下親子と鷹山の四人で帰って行きました。
徳川や他の刑事たちもボチボチと準備をして帰りました。




つづく

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